今回のW杯代表は、本当に強い。かつてないクラスの選手が攻守両方に揃っているからだ。まず日本がけっして得意とはいえなかった攻撃では、伊東純也、三苫薫に鎌田大地。それぞれの世界水準がどれくらいかを述べてみたい。
伊東純也を解説して中村憲剛が曰く。
「『得点戦術は、伊東純也』だけで良いんだから楽ですよね」
この意味はこういうことだ。チームの攻撃は普通、連携で敵陣を崩すパターン練習をするものだが、彼がいればそんな必要はないという選手、と。そのスピードでもって一人で敵陣を崩し、自分でなり他人になり、必ずシュートチャンスを作ってしまう選手だから。それも、フランスリーグで強豪と渡り合ってそうなのだから、W杯でも当然期待が持てる、と。
次いで、三苫薫だが、今期からは世界最強リーグ・プレミアの親元・ブライトンに凱旋して、世界的強豪チームを驚かせている真っ最中なのだ。なんせ、チェルシーやアーセナルを負かしたばかり、そのブライトンの原動力になっている。彼の高速ドリブルを世界的強豪として名の知れたDF陣が止められないのである。チェルシーやアーセナルを負かす原動力になるって、南野拓実も果たせなかった夢である。
次いで、鎌田大地がまた素晴らしい。ドイツのフランクフルトをチャンピオンズリーグの決勝トーナメントにまでのし上げてきた立役者になっている。彼のプレーの特徴、「プレーの柔らかさ」が小野伸二を連想させて、加えるに広い視野を常に働かせているという攻撃手だ。前田大然が鎌田を評したこんな言葉まである。
「ファーストタッチの時に鎌田は必ず前の選手を観てくれる。だから、僕らが本当に動き出しやすいんですよ」
鎌田と前田が連携すれば、前田の爆発的かつ繰り返せるダッシュもどんどん生きるに違いないのである。
次に防御陣はと観れば、誰よりもまず冨安健洋。若いDFなのにプレミアリーグ首位を走るアーセナルの守備の顔、海外日本人すべての中で最も高価な選手になりおおせています。すべてが揃った万能型DFとして世界的評価が高く、プレミア守備陣の顔の一人って、こんな日本人は今までにいなかった。
ドイツ・ブンデスリーグの守備の顔になっている遠藤航については、既に触れる必要もないでしょうし、守田という選手は、ちょっとまー異能というお方です。
こうして、これだけの世界的選手が揃った日本代表など、かつて観たことがありません。さらにダメ押しですが、現在24位というような日本の世界順位は常に低すぎる。周囲に自分より強い相手国がいないから、いつも順位を上げられないのです。そう思う僕にしてみれば「スペイン、ドイツ、何するものぞ!」。ヨーロッパもこういう日本をよく知っていて、こんなことを言ってますね。
「日本はW杯などでも時々番狂わせを起こす」