◎隣のジンダは酸いうまい
都合により、本日は、名言のみ。
「隣のジンダは酸いうまい」は、周防大島の言い習わし。周防大島には、ジンダ味噌と呼ばれる郷土料理がある。ジンダのジンは、米ヘンに甚、ダは汰と書く。このジンダ味噌は、それぞれの家によって作り方も味も異なる。
そこで、「隣のジンダは酸いうまい」。隣のジンダ味噌は、自分の家のジンダ味噌と違っているから、多少酸っぱくても、うまく感じるという意味だという。本日(4月14日)朝のテレビ朝日の新番組「食紀行」より。この「言い習わし」を紹介していたおばあさんの表情がよかった。そばにいたおじいさんがその意味を説明していたが、この説明も要領を得ていた。
テレビでは、これを「言い習わし」としていたが、これは、地方ことわざと位置づけるべきであろう。周防大島出身の民俗学者・宮本常一〈ツネイチ〉は、ことわざにも深い関心を持っていたが、この番組を見て、宮本のことわざへの関心の原点に触れたような気がした。