11月の凱旋公演を待ち切れず、10月2日(水)に休みをとって中日劇場で、『レ・ミゼレブル』(18時15分開演)を観てきました。
月初の忙しい時で、その日は名古屋のビジネスホテルに泊まり、翌朝早い新幹線で戻ってきて、重い荷物を抱えつついつもどおり何事もなかったような顔をして職場へ。またちょっと体は無理しましたが、感性を揺り動かされて心のエネルギーはフルチャージ。へんちくりんによじれていたのが真っ直ぐになりました。
普段の私は能面(Still face)、職場・電車の中・・・なんかヘン、気持ち悪くってしょうがないを堪えながら坐り続けるにはそうする以外に方法がわからない。心の中はいつも揺れ動いているけれど全てこらえる。そのためには能面、その分感性を揺り動かされるものに出会った時の感動も深くなります。
ここ3年ほどの間に両親とのお別れが続いて、何度乗ったか自分でもよくわからない新幹線のぞみ号ですが、今回は束の間の観劇旅行。久しぶりに穏やかな心持ちで乗りました。N700系のぞみってこんなにかっこよかったんだ・・・。
中日劇場は1988年にオリジナル版の初演を観た場所で、それ以来です。
島田歌穂さんエポニーヌの歌う「オンマイオウン」に体が震えたのをおぼえています。
でも作品全体はよくわからなかった。
いろんな葛藤を経た今だから気づけることがたくさんあります。
私の席は2階A列2番、バルコニー席のような感じの最前列の角っこで、舞台が驚くほど近く、オーケストラボックスを見下ろすこともできました。2幕でバルジャンとジェベールの花道の対峙場面もかなり近かったです。
あっという間に3時間15分の舞台は終わってしまったように感じましたが、あとになっていろんな場面がリプライズしています。
ジャン・バルジャン 福井晶一
ジャベール 鎌田誠樹
マリウス 田村良太
コゼット 若井久美子
テナルディエ 駒田一
マダム・テナルディエ 浦嶋りんこ
エポニーヌ 昆夏美
ファンティーヌ 里アンナ
アンジョルラス 野島直人
ガブローシュ 加藤清史郎
リトルコゼット 清水詩音
リトルエポニーヌ 北川真衣
この日は福井バルジャン、鎌田ジャベールの初共演で、カーテンコールでは福井さんが鎌田さんに左足かけまでして初共演を喜び合っていました。
対決が続いていく二人ですがもともとは一つ。ただ生き方が違った、というように原作者は描いたそうです。(お話は朝日カルチャーセンターで吉原さんと川口さんから聴いた内容です。)
正義感の塊のようなジャベールは最初制服のボタンの乱れひとつない姿で登場しますが、物語が進むにしたがってだんだんと人間くさくなり最後は崩壊して自死にいたります。その流れは服装にも現われていてだんだんヨレヨレになっていきます。
プロローグで盗みを働いたバルジャンと捕えられた彼を許した司教様、この出来事でバルジャンは新しく生き直すことを決意します。
この場面と2幕バリケードの花道でバルジャンに許されるジャベールとの関係は重なりあっていて、バルジャンの瞳の中にジャベールは司教様(つまり神様)を観ているそうです。仲間を装って革命を起こそうとする学生の中に紛れ込んだジャベールは、ガブローシュに正体を見破られて捕えれていましたが、バルジャンが密かに彼を許して逃します。
オレを殺すことだってできるのにージャベールはバリケード戦で負傷したマリウスをかついで自分を捕えるまでの猶予を乞うバルジャンを許してしまい、許した自分に耐えられずに最後は崩壊します。
ジャベールがセーヌ川に身を投げる場面をどう受けとめればいいのか、毎回ドキドキしています。
先もみえない、行くあてもない、もう他に行く場所がないー心が痛みます。原作では、亡骸はセーヌ川にかかる二つの橋の間の洗濯女の船の下から見つかることになっているようです。
演じる役者さんたちにとってもかなりきつい場面で、二役をこなす吉原さんはバルジャンを演じた翌日ジャベールを演じる時は、カンパニーの誰とも喋らず役に入り込んで行くそうです。
最期は自死によって終わりますが、最後の最後まで自分を信じて一生懸命生きた人として、ジャベールを受けとめたいと思います。
この物語の最後にあるのは希望、バルジャンが天に召されていく場面を、イギリスの演出家に前向きな気持ちで演じてほしいと言われたそうです。
死生観、宗教観の違いもありますね。
ガブローシュとジャベールとの関係、エピローグのこと、また書きたいと思います。
キャスト
↓

劇場内のタペストリー一種類目です。
↓

下手な写真ですが劇場内ジャベール役の紹介です。
鎌田さんには終演後たまたまですがロビーでサインをいただきました。
舞台では厳しい役ですが、素顔はとってもいい人な感じでした。
鎌田さんジャベールを私が観るのはこれ一回なので貴重でした。
↓

これより下の写真は、東宝のレミゼ公式フェイスブックから転用しています。
プロローグ

プロローグ バルジャンとジャベール

パリ市内貧民街 ガブローシュ

ジャベール
月初の忙しい時で、その日は名古屋のビジネスホテルに泊まり、翌朝早い新幹線で戻ってきて、重い荷物を抱えつついつもどおり何事もなかったような顔をして職場へ。またちょっと体は無理しましたが、感性を揺り動かされて心のエネルギーはフルチャージ。へんちくりんによじれていたのが真っ直ぐになりました。
普段の私は能面(Still face)、職場・電車の中・・・なんかヘン、気持ち悪くってしょうがないを堪えながら坐り続けるにはそうする以外に方法がわからない。心の中はいつも揺れ動いているけれど全てこらえる。そのためには能面、その分感性を揺り動かされるものに出会った時の感動も深くなります。
ここ3年ほどの間に両親とのお別れが続いて、何度乗ったか自分でもよくわからない新幹線のぞみ号ですが、今回は束の間の観劇旅行。久しぶりに穏やかな心持ちで乗りました。N700系のぞみってこんなにかっこよかったんだ・・・。
中日劇場は1988年にオリジナル版の初演を観た場所で、それ以来です。
島田歌穂さんエポニーヌの歌う「オンマイオウン」に体が震えたのをおぼえています。
でも作品全体はよくわからなかった。
いろんな葛藤を経た今だから気づけることがたくさんあります。
私の席は2階A列2番、バルコニー席のような感じの最前列の角っこで、舞台が驚くほど近く、オーケストラボックスを見下ろすこともできました。2幕でバルジャンとジェベールの花道の対峙場面もかなり近かったです。
あっという間に3時間15分の舞台は終わってしまったように感じましたが、あとになっていろんな場面がリプライズしています。
ジャン・バルジャン 福井晶一
ジャベール 鎌田誠樹
マリウス 田村良太
コゼット 若井久美子
テナルディエ 駒田一
マダム・テナルディエ 浦嶋りんこ
エポニーヌ 昆夏美
ファンティーヌ 里アンナ
アンジョルラス 野島直人
ガブローシュ 加藤清史郎
リトルコゼット 清水詩音
リトルエポニーヌ 北川真衣
この日は福井バルジャン、鎌田ジャベールの初共演で、カーテンコールでは福井さんが鎌田さんに左足かけまでして初共演を喜び合っていました。
対決が続いていく二人ですがもともとは一つ。ただ生き方が違った、というように原作者は描いたそうです。(お話は朝日カルチャーセンターで吉原さんと川口さんから聴いた内容です。)
正義感の塊のようなジャベールは最初制服のボタンの乱れひとつない姿で登場しますが、物語が進むにしたがってだんだんと人間くさくなり最後は崩壊して自死にいたります。その流れは服装にも現われていてだんだんヨレヨレになっていきます。
プロローグで盗みを働いたバルジャンと捕えられた彼を許した司教様、この出来事でバルジャンは新しく生き直すことを決意します。
この場面と2幕バリケードの花道でバルジャンに許されるジャベールとの関係は重なりあっていて、バルジャンの瞳の中にジャベールは司教様(つまり神様)を観ているそうです。仲間を装って革命を起こそうとする学生の中に紛れ込んだジャベールは、ガブローシュに正体を見破られて捕えれていましたが、バルジャンが密かに彼を許して逃します。
オレを殺すことだってできるのにージャベールはバリケード戦で負傷したマリウスをかついで自分を捕えるまでの猶予を乞うバルジャンを許してしまい、許した自分に耐えられずに最後は崩壊します。
ジャベールがセーヌ川に身を投げる場面をどう受けとめればいいのか、毎回ドキドキしています。
先もみえない、行くあてもない、もう他に行く場所がないー心が痛みます。原作では、亡骸はセーヌ川にかかる二つの橋の間の洗濯女の船の下から見つかることになっているようです。
演じる役者さんたちにとってもかなりきつい場面で、二役をこなす吉原さんはバルジャンを演じた翌日ジャベールを演じる時は、カンパニーの誰とも喋らず役に入り込んで行くそうです。
最期は自死によって終わりますが、最後の最後まで自分を信じて一生懸命生きた人として、ジャベールを受けとめたいと思います。
この物語の最後にあるのは希望、バルジャンが天に召されていく場面を、イギリスの演出家に前向きな気持ちで演じてほしいと言われたそうです。
死生観、宗教観の違いもありますね。
ガブローシュとジャベールとの関係、エピローグのこと、また書きたいと思います。
キャスト
↓

劇場内のタペストリー一種類目です。
↓

下手な写真ですが劇場内ジャベール役の紹介です。
鎌田さんには終演後たまたまですがロビーでサインをいただきました。
舞台では厳しい役ですが、素顔はとってもいい人な感じでした。
鎌田さんジャベールを私が観るのはこれ一回なので貴重でした。
↓

これより下の写真は、東宝のレミゼ公式フェイスブックから転用しています。
プロローグ

プロローグ バルジャンとジャベール

パリ市内貧民街 ガブローシュ

ジャベール
