随筆 ケンカの仲裁 K.Kさんの作品
保育園の延長保育の時のこと。五歳の男の子が園庭でケンカをしている。私が近寄ろうと歩き出すと、先にさーちゃんが走って来た。「どうしたの?」話を聞く。「先にこいつが叩いたんだ」。相手も、「だって、二回もグーでパンチした」。二人とも泣きながら、こぶしを握り、力を入れるしぐさをした。後に引かない。
すると、さーちゃんは、「分かった。とりあえず一度あやまろう」。二人の顔を交互に見ながら、肩を軽く叩いて提案した。男の子たちは何を言いだすのかと驚き、一瞬黙った。でも、意外にも「ごめんね」。「いいよ」。謝ったではないか。
あまりのあっけなさに拍子抜けした。この一言でケンカの仲裁が出来るの? 私だったら、じっくり話を聞き「どうしたらいいのかな」。考えさせただろう。男の子たちは涙をふいて「行くぞ」、走って行った。さーちゃんも、何事もなかったように遊びに戻った。それにしても見事な裁きで仲直りさせた彼女には、参った。
さーちゃんは四姉妹の末っ子。よく動く大きな目が勝ち気な性格を表している。家でも姉妹ゲンカがあるのだろう。その時の親の対応を見て、うまくおさめるのを覚えたのかも。しっかり者の彼女もその後、友だちに言い分を聞いてもらえず悔し涙。世話好きも時に困る。ちょうど迎えに来たお母さんは話を聞き「分かったよ。さあ、おんぶして帰ろう」。さーちゃんは頷いた。また明日ね。二人の背中を見送った。
保育園の延長保育の時のこと。五歳の男の子が園庭でケンカをしている。私が近寄ろうと歩き出すと、先にさーちゃんが走って来た。「どうしたの?」話を聞く。「先にこいつが叩いたんだ」。相手も、「だって、二回もグーでパンチした」。二人とも泣きながら、こぶしを握り、力を入れるしぐさをした。後に引かない。
すると、さーちゃんは、「分かった。とりあえず一度あやまろう」。二人の顔を交互に見ながら、肩を軽く叩いて提案した。男の子たちは何を言いだすのかと驚き、一瞬黙った。でも、意外にも「ごめんね」。「いいよ」。謝ったではないか。
あまりのあっけなさに拍子抜けした。この一言でケンカの仲裁が出来るの? 私だったら、じっくり話を聞き「どうしたらいいのかな」。考えさせただろう。男の子たちは涙をふいて「行くぞ」、走って行った。さーちゃんも、何事もなかったように遊びに戻った。それにしても見事な裁きで仲直りさせた彼女には、参った。
さーちゃんは四姉妹の末っ子。よく動く大きな目が勝ち気な性格を表している。家でも姉妹ゲンカがあるのだろう。その時の親の対応を見て、うまくおさめるのを覚えたのかも。しっかり者の彼女もその後、友だちに言い分を聞いてもらえず悔し涙。世話好きも時に困る。ちょうど迎えに来たお母さんは話を聞き「分かったよ。さあ、おんぶして帰ろう」。さーちゃんは頷いた。また明日ね。二人の背中を見送った。