連日のように普天間基地の最終案が取りざたされている。
米国と沖縄県民の双方の要求を満足させようとする心優しい鳩山首相の案は、どんどんと複雑かつ中途半端なものになりつつある。
報じられている複数の案、段階的移設の案、海兵隊機能の分散案などを、はたしてどれほどの国民が理解できているだろうか。
いや、報道しているメディアも、連立政権の社民党、国民新党も、そして鳩山首相自身
さえも、その着地点を見極められないでいるに違いない。もはや合意できればなんでもいい。
それほどの迷走ぶりなのである。
そのような中で、この問題が今度どう進展、迷走していくかの重要なキーワードを読者に
お知らせしたい。
それを見事に示したのが3月27日の読売新聞「スキャナー」の記事である。
果たしてこの記事を書いた読売新聞ワシントン支局の俊英な記者たちが、どこまで認識して書いていたかは知らない。しかしこの記事には極めて重要な二つの記述がある。
その一つは、マイケル・グリーン(元米国家安全保障会議アジア部長)の次の言葉である。
「普天間基地を継続使用し、ひとたび事故が起きれば、沖縄県民や日本国民は普天間閉鎖を米側に迫るだろう・・・」
日本に圧力を加え続ける発言を繰り返してきたジャパンハンドラーのマイケル・グリーンが本音を漏らした瞬間である。
実際のところ、これまでにも米国は、日本政府がいかなる案を米国に提案してこようとも、
それが沖縄住民、日本国民の強い反対にあうものであれば米国は受け入れない、と何度も
ほのめかしてきた。
米国は日本国民の反米感情の高まりを恐れているのだ。日本国民の動きを目を凝らしてみているのだ。
その一方で、オバマ大統領とクリントン国務長官は、国防総省や米軍幹部を押さえられるかという米国内部におけるシビリアンコントロールという大問題がある。
読売新聞の記事には次のようなくだりがある。
「・・・オバマ政権が軍の反発をねじ伏せてまで、日本政府との妥協を行う可能性は低いと見られる。
米政府筋は、『ホワイトハウスは上から調整するつもりはない。海兵隊がOKしたものでなければ受け入れない』との見方を強調した・・・」
9・11以降、米国の安全保障政策に及ぼす国防総省と軍幹部の発言力は確実に高まった。テロとの戦いに命を張って米国を守っているのは彼らだからだ。
注意して振り返ってみると、今回の普天間基地移設問題についても、報じられる米側発言のほとんどは国防総省や軍幹部からのものであり、日本政府の交渉相手も彼らだ。
以上の二つから明らかな事は、今度の普天間基地移設問題は、要するに沖縄住民、日本国民と米国防衛関係者との綱引きであり、平和な生活を優先するか軍事戦略を優先するかの戦いであるということだ。
米国は日本国民の覚醒を恐れる。気づいて声を上げる事を防ごうとする。だから本当の事を隠し、
情報操作をする。
対米従属の日本のメディアや官僚・御用学者がそれに追随する。
国民のための政治を公約し、情報公開を徹底するとしてきた鳩山民主党政権は果たしてどちらの側に立つのか。
鳩山政権のジレンマがここにある。
鳩山民主党の対米政策の不一致があぶりだされる。
だからこそ鳩山首相の指導力が試されるのだ。正念場である。
米国と沖縄県民の双方の要求を満足させようとする心優しい鳩山首相の案は、どんどんと複雑かつ中途半端なものになりつつある。
報じられている複数の案、段階的移設の案、海兵隊機能の分散案などを、はたしてどれほどの国民が理解できているだろうか。
いや、報道しているメディアも、連立政権の社民党、国民新党も、そして鳩山首相自身
さえも、その着地点を見極められないでいるに違いない。もはや合意できればなんでもいい。
それほどの迷走ぶりなのである。
そのような中で、この問題が今度どう進展、迷走していくかの重要なキーワードを読者に
お知らせしたい。
それを見事に示したのが3月27日の読売新聞「スキャナー」の記事である。
果たしてこの記事を書いた読売新聞ワシントン支局の俊英な記者たちが、どこまで認識して書いていたかは知らない。しかしこの記事には極めて重要な二つの記述がある。
その一つは、マイケル・グリーン(元米国家安全保障会議アジア部長)の次の言葉である。
「普天間基地を継続使用し、ひとたび事故が起きれば、沖縄県民や日本国民は普天間閉鎖を米側に迫るだろう・・・」
日本に圧力を加え続ける発言を繰り返してきたジャパンハンドラーのマイケル・グリーンが本音を漏らした瞬間である。
実際のところ、これまでにも米国は、日本政府がいかなる案を米国に提案してこようとも、
それが沖縄住民、日本国民の強い反対にあうものであれば米国は受け入れない、と何度も
ほのめかしてきた。
米国は日本国民の反米感情の高まりを恐れているのだ。日本国民の動きを目を凝らしてみているのだ。
その一方で、オバマ大統領とクリントン国務長官は、国防総省や米軍幹部を押さえられるかという米国内部におけるシビリアンコントロールという大問題がある。
読売新聞の記事には次のようなくだりがある。
「・・・オバマ政権が軍の反発をねじ伏せてまで、日本政府との妥協を行う可能性は低いと見られる。
米政府筋は、『ホワイトハウスは上から調整するつもりはない。海兵隊がOKしたものでなければ受け入れない』との見方を強調した・・・」
9・11以降、米国の安全保障政策に及ぼす国防総省と軍幹部の発言力は確実に高まった。テロとの戦いに命を張って米国を守っているのは彼らだからだ。
注意して振り返ってみると、今回の普天間基地移設問題についても、報じられる米側発言のほとんどは国防総省や軍幹部からのものであり、日本政府の交渉相手も彼らだ。
以上の二つから明らかな事は、今度の普天間基地移設問題は、要するに沖縄住民、日本国民と米国防衛関係者との綱引きであり、平和な生活を優先するか軍事戦略を優先するかの戦いであるということだ。
米国は日本国民の覚醒を恐れる。気づいて声を上げる事を防ごうとする。だから本当の事を隠し、
情報操作をする。
対米従属の日本のメディアや官僚・御用学者がそれに追随する。
国民のための政治を公約し、情報公開を徹底するとしてきた鳩山民主党政権は果たしてどちらの側に立つのか。
鳩山政権のジレンマがここにある。
鳩山民主党の対米政策の不一致があぶりだされる。
だからこそ鳩山首相の指導力が試されるのだ。正念場である。