夏の終わりにふさわしい題材のエッセイが 昨日の我が編集画面内 Popular Entories top10 内に 掲載されていたため、本日はそれを再掲載させていただこう。
表題の通り、そのバックナンバーは 2012.06.27付時事論評カテゴリーにて公開の 「一人旅に出たペンギンくんの物語」です。
(冒頭写真は、葛西臨海水族園出口近辺レストラン前に現在掲示されていた “脱走フンボルトペンギン” に関する掲示物を、原左都子が2012.06に撮影したもの。 写真上の左が脱走ペンギン。 見辛い点をお詫びします。)
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ボクは葛西臨海水族園で飼育されているフンボルトペンギンのオスで、まだ1歳なんだ。
早春3月のある日、ボクは水族園ペンギン飼育空間後部にある大きな人工岩山に登って遊んでたんだよ。
その岩山の高いところまで登り着いたら、お外が見えたのさ。
そこには今まで見たこともない大きな大きな海が広がっていたんだ。
わあ、すごいな~~! あんなところで泳いでみたいな~!
なんて思っていた途端に足を滑らせて、気がついたらボクは水族園の外の道路に落ちてた…
体は痛いし、困った事になったなあと思いながらも、海の匂いに誘われてボクは痛い体を引きずりながら海の方向へ急いだのさ。
そしたらいつもの水槽とは大違いで、海ってほんとにびっくりするぐらい広くて大きいんだよ。
こんな広いところで泳げる!と感激して、夢中で泳ぎ回ったのさ。
いつも周囲にいっぱいいる仲間もいないから、飼育員さんがくれるエサの奪い合戦を繰り広げなくていいし、生まれて初めて経験する自由を満喫したよ。
でもおなかが空いて、ちょっぴり不安になったんだ…。
そんな時、お魚を発見したよ! パクッと取って食べてみたら、これがいつも飼育員さんがくれるエサよりもずっとずっと新鮮で美味しいんだ! もう癖になっちゃって、それからは狩猟の毎日さ。
潮に流されて川へも行ったよ。 そしたら、ボクの写真を撮る人が結構いたよ。 写真のモデルになることは水族園で慣れ切ってるから、へいっちゃらってものさ。
寝るとこもボクなりに見つけて毎日暮らしていたんだけど、ちょっと危ない目にも遭いそうになったよ。 例えばボクより大きなお魚に出会ったり、漁をしている船の網に引っかかりそうになったりとかね… そんな時には全力で逃げたよ。
(水族園に戻った後で飼育員さん達が話しているのを聞いたところ)ボクが一人旅に出た辺りは東京湾だったようで、そこは結構海水がきれいなため美味しいお魚がいっぱい取れる環境だったみたいだよ。
だから、ボクは元気に海や川で暮らせたのさ。
でも、さすがに一人旅の寂しさが身にしみ始めたんだ……
ここでちょっと、左都子お姉ちゃん(影の声だが、2023年の今となっては“左都子婆さん”と言うべきだが😭 )が写した冒頭の “ヘボい” ピンボケ写真を見てよ。
上部の写真はボクが水族園に帰った日の5月24日に行徳橋付近で映された様子なんだけど、とても寂しそうでしょ…
下の写真は、その情報を得て駆けつけた水族園の係員がボクを連れ戻そうと必死になっている風景だよ。 係員の人もボクがびっくりして再び海に戻らないように時間をかけて少しずつ近づいて来てくれたから、ボクは水族園に帰れたんだ。
その後、ボクはまた葛西臨海水族園のペンギン飼育空間で元気に過ごしているよ。
少し一人旅をしてきた身としては、また集団飼育生活に十分に慣れるまでにしばらく時間がかかるとは思うけど…。
でも、水族園で飼育されている一ペンギンでありながら、勇敢にも“一人旅”外遊をした立場として少し思うこともあるんだ。
生物体にとって何が幸せなのだろうかと…
ボクはたまたま岩山を登り切るという冒険心と体力があったから“一人旅”が出来たと思う。 でも、確かにそれをすることで命の危険もあったよね。
ボクが旅に出た地域が大都心に位置する海だったし、ボクが元々住んでいた水族園もその地にあったからこそ、係の人達がいろんな情報を収集できてボクは今回葛西臨海水族園に戻れたのだとも思う。
どうなのだろう。 ボクは水族園に戻れて幸せなのか? それとも“一人旅”で天敵に遭うことも覚悟した人生を全うするべきだったのか??
左都子お姉ちゃんもよく分からないなどと言いつつ、「悲しいかな、元々水族園で飼育されたことがペンギンくんの人生を決定付けていた」 などと言いたげだけど……
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上記物語は、原左都子が昨日(2012年6月26日)葛西臨海水族園を訪れ “脱走ペンギン” に関して収集した情報、及びその周辺立地を我が目で視察確認して綴ったフィクション内容であるため、事実とは多々異なる点があろう点をお詫びします。
今回の本エッセイの最後に、葛西臨海水族園館長名で公開している“お詫び”文書の一部を紹介しよう。
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ボクは葛西臨海水族園で飼育されているフンボルトペンギンのオスで、まだ1歳なんだ。
早春3月のある日、ボクは水族園ペンギン飼育空間後部にある大きな人工岩山に登って遊んでたんだよ。
その岩山の高いところまで登り着いたら、お外が見えたのさ。
そこには今まで見たこともない大きな大きな海が広がっていたんだ。
わあ、すごいな~~! あんなところで泳いでみたいな~!
なんて思っていた途端に足を滑らせて、気がついたらボクは水族園の外の道路に落ちてた…
体は痛いし、困った事になったなあと思いながらも、海の匂いに誘われてボクは痛い体を引きずりながら海の方向へ急いだのさ。
そしたらいつもの水槽とは大違いで、海ってほんとにびっくりするぐらい広くて大きいんだよ。
こんな広いところで泳げる!と感激して、夢中で泳ぎ回ったのさ。
いつも周囲にいっぱいいる仲間もいないから、飼育員さんがくれるエサの奪い合戦を繰り広げなくていいし、生まれて初めて経験する自由を満喫したよ。
でもおなかが空いて、ちょっぴり不安になったんだ…。
そんな時、お魚を発見したよ! パクッと取って食べてみたら、これがいつも飼育員さんがくれるエサよりもずっとずっと新鮮で美味しいんだ! もう癖になっちゃって、それからは狩猟の毎日さ。
潮に流されて川へも行ったよ。 そしたら、ボクの写真を撮る人が結構いたよ。 写真のモデルになることは水族園で慣れ切ってるから、へいっちゃらってものさ。
寝るとこもボクなりに見つけて毎日暮らしていたんだけど、ちょっと危ない目にも遭いそうになったよ。 例えばボクより大きなお魚に出会ったり、漁をしている船の網に引っかかりそうになったりとかね… そんな時には全力で逃げたよ。
(水族園に戻った後で飼育員さん達が話しているのを聞いたところ)ボクが一人旅に出た辺りは東京湾だったようで、そこは結構海水がきれいなため美味しいお魚がいっぱい取れる環境だったみたいだよ。
だから、ボクは元気に海や川で暮らせたのさ。
でも、さすがに一人旅の寂しさが身にしみ始めたんだ……
ここでちょっと、左都子お姉ちゃん(影の声だが、2023年の今となっては“左都子婆さん”と言うべきだが😭 )が写した冒頭の “ヘボい” ピンボケ写真を見てよ。
上部の写真はボクが水族園に帰った日の5月24日に行徳橋付近で映された様子なんだけど、とても寂しそうでしょ…
下の写真は、その情報を得て駆けつけた水族園の係員がボクを連れ戻そうと必死になっている風景だよ。 係員の人もボクがびっくりして再び海に戻らないように時間をかけて少しずつ近づいて来てくれたから、ボクは水族園に帰れたんだ。
その後、ボクはまた葛西臨海水族園のペンギン飼育空間で元気に過ごしているよ。
少し一人旅をしてきた身としては、また集団飼育生活に十分に慣れるまでにしばらく時間がかかるとは思うけど…。
でも、水族園で飼育されている一ペンギンでありながら、勇敢にも“一人旅”外遊をした立場として少し思うこともあるんだ。
生物体にとって何が幸せなのだろうかと…
ボクはたまたま岩山を登り切るという冒険心と体力があったから“一人旅”が出来たと思う。 でも、確かにそれをすることで命の危険もあったよね。
ボクが旅に出た地域が大都心に位置する海だったし、ボクが元々住んでいた水族園もその地にあったからこそ、係の人達がいろんな情報を収集できてボクは今回葛西臨海水族園に戻れたのだとも思う。
どうなのだろう。 ボクは水族園に戻れて幸せなのか? それとも“一人旅”で天敵に遭うことも覚悟した人生を全うするべきだったのか??
左都子お姉ちゃんもよく分からないなどと言いつつ、「悲しいかな、元々水族園で飼育されたことがペンギンくんの人生を決定付けていた」 などと言いたげだけど……
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上記物語は、原左都子が昨日(2012年6月26日)葛西臨海水族園を訪れ “脱走ペンギン” に関して収集した情報、及びその周辺立地を我が目で視察確認して綴ったフィクション内容であるため、事実とは多々異なる点があろう点をお詫びします。
今回の本エッセイの最後に、葛西臨海水族園館長名で公開している“お詫び”文書の一部を紹介しよう。
“この度は貴重な飼育動物を脱走させる事となり、深くお詫び申し上げます。 幸いに5月24日、職員の手によって脱走より82日ぶりに無事捕獲する事ができました。…” (以下略)
私見の結論を述べるが、人間の勝手な論理や都合により自然界で生き抜いている動植物を捕獲して人工飼育とする場合、せめても日々細心の注意を払ってその責任を全うするのが捕獲された動植物の「命」に報いるということではあるまいか。
甘い思考の下での人工飼育など、許されるはずもない。
(以上、「原左都子エッセイ集」2012.06公開バックナンバーを再掲載したもの。)
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2023.08.28現在の、原左都子の雑感だが。
このペンギンくんが捕獲された直後の、飼育員氏の談話によれば。
ペンギンくんは、元よりずっと“マッチョ体型”になって水族園に戻って来たそうだ。😱 😁 元々元気で冒険好きで泳ぎが上手く、大海を好き放題に泳いで日々餌となる対象を追いかけ餌として食べて暮らしていたのだろう。
そうなるとやはり、原左都子なりの“ド素人考え”が頭を過ってしまう…
そのまま放置してやっていれば 元々野生だったらしいこのペンギンくんに限っては、本来のペンギンとしての余生を全うできたのではあるまいか??
ただ世の中、そんなに甘くは無くて。 必ずや大海にはペンギンくんの天敵もいたはずだ。
ただまたそれも、考えようじゃないだろうか???
とにかく、ペンギンくんは水族園へ戻された(水族園係員氏の最大限のご努力により戻してもらえた、と表現するべきだろう)。
その後のペンギンくんの続報を見聞する機会が、今となっては皆無だが。
時は経過して、ペンギンくん逃走後発見時より既に11年余りの年月が流れている。
とにかく如何なる場であれ形であれ、ペンギンくんの天寿を全うして欲しいものである。
と、外見上の身繕いはともかく。 人格面での行動パターンや思考面で “野生”に近い生き方を志向している(言い換えると、人間としての本質部分で常に生き抜きたいと欲している)と自己分析するこの原左都子は、思うのであります…