何事もそうですが、何かをやろうとする時に、あれやこれや出来ない理由を探してこれを並べ立て、結局はやらずに逃げるタイプの人がいます。
それはそれで個人の生き方ですから尊重はされるべきなのでしょうが、こと前向きな何かにチャレンジしようという際には、こういうスタイルではまず間違いなく上手く行かないと思います。
学習塾の場において問題なのは、そういうタイプは、自然に周囲にそういう空気を伝播してしまうことで、これは他の前向きな生徒にとっては極めて困った現象です。
かつて、ある集団塾をやめさせられるような形でやめてきたとある中学生が、それなりに考えて、個別指導型の塾ならばそういうこともある程度許されるだろうということで、私たちの中に入ってきたことがありました。
ACSアカデミーでは、素行などでよほどの問題がなければ基本的には入会を拒絶はしませんが、だからといって無条件にその生徒のやりたい放題を許すというわけでは決してありません。
ここでは、個人の個別学習の機会を保障すると同時に、他の生徒のそれを保障する義務が私たちにも、各自にもあります。
で、私がここでよく言うことですが、勉強するという行為は、それをする人の行動全体の枠組みや習慣の中でどういう位置づけをするかということから考えてこれを組み立てるべきだと思います。
言い換えれば、単に勉強だけを取り出しただけでは、これをどうこうするには限界があります。
そういうことから、上に書いた生徒の場合も、まずそのあたりの考え方を変えてもらうことから入る事に努力した結果、最初は反発もされたりしましたが、そのうちに理屈をわかってくれ始めたのか、次第に行動に落ち着きが見え始め、その中から、「できない理由」を引っ張り出して何もしないことの愚を悟り、そこから先は短期間にとるべき姿勢、するべき行動へと自ら進んでいくことができるようになったのは、私たちにとってもうれしい限りでした。