たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『木靴の樹』シナリオ(19)

2017年09月20日 18時17分36秒 | 映画『木靴の樹』
(フランス映画社発行のパンフレットより引用しています。)


*ルンクの後家さんの家・台所

 アンセルモが玉蜀黍粥(ポジンタ)をよそっていると、物乞いジョパが入って来る。共に祈るジョパ、アンセルモ、子供達。

アンセルモ「(十字を切るジョパに)腰かけて、冷めないうちに玉蜀黍粥(ポジンタ)をお食べ」

 のろのろと椅子に坐り、ほどこし物を口にするジョパ。それを見つめる子供達。

*厩

 ルンクの後家さんは聖水を大切に抱えて帰って来ると、寝そべっている牛に祈りを唱えつつ飲ませる。

*バティスティの家・台所(昼)

 ミネクが学校から帰ってくる。

バティスティ―ナ「お帰り」

バティスティ「火のそばに来て、足を暖めな。寒い日だ」

バティスティ―ナ「足がぬれている」

バティスティ「(ミネクを暖炉前に坐らせ)靴と靴下をぬいであたためなさい。今日は寒い、
霜やけにならんように。(食事を与えミネクの横にかがみこむ)、お食べ。先生の話は?」

ミネク「水の話をしたよ」

バティスティ「水の話?」

ミネク「水には小さい動物がたくさんいるって」

バティスティ「魚だね」

ミネク「おさかなじゃない。もっともっと小さな動物だよ。一滴の水のなかにもいるよ。飲み水のなかにもいるんだ」

バティスティ「飲み水にも?」

 ミネクの言葉に聞き入る両親。

ミネク「ものすごく小さくて、見えないんだよ」

バティスティ「見えないものが、どうしてわかる?」

ミネク「特別の道具がついた器械で水を見るんだよ」

バティスティ「医者が使う奴か!勉強になるな」



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