未踏の鶴見岳裏街道を歩いて来ました。(11/11-ソロのお山歩)
後半は、恐怖の崩壊地~馬の背~鶴見岳~南平台~ゴールです。
歩いた全コース図です。
スタートして、2時間弱で鞍ヶ戸のテッペンまで来ました。
ここまでは、チョットした彷徨いもあったものの、ほぼ順調に歩いて来ました。
ここからが、展望を楽しみながらの馬の背の縦走路を歩くはずだったが・・・
目指す鶴見岳は、目の前のピークに隠れて見えません。
それにしても、縦走路なのに踏み跡がなくなっています。
ミヤマキリシマの強い枝を掻き分けながら、手探り足探りで進みます。
馬の背の片側が崩壊地になっています。
この頃から、朝から吹き続けていた西風が強くなってきて、時折、身体毎持って行かれそうになり
崩壊地を通過するときは、風が弱くなった瞬間に通り抜けなければならなくなりました。
やっと、鞍ヶ戸に並ぶ1300mピーク点に到達しました。
目の前に、馬の背が伸びていて、塩の先端に鶴見岳が見えてきました。
この時点では、足下に恐怖が待っているのは知りませんでした。
行く手に道がない!
有るのは、降り立つ地点が見えない、急な崖となった石灰岩の崩壊地です。
そして、そこに1本のロープが伸びていて、正に地獄へのお誘いのロープでした。
10数mの崩壊地となった崖、急過ぎて降り着く地点が見えません。
もし、カミさんが同行していたら、一週の躊躇無く引返したことでしょう。
カメラをザックに仕舞い込み、登山靴の紐を締め直し、スパッツ等の紐など引掛り全てチェック
木に括り付けられたロープの強さを2度3度確かめて、恐る恐る第1歩を踏み出す。
と、踏み出した足元の石灰岩は、危うい状態で積み重なっていて、ガラガラと崩れ落ちていく
ロープは真っ直ぐに伸びているが、とても真っ直ぐには降りられない!
下手にロープを動かすと、擦られた石が落ちてきて直撃を受けそうになっている。
右側にロープを寄せて、右手にロープを握り、左手で崖を掴むようにしてヒヤヒヤで下った。
ここまで崩壊したら「通行禁止!」だよな~と、恐怖心さめやらぬまま振り返ってみたのだった。
写真では、崩壊地の怖さが見えませんね。
スタート地点は見えません。
岩&石は、角張った石灰岩で、直撃を受けたら一発であの世行きかも
恐怖の崩壊地を抜けても、まだまだ難所と悪路が待っていました。
強風で、何度も立ち止った馬の背
冬枯れの馬の背、風を真面に受けて草が真横に靡いています。
ホッ 馬の背の分岐点に到着しました。
直進すると20分ほどで鶴見岳の山頂、右に折れて下ると西ノ窪へ繋がります。
鶴見岳のテッペンに曳かれる物は無いけど、周回縦走した言うならばテッペンを外せずGOです。
振り向くと、鞍ヶ戸~崩壊地~馬の背が一望できます。
鶴見岳への登り、既に紅葉は終っていました。
フッカフカの落ち葉の絨毯、寝転びたくなり光景でした。
But、耳にはもの凄い音が響いています。
12:06-鶴見岳山頂までやって来ました。
お昼時で、何時もなら賑わっている場所ですが、だぁ~~れもいません。
だって、目には見えないが、電波塔ですら揺れそうな凄い強風が吹き付けて唸り声を上げています。
山頂で立ち止まっていては、風を受けるだけなので別府湾を眺めたら少し散策します。
実際とは裏腹に、別府湾は穏やかそうに見えます。
山頂一帯には、幾つかの石碑が祀られています。
鶴見岳山頂権現と有ります。
これだけじゃ判りませんね。次を見て
男岩と女岩が仲良く向かい合っています。
真ん中を通れますが、仲を引き裂くような気がして通れませんでした。
山頂の散策は終了して、馬の背の分岐へ戻ります。
ゲッ、ここには通行止めの案内版があるではないか! 何で鞍ヶ戸側にはないのだ!
山歩きは自己責任、誰を責めるわけにも行きません。
「事前調査を怠ったお前が、全て悪い!」と、真摯に反省したのでした。
鶴見岳から馬の背分岐に戻って、西ノ窪へ下って行きます。
ゴロゴロ石で歩き難いジグザグ道を下っていくと、時折紅葉が目を楽しませてくれます。
まだ、待っていてくれた紅葉です。
石ころ道を転げるように西ノ窪に降りてきました。
予定は、右に曲がって西登山口でしたが、未踏峰の南平台に心惹かれて左へ進みます。
西ノ窪から踊石への小道も気持が良い
西ノ窪分岐から5分ほどで、南平台分岐に到着
分岐を右に曲がって、小さなピークに着くとお腹をすかした木が!
天然小梨が落ちていました。
大きな梨の木の枝にちっちゃなナシがなっています。
試しに石を投げたら、偶然にも1個落ちてきたので囓ってみると、以外にも甘みがありました。
私の田舎に(霜梨)と言うナシがありましたが、霜が降りるまでは酸っぱくて硬くて食べられなかった。
先の分岐から2度小さなアップダウンの後、南平台の頂に到着する。
南平台の頂は、だだっ広く西に由布岳、南に鞍ヶ戸から鶴見岳へ縦走路の全容がみえます。
相変わらず顔を隠したままの由布岳
ただ、西からの風当たりも強くて、展望を愉しむ余裕もありません。
往路をスタスタと西ノ窪へ戻り、船底新道分岐から涸れ沢を経て登山口にもどった。
***鶴見岳~鞍ヶh戸は、今も崩壊が進んでいるようです。
足を滑らしての滑落よりも、登りや下での落石の直撃を受ける危険性が大です。