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2015年05月23日 19時29分23秒 | Weblog
<ものみやぐら>「ポツダム宣言を詳しく読んでいない」でどんな70年談話を出そうとしているのか

2015.5.22 代表委員 大西 五郎

20日に衆議院で党首討論が行われ、20日夜のテレビ・ニュースで、21日の新聞朝刊で詳しく報道されました。
民主党の岡田代表、維新の党の松野新代表、共産党の志位委員長が安全保障関連法について日本が戦争をすることになるのではないかなどと首相の見解を質しました。政府が国会に提出した「国際平和支援法」や武力攻撃事態法やPKO協力法、自衛隊法など10本の法律の改正を一まとめにした「平和安全法制整備法案」では自衛隊が戦闘に参加する危険がある問題などが指摘されました。首相は「戦争に巻き込まれることは絶対にない」と云いましたが、首相の発言に「具体的な裏付けはなく」(中日新聞)「リスクを語らず」(毎日新聞)、「質問に正面から答えず」(読売新聞)、「不誠実な首相の答弁」(朝日新聞)でした。
共産党の志位委員長が「戦後70年の節目の年に、日本が歴史認識にどういう基本姿勢を取るかは非常に重大な問題だ。過去の日本の戦争は、間違った戦争だったという認識はあるか」と質しました。これに対して安倍首相は「戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない。不戦の誓いを心に刻み、戦後70年間、平和国家としての歩みを進めてきた。その思いに変わりはない。村山談話、小泉談話など政府の談話を全体として受け継いでいく。」と答えましたが、「間違った戦争であったのかどうか」には触れようとしませんでした。
そこで志位氏がさらに「戦後の日本はポツダム宣言を受諾して始まった。ポツダム宣言は日本の戦争を世界征服のための戦争で侵略だったと判定している。」と指摘すると、安倍首相は驚いたことに「ポツダム宣言のその部分をつまびらかに読んでいないので、論評は差し控えたい。」と云いました。
“つまびらか”は「詳しいさま、事こまかなさま」(広辞苑)という意味ですが、ポツダム宣言は何も何ページにも亘る膨大な文書ではなく、後に示すように外務省が邦訳した文書で43字40行です。しかも安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を唱えていますが、安倍首相が“敵意”を燃やす戦後の政治・社会体制はポツダム宣言から始まっているのです。安倍首相が「つまびらかに」とはいえ読まなかったはずはないと思います。宣言の内容を認めたくないのでそのように答えたのでしょう。
安倍首相は「間違った戦争だった(国策を誤り)」「侵略戦争だった」とは認めたくないようです。
だから、「不戦の誓い」とか、「平和国家として過ごしてきた」というように、問題を摩り替えて、国会での質問に答弁しています。
朝日新聞が「70年目の首相」というシリーズ企画をスタートさせました。「首相をかたちづくった思想やその背景を探る」企画ですが、安倍首相が尊敬する祖父の岸信介元首相は「あの戦争は欧米にとりかこまれた日本が自立、自尊するための戦争で、侵略戦争ではない」と主張していました。その影響を強く受けていると指摘しています。70年の首相談話ではどんな歴史認識を示すのでしょう。
それでは日本に無条件降伏を迫った「ポツダム宣言」とその中に出てくる「カイロ宣言」の主要部分をご紹介しましょう。

ポツダム宣言 1945年7月26日 トルーマン米大統領、チャーチル英首相、蒋介石中国主席が日本
に無条件降伏を求めた宣言。のちにスターリンソ連共産党書記長が加わる。
(抜粋)
四、無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者ニ依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国ニ履ムヘキカヲ日本国カ決意スヘキ時期ハ到来セリ
五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトンナカルヘシ右ニ代ル条件存在セズ吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
六、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ
得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤
ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
七、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマ
テハ聨合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保ス
ルタメ占領セラルヘシ
八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州、四国並ニ吾等ノ
決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
九、日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ム
機会ヲ得シメラルヘシ
十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモ
ノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加エラル
ヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活教科ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去
スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ
十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スル
コトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ
在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易
関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ
十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任
アル政府が樹立セラルルニ於テハ聨合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
十二、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス
(外務省編「日本外交年表並主要文書」より)
カイロ宣言 1943年12月1日 ルーズベルト米大統領、チャーチル英首相、蒋介石中国主席が対日要求を決めて宣言した。
第一次世界大戦以降に日本が獲得した太平洋の島々を剥奪する。
満州、台湾及び澎湖島のような中国から奪った一切の地域を中国に返還する。
朝鮮の自由・独立をもたらしめる
日本を無条件降伏させるために重大且つ長期の行動を続行する
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典型的な「歴史修正主義」  文科系

2015年05月23日 10時39分34秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
また、解説氏が愚にも付かない「歴史修正主義」見解をご披露してきたので、反論を加えたい。

『1日本式の謝罪? とドイツ式の謝罪? は両立しないというのが私の意見。両方をさらに推進・強化すべしというのが文科系の評価。「意見」の相違と対立があるのは当然だが、「事実」として、多くのアジアのリーダーたちが戦前戦中の日本の振る舞いをほめたたえていることに対しては、軽視した発言をするゴツゴウシュギ的な態度が許せない』

 最も被害を受けた中韓を除かなければ『戦前戦中の日本の振る舞いをほめたたえている』等とは到底言えないよね。つまり、右の方々は「褒め称えない国は向こうが悪い」と決めつけているだけだ。驚くようなご都合主義の論理である。こうしてつまり、どっちがご都合主義なのか。

  
『2「すべての人にヒトラー的志向がある」と述べたのが(は)私の最初のコメントだ(どうも誤読が多過ぎるので、三回ほど熟読してほしい)』

 何が誤読か。僕が述べていることを貴方がこれっぽっちも理解できないだけである。「ヒットラー的志向」に対して、僕は終始こう書き続けてきたが、これを踏まえた貴方の反論は1行もない。僕はこう書いたのだよ。
(権力とか支配とかへの)志向という「人間内面のもの」では人を非難したり、裁いたりはできない。そうできるのは人の行為についてだけである。それどころか、行為を見なければその「志向」が人間内部にあるかどうかさえあやふやなままのはずだ。
 人を裁く典型が裁判だが、まず「事実」、「行動」の認定を徹底し、それが終わって初めて動機、犯意、計画性、情状酌量など「内面」に入って行くのであって、その逆こそまさに見込み操作というもの。貴方のドイツ、ワイツゼッカーへの言い分はこれに近いと、僕は言い続けてきたのである。
 ドイツを「内面」で裁いて、日本の「行為」に1のように口を閉ざす人は、これまたご都合主義というしかないと述べてきた。


『3アジア、アフリカにおける白人、三百年の支配の歴史、中国が周辺国・地域に侵略を繰り返してきた歴史を不問に付すのはただの「連合国史観」である。さて、記事本文には「ワイツゼッカーの父のことは、ワイツゼッカーとは無関係です」と述べつつ、確か、「父の罪を背負っていくべきだ」といったような文科系氏のコメントがあったはずだが??』

 まずこのこと。「連合国史観」って、20世紀半ば以降のものでしょ。20世紀最初までは戦争違法に関わる国際法さえなかったのだ。つまり、それまでは戦争をしかけたって基本的に罪ではなく、道徳的悪ね。そういう歴史を何も知らないで、「300年の支配」の罪とかよく言うよ。
 これに対して、日本が朝鮮、満州、中国に仕掛けたのは朝鮮への初期の行動を除いては20世紀になってからのこと。道徳的悪の戦争が、国際法上の悪に既にとっくに変わっていたのね。満州事変以降はもう完全に国際法違反ばかりだ。そういう歴史や発想をあなたが何も知らないのは、上の文章で明らかである。
 こういう調子だと、こんなことさえも言えるよね。豊臣秀吉の朝鮮出兵を現在の国際法で裁いたら、やっぱり国際法違反の正真正銘の「侵略」だよね。と、こんなことを語ってなんになるの。
 以上はこういう条件付きの言い分であるとも、断っておく。勿論、今の法や道徳で過去を見るという視点があっても良い。が、それとは全く別の視点として、「当時の法で、当時の『悪』を判断しなければいけない」。8時間労働法がない時代に「10時間労働は悪である」と言える人は、先見の明がある人だけである。現在の道徳的悪のなかで、やがては法律で確実に禁止されるのはどんなことだろうって、君は考えた事があるか? そういう歴史を先取りするタイプの人は、歴史修正主義なんかには染まらないものだと、僕は考えている。
 なお、この3への以上の応えは内容上難しいものだから、理解するまでよく読んで欲しいと申し上げておく。
 なお、ワイツゼッカーの下りはあまりにも馬鹿馬鹿しく、応える気にならないが、一言。父の罪を子が背負う必要はないが、国家とか会社とかの責任は後継者が背負わねばならないのである。そうでない国家、会社など誰が信用するか。
コメント (11)
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