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何度でも、『「太平洋戦争の大嘘」という大嘘』   文科系

2019年08月17日 17時50分45秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 このブログなどにも「太平洋戦争の大嘘」という本の宣伝が何度も載ってきたから、これ自身が嘘だということをエントリー文章にしていろいろ教えて上げた、すると、その僕の文章を一日に何度もクリックして、ここのアクセスベスト10のトップに、いつも載せてくれる人々がいるようだ。僕のエントリーを支援してくれるわけだからまー感謝はしているが、改めてこの嘘っぷりを書き直してみたい。

・太平洋戦争が日本の勝利になっていたら、アジアの人々は大東亜共栄圏の盟主、大日本帝国天皇の「臣民」にされたはずだ。天皇を批判したら死刑である。そもそも日本がそうだったのであって、日本自身に国民はいなくて、臣民だけがいたのであるから。こんな事をアジアの諸国民の誰が喜んだろうか。

・同じく、米国参戦がなくってイギリスもフランスのようにナチスに占領されていたら、ヨーロッパ全体でユダヤ人や身障者がゲットーの中で殺されたはずだ。ナチスの選民・「優生奨励」思想によって。地球が地獄になっていたはずで、これもそうならなくてよかった。

・何度でも言うが、そういう二つの国がポーランド電撃進入と満州事変・上海上陸戦・中国南下戦略などで始めたのが第二次世界大戦である。

 こういう戦争を、戦争の直接記憶が薄れてきた今になって「大嘘」などと庇う議論はどこを探しても、泥棒にも三分の理の類である。思想、表現は自由にしても、全くいただけないやり口、語り口である。また、こういう人々こそが、慰安婦(表現)を非難してきたのだろうから、呆れることである。
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書評「アメリカ帝国の終焉」⑤最終回  文科系

2019年08月17日 00時35分07秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
「アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界」(進藤榮一筑波大学名誉教授著、講談社現代新書、2017年1月刊)の要約・書評第5回目、最終回になった。今回は、全4章「勃興するアジア」の第3節「太平洋トライアングルからアジア生産通商共同体へ」と最終章「同盟の作法──グローバル化を生き抜く智恵」の要約である。

 東アジアの生産通商状況が世界一の地域激変ぶりを示している。80年代中葉から2000年代中葉にかけて一度、2000年代中葉から後にもう一度。前者は太平洋トライアングルから東アジア・トライアングルへ、後者は「三様の新機軸」という言葉で説明がなされている。

 太平洋トライアングルというのは、日本、東アジア、アメリカの三角関係だ。日本が東アジア(主として韓国、台湾)に資本財、生産財などを輸出してそこの物作りを活発にし、日本、アジアがそろって米国に輸出した時代である。その「日本・アズ・ナンバーワン」の時代が、世紀の終わり20年程でこう換わったと語られる。アジアの生産、消費両方において、アメリカとの関係よりもアジア域内協力・互助の関係が深まったと。最終消費地としてのアメリカの役割がカジノ資本主義・超格差社会化によって縮小して、中国、東南アジアの生産と消費が急増し、東アジア自身が「世界の工場」というだけでなく、「世界の市場」にも変容したと述べるのである。
 例えば日本の東アジアへの輸出依存度を見ると1985年、2000年、2014年にかけて17・7%、29・7%、44・5%と増えた。対して対米国の同じ依存度は、46・5%、29・1%、14・4%と急減である。
 ちなみに、世界3大経済圏(の世界貿易シェア)という見方があるが、東アジアはアメリカを中心とした北米貿易協定をとっくに抜いて、EUのそれに迫っているのである。2015年の世界貿易シェアで言えば、EU5兆3968億ドル、東アジア4兆8250億ドル、北米2兆2934億ドルとあった。


 次にさて、この東アジアが2000年代中葉以降には更にこう発展してきたと語られる。
 東南アジアの生産性向上(従って消費地としても向上したということ)と、中国が主導役に躍り出たこと、および、インド、パキスタンなどの参加である。
 この地域が世界で頭抜けて大きい工場・市場に躍り出ることになった。
 例えば、世界からの直接投資受入額で言えば2013年既に、中国・アセアンの受入額だけで2493・5億ドル、EUの受入額2462・1億ドルを上回っている。
 これらの結果リーマンショックの後には、世界10大銀行ランクもすっかり換わった。中国がトップ5行中4つを占め、日本も2つ、アメリカは1つになった。


 さて、こういう世界経済の流れを踏まえてこそ、日本のあるべき発展、外交、防衛策も見えてくる。最終章「グローバル化を生き抜く智恵」というのは、そういう意味なのだ。世界経済発展の有り様と東アジア経済の世界的隆盛とを踏まえれば、日本の広義の外交の道はこうあるしかないだろうということだ。
 最初の例として、中国への各国直接投資額が、2011年から2015年にかけてこう換わったと指摘される。増えたのが、韓国、フランス、ドイツ、EU4か国などからの投資額で、それぞれ、58・0%、58・4%、38・0%、24・4%の増加。減ったのがアメリカ(11・8%減)と、日本に至っては49・9%減なのである。

 次に、新たな外交方策として、アジア重視のいろいろが提言される。アジア各国の生産と消費との良循環を作ることを通して得られる様々なものの指摘ということだ。今のアジア各国にはインフラ充実要求もその資金もあるのに日本がこれに消極的であることの愚かさが第一。この広域インフラ投資を進めれば、お互いの潜在的膨張主義を押し留めるという抑止力が働くようになるという成果が第二。こうして、アジアが経済的に結びつくことによって不戦共同体が出来るというのが、最後の意義である。

 最後に述べられるのがこのこと。日本が見本とすべきだと、日本と同じアメリカの同盟国カナダの対米外交史を示していく。アメリカと同盟関係にありつつも、中国との国交回復では米国に先行してきた。この時の元首相トルドーはアメリカのベトナム戦争に反対したし、その後のカナダもまたアメリカのシリア軍事介入に反対した。このように、カナダの対米外交は対米同盟絶対主義ではなく、国民民生重視の同盟相対主義なのだと解説される。その対中累積投資額は580億ドルとあって、カナダにとって第2位の貿易パートナーが中国なのである。アメリカ帝国の解体と日本の対中韓孤立状況を前にして、カナダのこの立場は極めて賢いものと述べられる。


 さて、この書の結びに当たるのは、こんな二つのテーマだ。英国のEU離脱とは何であり、現在のグローバル化は過去とは違うこういう積極的なものであると。
 英国のEU離脱を引き起こした『(EUの難民)問題はだから、(エマニュエル・トッドが語るような)EUではない。中東戦争の引き金を引いた米欧の軍事介入だ。それを支える米国流“民主化”政策だ」
 そして、現在のグローバル化とはもはや、米英流金融マネーゲームのそれではなく、こういうものだと語られる。
『一方で先進国の不平等を拡大させながらも、他方で先進国と途上国間の不平等を限りなく縮小させているのである』

(終わり)
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喜寿ランナーの手記(259)入院10日、退院後の回復  文科系

2019年08月17日 00時22分17秒 | スポーツ
 先月26日に胃腺腫という、癌細胞を含んでいることもある出来物を検査するために内壁を3センチ四方ほど切り取る内視鏡(検査)手術で入院して、この4日に退院。癌細胞は全くなかったと一安心したの上で、入院中から病院階段往復、スクワットとか片脚つま先立ちなど補強運動を様子を見ながら少しずつ強めてきた後、初めておそるおそる走ったのが先回書いたように10日のこと。おそるおそるというのは、この年になると約半月の完全空白がどれほどの衰えに繋がるか全く計算できないからだ。

 はてこの10日はスピードが遅い割に心拍数が異常に高かったが、1時間走れたのだ。トレッドミルを30分2回で合計7・6キロまで行った。まー歩いているのとそんなにかわらなかったのだけれど。

 これに勇気を得て、次に走ったのが中一日置いた12日。この時は2回目の30分を15分過ぎには切り上げてしまい、合計6キロほど。2回目の時全身疲労感が酷いなーと感じたから、無理せずリタイアーを決めたわけだが、中1日おきがまだ難しかったのだろうと判断した。次には中2日おきで15日、終戦記念日に走った。さて、以下その日の報告になる。

 この日は、12日とは打って変わって、思いの外ちゃんと走れた。それもほぼ調子を落とした通常時ほどだが、前半が4・1キロ、後半はセーブしてやはり4・1キロ。前半では、ウオームアップ含めた走り出し7キロ時を10分以上と長く取ったから、この前半の後のほうは最高9・5キロ時まで様子を見つつ次第に上げていくことになった。この前半が4・1キロと出て、10日3・7、12日3・9キロと比べてもほとんど疲れを感じなかったのである。ここまで出来たのが何よりも嬉しかった。心拍数も160以内に納まったし、心臓と血液の酸素運搬能力がほぼ復活していると感じたもの。

 ランの調子の好不調とか復活とかについて、心臓・血液の機能が最重要要素とは良く理解していた積もりだが、これほどのものとは考えていなかった。心臓次第でランの調子が決まり、その回復力がまだまだ結構健全な身体だと、確認できた気がしている。

 半月ほどの完全空白も、筋トレに加えて、中2日おきの3日ほどの走りでカバーできる!
コメント (3)
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