昨日(9月29日)昼のNHKニュースを見聞していて“許し難きフレーズ”を耳にした私は、これは捨て置く訳にはいかないと俄然闘志を燃やしている。
今回の記事ではそのフレーズが発せられたニュースについて取り上げ、私論を展開することにする。
「99%の加盟店は、何も騒ぎ立ててはいない。」
これぞ、我が“許し難きフレーズ”である。
それでは早速、そのニュースについて朝日新聞29日夕刊記事も参照しつつ以下に紹介しよう。
コンビニ最大手セブンーイレブン・ジャパンの加盟店主7人が、販売期限の迫った弁当などの値引きを本部に不当に制限され損害を受けたとして、29日、同社に損害賠償を求めて東京高裁に提訴した。 公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで同社に排除措置を命令したことに基づく訴訟である。
販売店は本部側から売れ残り商品は廃棄するよう指導されていたのであるが、この廃棄による原価負担は販売店側の負担となる。廃棄せず値引き販売出来たならば損害額を8割減らせたのに、本部から値引き販売を制限されたが故に受けた損害について、今回販売店側が賠償請求を提訴したものである。
この損害賠償提訴を受けてのマスメディアのインタビューに対して、フランチャイズ元の本部であるセブンイレブン・ジャパン側から発せられた言葉が、上記の「99%の加盟店は、何も騒ぎ立ててはいない」である。
さて、本ブログのバックナンバー「『フランチャイズ』の正体」において既述しているのだが、この私も過去においてフランチャイズ自営に挑戦した経験がある。(当の昔に廃業済) そのため、加盟店側が置かれている実態を我が事として把握できている。
詳細は上記バックナンバーをお読みいただきたいのだが、ここで端折って我がフランチャイズ経験を振り返る事にしよう。
私が手がけたのは、某教育関係大手企業が展開する学習教室のフランチャイズ自営であった。 この加盟店になるには本部が募集する学習教室指導者の採用試験を受けるのだが、その試験内容とは小6レベルのごく簡単な国算の筆記試験という貧弱さだ。 早い話が開業資格条件など事実上ないに等しく、開業準備金(?? と称していたのか名目は忘れたが)¥50,000- を本部に払い込みさえすれば、誰しも指導者イコール加盟店として採用されると考えてよい。(ここで既に¥50,000- の損失が発生することはお分かりいだだけるであろう。)
既に専門分野の職業経験、及び社会経験を30年程の期間積んで“海千山千”状態だった私にとって、この加盟店稼業を何よりも受け入れ難かったのは、学習教室の経営方針はすべて本部の指示に従う事が条件だったことである。 教材は本部が作成したもの限定で使用を強制され、教室運営もすべて事細かくマニュアル化され独自の指導は許されない、生徒募集も本部の言いなり、教室に置く備品までにも細かい指定があり……
という訳で、要するにフランチャイズ加盟店の経営者兼指導者とは名のみで、実は単なる本部の“ロボット”であることを強要される実態が私にはどうしても受け入れ難く、生徒募集等で既に20万円程の先行投資による損失を計上した後に、私は早期撤退の意思を固めたのである。
自己統治の下で自分の能力を十分に発揮したい思いであえて“自営”にチャレンジしたつもりだったのに、フランチャイズとはかくも“飼い犬”のごとく飼い主に拘束される職業形態であることを、あの時重々思い知らされたものである。
(しかも教室を増築する程に繁盛して、本部が言うところの“大成功”している加盟店の年収が、たかだが700万円程度と平均的サラリーマンよりも少ない現状である話を聞いた時には、それでは増築の返済金ばかりがかさむであろうに… と心配申し上げたものでもある。)
今回のセブンイレブン訴訟に関しては、公取委が既に独占禁止法違反の措置命令を本部に下している。
今の世の中、どこのスーパーやデパ地下でも消費期限の日時が近づくと値引き販売に踏み切っているのが世の常識でもある。 それを狙って、わざわざ遅めの時間に購入に訪れる顧客も多い実態であろう。 この私だって、狙っていた商品が値引きの対象となっていると得をした気分でうれしくなるものだ。
そして、商品を値引き販売することにより、不必要な資源の廃棄を回避出来てエコ問題も解消されるという大きな利点もあろう。
今回のセブンイレブン・ジャパンのフランチャイズ加盟店の自主的値引き販売は、今後のフランチャイズ制度の改革・発展にも寄与する勇断であったと私は捉える。
弱者である加盟店を本部が食い物にしてあごで使い、損失は加盟店に押し付けて本部は利益だけを享受するという理不尽な経済システムなど、(政権も交代したことであるし)もういい加減終焉させるべきである。
まさか本部の言う通り、残りの99%の加盟店が何も考えず素直に本部の意のままになっているとは私には考えられないのだが、実際のところはどうなのであろうか? (そう言えば、私が経験した上記の学習教室フランチャイズの研修においても、“やけに素直な”世間知らずと思しき“Yes man"開業希望者が多かったのが気にかかる私でもある… )
権力者に対して謀反(むほん)を起こす人間とは、今の時代に至ってはごくごく少数派なのであろうか???
ところがこの世とは歴史的にも、勇気と能力ある少数派こそが世を変革できる力を携えているものと私は信じるのだ。
今回、セブンイレブン・ジャパン本部に対して損害賠償請求を提訴したわずか“1%”に過ぎない加盟店の“勇気”が、今後の日本の経済社会を変革する大いなるエネルギーとなることを信じる原左都子である。
今回の記事ではそのフレーズが発せられたニュースについて取り上げ、私論を展開することにする。
「99%の加盟店は、何も騒ぎ立ててはいない。」
これぞ、我が“許し難きフレーズ”である。
それでは早速、そのニュースについて朝日新聞29日夕刊記事も参照しつつ以下に紹介しよう。
コンビニ最大手セブンーイレブン・ジャパンの加盟店主7人が、販売期限の迫った弁当などの値引きを本部に不当に制限され損害を受けたとして、29日、同社に損害賠償を求めて東京高裁に提訴した。 公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで同社に排除措置を命令したことに基づく訴訟である。
販売店は本部側から売れ残り商品は廃棄するよう指導されていたのであるが、この廃棄による原価負担は販売店側の負担となる。廃棄せず値引き販売出来たならば損害額を8割減らせたのに、本部から値引き販売を制限されたが故に受けた損害について、今回販売店側が賠償請求を提訴したものである。
この損害賠償提訴を受けてのマスメディアのインタビューに対して、フランチャイズ元の本部であるセブンイレブン・ジャパン側から発せられた言葉が、上記の「99%の加盟店は、何も騒ぎ立ててはいない」である。
さて、本ブログのバックナンバー「『フランチャイズ』の正体」において既述しているのだが、この私も過去においてフランチャイズ自営に挑戦した経験がある。(当の昔に廃業済) そのため、加盟店側が置かれている実態を我が事として把握できている。
詳細は上記バックナンバーをお読みいただきたいのだが、ここで端折って我がフランチャイズ経験を振り返る事にしよう。
私が手がけたのは、某教育関係大手企業が展開する学習教室のフランチャイズ自営であった。 この加盟店になるには本部が募集する学習教室指導者の採用試験を受けるのだが、その試験内容とは小6レベルのごく簡単な国算の筆記試験という貧弱さだ。 早い話が開業資格条件など事実上ないに等しく、開業準備金(?? と称していたのか名目は忘れたが)¥50,000- を本部に払い込みさえすれば、誰しも指導者イコール加盟店として採用されると考えてよい。(ここで既に¥50,000- の損失が発生することはお分かりいだだけるであろう。)
既に専門分野の職業経験、及び社会経験を30年程の期間積んで“海千山千”状態だった私にとって、この加盟店稼業を何よりも受け入れ難かったのは、学習教室の経営方針はすべて本部の指示に従う事が条件だったことである。 教材は本部が作成したもの限定で使用を強制され、教室運営もすべて事細かくマニュアル化され独自の指導は許されない、生徒募集も本部の言いなり、教室に置く備品までにも細かい指定があり……
という訳で、要するにフランチャイズ加盟店の経営者兼指導者とは名のみで、実は単なる本部の“ロボット”であることを強要される実態が私にはどうしても受け入れ難く、生徒募集等で既に20万円程の先行投資による損失を計上した後に、私は早期撤退の意思を固めたのである。
自己統治の下で自分の能力を十分に発揮したい思いであえて“自営”にチャレンジしたつもりだったのに、フランチャイズとはかくも“飼い犬”のごとく飼い主に拘束される職業形態であることを、あの時重々思い知らされたものである。
(しかも教室を増築する程に繁盛して、本部が言うところの“大成功”している加盟店の年収が、たかだが700万円程度と平均的サラリーマンよりも少ない現状である話を聞いた時には、それでは増築の返済金ばかりがかさむであろうに… と心配申し上げたものでもある。)
今回のセブンイレブン訴訟に関しては、公取委が既に独占禁止法違反の措置命令を本部に下している。
今の世の中、どこのスーパーやデパ地下でも消費期限の日時が近づくと値引き販売に踏み切っているのが世の常識でもある。 それを狙って、わざわざ遅めの時間に購入に訪れる顧客も多い実態であろう。 この私だって、狙っていた商品が値引きの対象となっていると得をした気分でうれしくなるものだ。
そして、商品を値引き販売することにより、不必要な資源の廃棄を回避出来てエコ問題も解消されるという大きな利点もあろう。
今回のセブンイレブン・ジャパンのフランチャイズ加盟店の自主的値引き販売は、今後のフランチャイズ制度の改革・発展にも寄与する勇断であったと私は捉える。
弱者である加盟店を本部が食い物にしてあごで使い、損失は加盟店に押し付けて本部は利益だけを享受するという理不尽な経済システムなど、(政権も交代したことであるし)もういい加減終焉させるべきである。
まさか本部の言う通り、残りの99%の加盟店が何も考えず素直に本部の意のままになっているとは私には考えられないのだが、実際のところはどうなのであろうか? (そう言えば、私が経験した上記の学習教室フランチャイズの研修においても、“やけに素直な”世間知らずと思しき“Yes man"開業希望者が多かったのが気にかかる私でもある… )
権力者に対して謀反(むほん)を起こす人間とは、今の時代に至ってはごくごく少数派なのであろうか???
ところがこの世とは歴史的にも、勇気と能力ある少数派こそが世を変革できる力を携えているものと私は信じるのだ。
今回、セブンイレブン・ジャパン本部に対して損害賠償請求を提訴したわずか“1%”に過ぎない加盟店の“勇気”が、今後の日本の経済社会を変革する大いなるエネルギーとなることを信じる原左都子である。
もともと少ないのか?
今日のコラム同意見です・・パチパチ ♪
私だって、決して反逆児ではないのですよ。
今の世の中において必要とされているのは、まさに館長さんがおっしゃる通りの“改革する勇気”だと私も思います。
このわずか1%の“改革する勇気”さえもが“反逆”として片付けられてしまうような軟弱な世の中を立て直さない事には、真の改革は始まらないと心得ます。
館長さんの今回の同意を心強く思わせていただく原左都子です!
「セブンイレブン」の看板を守るため、安売りでブランドイメージを壊されたくない、本部の気持ちも分かるのです。
でも、市場のニーズは「賞味期限前の少しでも安いもの」で、本部は、そのニーズを、つかみ切れていなかったのではないでしょうか?
コンビニ間の競争も激しい。
年収の少なさは、いずれ内部崩壊を招くキッカケになりはしないか?
業界の実態を、知ってしまうと、苦労の多い業界だと感じました。
私が経験したフランチャイズの本元企業も大いに経営難であるからこそ、直ぐに加盟店を切り捨てることの出来るフランチャイズに経営を安易に頼っている感が大いにありました。
このように、フランチャイズの利点は本元企業にとっては加盟店を合法的にいとも簡単に切り捨てられるところにあります。
それにしても、セブンイレブンにとっては加盟店からこのような訴訟を起こされることは想定外だったことでしょう。弱者である加盟店相手にいつまでも殿様商売が出来ると目論んでいた事でしょう。
そうは問屋が卸さないのが、今の時代です。
ドカドンさんがおっしゃるように、市場のニーズを把握し、厳しい競争に打ち勝っていける力を本部として身につけるべきです。
そういう点では、加盟店の値引き販売の強行の方がよほど経営者としての力量があります。
本部は今回の訴訟で、今後生き残っていくための経営のあり方について少し目を覚ますべきです。
着目すべきは、フランチャイズに加盟している店舗が平均してどれくらいの利益をあげているかでしょう?
弁当では損しても、他では充分得をしているわけで、加盟していることで充分得を享受しているから続けているわけでしょう。
加盟を取り消せば、現業は継続していけず、即刻倒産のはずです。
いいところはおいといて、悪いところだけを部分的に取り上げて論じた場合、いつか最後に整合性が取れなくなると思います。
それより私が注目しているのは、今後の行政の対応です。
セブンサイドが今回の公取の判断に対し、かなり反抗的な態度を示しているように感じます。
行政に表立ってたてをついたら、かならずどこかで何らかの形の仕返しされるのが世の常。
今後、行政がどんな形でセブンに仕返しするのかにむしろ興味ありです。
私の経験ではフランチャイズとは(とにかく本部の言いなりですので)経営者の経営能力はさほど関係なく、立地条件が一番のポイントのように感じました。
客が来店すれば売れる訳です。ですので、立地条件がよい一部の店舗はロングさんがおっしゃるように相当の利益を上げている事でしょう。
ですがそうではない店舗が大多数でしょうから、日々の経営に四苦八苦していることと思います。そこで、本部の指示に背いてまで期限間近い商品の値引き販売に踏み切ることになるのでしょう。
物事の改革とは“悪い部分”の改善への着手から始まるのが世の常識と私は心得ます。
行政の対応ですか。
新与党は、とにかく来年の参院選までは票を失わない事に躍起の事でしょうから、我が身息災な改革には着手するでしょうが、コンビニ業界まで手が回るのでしょうかね???
目を覚ましおれ、というのは聖書の1節で、汝らはその日その時を知らざるなり、と続きます。
居眠りしちゃって、なんと自分の結婚式に遅刻して花婿に逃げられた女の子の例え話です。
当時のことですから、取り返しがつかないミスではないかと思います。
セブンイレブンも、ひょっとしたら居眠りしていて、大切な情報をキャッチし損ねているかもしれないですよね。
結婚は現代ではまだチャンスがあるでしょうけど、ビジネスであれば現在でも取り返しがつかないことは取り返しがつかないだろうと思います。
一時は飛ぶ鳥を落とす勢いがあったセブン & アイですが、いつまでも同じ経営方針では立ち行かなくなる見本のようです。管理者とは常に新しい事にチャレンジすべきなのに、現場の声を無視し、古い事に拘っていたが故の赤字転落と考えるべき間も知れません。「天罰が降りた」と言う印象が強いです。
そして、1日1店舗でなんと11㎏!!に及ぶ弁当の廃棄への世間からの非難に対抗して、本部は日持ちする弁当を開発するらしいのですが、妙な防腐剤や添加物をこれ以上増やしたり冷やしたものを買わされるのは勘弁して欲しいものです。
なぜ、そうまでして断固として値引き販売を禁止するのでしょうかね? 誰が考えても値引きして売るのが最善の手段だと思うのに…
コンビニも世の要望に沿って柔軟な姿勢で変革していかないことには、先は短いことでしょう。