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06年の旧稿「富が地獄を作っている」  文科系

2020年07月18日 17時51分20秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 以下は、サブプライムバブルが弾けた頃にここに再掲した、弾ける前の予告の拙稿の紹介です。06年以降、この流れが誰の目にも大きく見えてきたはず。この後、南欧、中南米各国など中堅国に失業者があふれて、どんどん貧しくなっていきました。こういう世界貧困の大元アメリカも、貧困が白人労働者にまでも及び、そのねじ曲がった支持でトランプが当選したというのは、今や有名な話。歴史を観なかったり、忘れてしまうと、人は貧しくなるのでしょう。それも今は、世界の人々が・・・。

【 「富が地獄を作っている」   文科系 2008年10月27日 10時48分09秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

24日に前米連邦準備制度議長・グリーンスパン氏の最近の「反省言辞」を批判する文章を書いたら、Unknown氏と称される方からこんなご批判を頂きました。彼はこういった人物を擁護するのでしょうか。何百何千万人の中低所得者を、やっと手に入れた我が家から借金まみれで追い出して、その後半生をずたずたにしてしまったこういう人物を。
グリーンスパンは「ドブに落ちた犬」なんかではありません。サブプライム融資を規制できる立場にいながらそれをせずに、今問題の大証券会社の擁護に努めてきて今の事態をもたらした、アメリカ大統領に次ぐような世界有数の強大なモンスターです。モンスターは誰かが退治しなければいけないでしょう?
『「それ見た事か」とドブに落ちた犬を棒で突いて虐めるのは楽しかろうが、このノリって、まるで文化大革命みたいだ。‥だから「文科系」なんだろうか? そーいや、文革も最初に槍玉に挙がったのは資本家だった。』

これに対して僕は、コメントでこう答えました。
「ここに昔から語ってきたことであって、今の時流に乗って袋だたきに加わるといったものではない。サブプライムの問題性や、『こんな株価だけの好景気っておかしい。保てるはずがない』と、以前からここに書いてきた。06年11月1日『アメリカで重大事が起こっている』や同12月5日『世界二極分化の帰結。富が地獄を作っている』がそれだ。なお僕は、学生時代からその本も読んだが、毛沢東が大嫌いだった」

こういう論争?から思いついて、06年12月5日にここに載せた投稿を改めて再掲することにしました。全文そのままをコピーして、載せさせていただきます。

『 グローバリズム世界経済の下、「競争社会」「二極分化」「上流・下流」などのイヤな言葉が氾濫している。その程度を見つつ、その問題性を根本の所から見つめてみたい。以下、個人の金融資産の数字は野村総研と総務省とのものである。

 日本では最下層三百万円未満の世帯(個人金融資産ゼロ、生活保護世帯なども含む)は十五・四%である。ところが日本より福祉・医療制度が酷いアメリカで、この世帯が五七・九%に跳ね上がる。日本で五七・九%といえば、一千万から一千四百万円までが入り、逆にアメリカでこの金融資産なら八割までが含まれる。他方また、日本で八割と言えば三千万未満までということになる。日本では、ここまでの世帯の平均が千三百万円、総計五一二兆円で、総金融資産の三分の一ほどを占めている。日本という国は、この金額の半分で日本株式市場全てを乗っ取るべく、その五十一%を買い占めることができるというような、大変な庶民金融資産国なのである。ちなみに、日本のこの上の世帯は三千万から三千五百万までで、これが十四・三%、総額二四六兆円となっている。なお、ここまで九二%ほどの世帯で日本金融資産の約半分ほどを持っていることになる。
 さて他方アメリカでは、下層の貧しさに比べて最上層、二・一%の世帯が四七・九%の個人金融資産を持つ。そしてまた、世界一の庶民金融資産国・日本をアメリカのようにしようとする動向がまた進行中だ。「規制緩和」がそれなのだが、その大詰め「郵政民営化」は終始、アメリカの執念のような強い要請に基づく政策課題だった。「死んでいるお金を社会の活性化に活用する」と言えば聞こえは良いが、「ハイリスクハイリターンの時代!もっと投機に」という「政策」が背景にあるのは明らかだろう。こうして、日本にも「退職金を丸々取られた」という世帯が出現している。

 なお、アメリカの金融資産以外を見ておこう。景気を引っ張ってきた住宅バブルが萎み始めた。今までのアメリカは、借金で住宅を買わせ、住宅バブル値上げを見込んでさらに借金を重ねさせ、莫大な累積輸入超過・借金消費生活を謳歌させてきた。そのバブルのランディングが、ハードになるかソフトになるか、これが近年の世界景気の最大課題だと見られてきた。住宅値下がりで、借金だけ残るアメリカの庶民達はこれからどうするのだろう。他人事ながら心配になる。
 アメリカの「需要創出策」・「借金消費景気」はドル本位体制だからできるのであって、他国にとっては「冗談」に過ぎない。双子の赤字でもドルが値下がりしない。家計、国家全て実質禁治産者に成り果てたが、ドルの信用だけで日本や中国から貸し金が入ってくるなんてね?!!


 さて、世界中が、アメリカのように借金ばかりを背負った多くの庶民も含めて「二極分化」になったわけだが、さてこれからどうなる? 僕たちは「最大の経済問題」と大昔から言われてきたことを考えざるを得ない。大部分の国々、人々がアメリカ庶民のように貧しくて物を買えなくなったら、極少数の人々の莫大なお金はこれからどうやって「運用する」のか? この大量な資本に相応しい需要がいったいどこに存在するのだ?ところがどっこい、この金は今や、より有利な投資先を求めた末に、こんなふうに使われているのだ。
 石油の先物買いを思い出していただきたい。同じような金融先物買い・デリバティブ残高は〇四年国際決済銀行発表によると二万五千兆円(実際に動いた「保証金」はその数%。それでも一千兆円!)に上っていると言う。世界に冠たる個人金融資産国・日本のその総額が千五百兆円ほどにすぎないことと対比してみてほしい。また日本の国家予算が五十兆とか百兆とか、さらにトヨタが世界一になったところで、「実体経済」はこれに比べれば全く随分、多寡が知れた金額だ。イヤハヤ!!
 さてこんなふうに凄い資金がだぶついていながら、飢餓率三五%(一日のカロリーが千六百以下の人が国にこれだけいるということ)以上の最貧国は二三にまで増えているし、アフリカのエイズは野放し状態、失業者は世界に溢れ、各国の軍事費・兵器輸出合戦は止まらずに、破産国家が続々現れ、大洪水や水も飲めない人々の群れなどと地球環境は悪化を続けている。それでいて、アメリカ・バブルのソフトランディングさえうまくいくならば、世界の景気は有望なのだそうだ。こういう「実態」が「株主資本主義」の帰結なのである。資金を真に渇望する所には洟も引っかけず、それなりに命を削るようなマネーゲームに勝った者だけが生き残っていく社会。しかも、前者がさらに地獄にはまり込み、後者はさらにより少数の下で太っていくだけ。こんな誰も幸せでない「好景気」って一体何なんだろう。この少数がちょっとの先物買いで、いくつかの株ちょっをつり上げておけば、それが好景気?その先物を実際に買う段になったら、ちょっと買いを強めてから売り抜ければよい?もちろんそういうファンドの隙をうかがっている敵対者も存在しようが、まーとにかく金があるものは原則自由自在。まるで公認の、自作自演インサイダー取引じゃないか。それでも好景気?

 さらに加えて、日米を見てもはっきりしていることだが、普通の先進国ではこういう金持ちがマスコミや国家を握る。すると、国、「公共」というものを彼ら流儀の「危機管理」に使うことに腐心する。こういったことすべてをばく進させてきた日本「規制緩和」社会のあとには、「教育基本法」しかり、「自衛隊法」しかり、そして「九条改訂」しかり。

 「富」が、「地獄」を作っているとしか表現する術を知らない。』 

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1 コメント

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名無し君へ (文科系)
2024-09-02 12:22:11
 名無し君へ、
 ちなみに、このエントリーもマイクロソフト・ビーイング検索に引っかからず、載っていないもの。直近の君のいちゃもんへの反論内容の証明になるよね。なんせ、この金融行動に関するものは皆こうなのだから。よく覚えておく事だ。今度、これを書いたときに要注意ね!
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