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今、アメリカがこのように恐ろしい   文科系

2023年02月22日 00時36分04秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

・資本主義固有の「世界的供給過多」による慢性的不景気から、欧米や日本がデリバティブや短期投資・金転がしに経済の活路を求めて来た。こういう株価資本主義の結果、21世紀になって物作りがアメリカからどんどん中国圏に移っていった。それでも、中国経済を金融支配すれば良いとみていたのだろうが、これがうまくいかぬと気づき始めた。トランプの急台頭は、このようにして見捨てられたアメリカ白人労働者たちのゆがんだナショナリズムという結末なのである。

・こんな中で、アメリカの「ドル基軸通貨=石油・エネルギーなどのドル支払い世界体制」を中ロが崩し始めた。それに対する有効な合法的手段がアメリカにはないので、最近になって対中ロの経済・軍事ブロック体制へと走り始めたのである。なお、アメリカの国家累積赤字は言われているGDPの2倍よりもずっと多くて4倍を超えていると、2015年に元国家会計検査委員長が発表している。利上げをすれば、その借金返済利子で日本よりもずっと大変なことになるはずなのだ。対中ロのブロック体制の先行きも、世界に反米・親中気運が強くなっているだけに、容易なことではない。中南米は親中政権林立だし、アフリカ諸国も中ロや、歴史的にずっと医師団を派遣してきたキューバなどに傾いている。国連総会におけるある反キューバ決議などは、賛成国がアメリカとイスラエルだけなどということもあった。

・こうしてアメリカは、対中ロ(冷)戦体制・勝利を既に決意していると僕は観ている。ウクライナも、新疆ウイグル、台湾情勢なども、その布石にしていくだろう。ブリクス5国や南米、トルコ、サウジまでがアメリカから離れているのは、こういうほとんどを見抜いているからだと観る。折しも、アメリカの株式が戦後第何番目かのバブルが弾けそうだと言われ始めた。GAFAMが一斉に大量の人員整理に入ったというのも、その兆候にちがいない。

・著名な言語学者、哲学者にして、アメリカ政治ウオッチャーでもあり続けてきたノーム・チョムスキーはその近著でこんなことを述べている。

『経済にはほぼ害にしかならない大手金融機関がなぜ必要なのか? これらも解体し、銀行が銀行の働きをしていた時代に戻ろうではないか。・・・あの時代、銀行は一般市民から金を奪う、あるいは金融危機を招く複雑な金融商品など扱っていなかった。銀行は銀行としての役目だけを果たしていた。人は銀行に金を預け、銀行は余分な資金ができるとそれを必要な人々に貸し付ける。そういう状態に戻るのは夢物語でもなんでもない』(NHK出版新書 「壊れゆく世界の標(しるべ)」(P40~41)

 そう、低所得者に家が持てるように手を差し伸べると喧伝されたサブプライムバブルが弾けたリーマンショックの下で破産した五大投資銀行が国家資金によって借金を肩代わりされて救われ、それぞれの親銀行などに吸収されたが、持ち家を差し押さえられて家から追い出された本当の被害者にはなんの救済の手も差し伸べられなかったのである。今のアメリカは、そんな国に落ちてしまった。


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MMT理論 (文科系)
2023-02-23 06:14:33
 MMT理論というのがあるが、これは投資銀行時代を認めた金融資本主義肯定の理論であって、エントリー中のチョムスキーの考え方があっさり否定するところの理論となろう。
 チョムスキーの考え方からすれば、リーマンショック後に大問題になった世界的金融規制こそ必要となり、「日銀は日本政府の子会社」とか「大量緩和は雇用(ただし、日米間などに観られた不安定雇用などの安い雇用)のため」などという理論も、誤ったものということになる。
 
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