◎盛岡市の一言社が販売していた方言研究書
以前、このブログで、雑誌『方言と土俗』の第三巻第七号(一九三二年一一月)に載っていた「方言雑誌合評会」という記事を紹介したことがあった(二〇一七年七月三〇日)。
この雑誌は、盛岡市新馬町(しんうままち)の一言社から発行されているが、事実上、橘正一(たちばな・しょういち)という言語学者の「個人雑誌」だったようである。というのは、一言社の住所と橘正一の住所は、同じく盛岡市新馬町になっているからである。この一言社もまた、橘正一の「個人出版社」だったのであろう。
さて、昨日、しばらくぶりに、『方言と土俗』第三巻第七号を取り出してみると、そのウラ表紙に、一言社の「方言書販売目録」というものが載っていた。本日は、これを紹介してみよう。
■ 方 言 書 販 売 目 録 ■ 盛岡市新馬町/一 言 社/振替仙台四五五二
編 者 書 名 定 価 税
加賀治雄 尾張の方言、続篇 一、〇〇 6
弁天丸 孝 石の巻弁 一、五〇 6
若山幸蔵 日向の言葉、第三巻 一、二〇 ×
本山桂川 千葉県郡別方言集、中 〇、五〇 ×
八重樫 真 岩手県釜石町方言誌 一、〇〇 4
梅林新市 福岡県築上郡東吉富方言 〇、三〇 2
桑江良行 沖縄語の研究 二、五〇 15
新妻三男 続相馬方言考 〇、二五 2
藪 重孝 紀州那賀郡安楽川村方言 〇、四五 2
本山桂川 肥前平戸方言集 〇、四〇 ×
田中正行 肥後方言考 一、〇〇 8
川崎 甫 中国地方語彙 〇、九七 4
後藤蔵四郎 出雲方言考 一、〇〇 6
県教育会 島根県訛音方言一覧 〇、二五 2
県教育会 石川県方言彙集 〇、五〇 4
県教育会 大分県方言類集 二、五〇 10
奥里将建 琉球人の見た古事記と万葉 一、五〇 6
秋田県庁 秋田方言 三、五〇 21
*都合により、明日から数日間、ブログをお休みいたします。