1日にここで、「毎日新聞の自己批判?」と、与良正男論説委員の政治コラムを笑ったばかりだが、本日今度は、松田喬和専門編集委員の「マッチポンプ」もしくは「ムチに換えてアメ」と来た。ここ数日のこの新聞、急遽「ナシクズシ自己批判、宗旨替え宣言」に及んでいるらしい。
与良氏の方は「特捜部批判を新聞がタブー視してきたのは事実で」という明け透けかつ自嘲的なほどに正直な反省だが、松田氏の方は「前言の口をきれいにぬぐって」という奴。今度は【「闘う政治家」の兆しも】と、鳩山由紀夫首相の血筋を褒めにかかり始めた。
馬鹿ジャナイカ。「血筋」なんて今までにも分かっとったことだろうに、何を今さら。それもさんざん「ボンボン」とけなしてきた末に、何の必要があってのことか。マスコミ集中排除政策に関わる、今までは「ムチ」、それで駄目だから今度は「アメ」と、そう観られても仕方なかろう。
郵政改革案の亀井静香・菅直人対立を裁いて、首相が『亀井案に軍配を上げた』大事件に言及してのことだ。しかも、『事前に(異論を出した国家戦略担当相)仙石氏を説得するなど、手順も踏んだ』とまで持ち上げて、こんな阿諛追従ぶりなのである。
【「サンデー毎日」(6日発売)の「大勲位対談」で中曽根康弘元首相は「鳩山さんは普段は目立ったことはやりませんが、一大事が起きた時は断然、勇気をふるって邁進する」「日ソ交渉に踏み切った祖父、鳩山一郎元首相の血を継いでいる」と、力説する】
他人の言葉を借りた宗旨替え宣言と、週刊朝日の検察恥部スクープに差を付けられた「サンデー毎日」の宣伝を兼ねてであるにしても、何を今さら亡霊のような人物を持ち出して。しかも誰でも知っている血縁を訳知り顔して語らせるだけ。それも没落自民党の遠因を作った、鷹派大流行・保守マスコミ勃興のキーマンの一人になのである。祖父世代のようないくら古い話が「必要?」であったにせよ、週刊朝日のフリージャーナリスト・上杉隆氏とは、いまや月とスッポン、「時代がかる」もいいところだと思った次第。「毎日」は、良いフリージャーナリストを得て報道の自由領域を広げないと、戦線が狭くなって結局じり貧だと考えるが、どうだろうか。例えば、新聞社としては公明新聞に義理があっても、フリージャーナリストに「強い者に付く公明、今度は民主に秋波、言論弾圧を振り返れば敵が多すぎるのに」などを書かせればよいのだ。サンデー毎日でもできないのか?
ともあれさてさて、今度は鳩山持ち上げ、次いで、半年前の官僚批判に戻っていくのだろう。自分らの官僚情報垂れ流しはそのままにして。そして、真の狙いはマスコミ集中排除取りやめのお願いなのでもあろうか。「小沢の金」も今までやり過ぎたのに結局敗北した分、トーンが下がるのではないか。自民党は四分五裂、参院選後もほぼ民主の天下が固まるだけのことだろうし、事は急がなければならない。
「みんなの」なんてのは、一時の泡沫政党と同じだと思う。自民は与謝野など泡沫が増えるたびに、小選挙区制では勝てなくなっていくはずだ。合従連衡が始まるのは必定も、「マスコミ我田引水の下らん世論調査」など、そうたびたびするなよな!