たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

久しぶりに空を見上げました

2020年04月11日 19時07分08秒 | 日記
 水曜日の午前中、コロナがなければぶらっと訪ねてみようとしていた就労場所の求人に応募する書類を郵便局に持ち込んだ後、久しぶりに空を見上げました。こんな時も季節は巡り、桜の花は毎年変わることなく咲くのですね。東日本大震災のあとを思い出しました。8年前のあの時も満開の桜の花を見上げながら涙があふれそうでした。

 封筒に宛名を書いたとき心が折れそうでした。いま書類を出したところで近くに住んでいない自分が面接に呼んでもらえたらとしても出向けるはずはなく、一年間働いた実績があるとはいえ部屋をひきはらってしまったのでどうにもなりません。またどこか駅の近くに部屋を借りるところからやり直し。一日も早く家を出ていかなければならないのに身動きできずの状態で先は全く見えません。アマゾンで一人暮らし用の炊飯器を買いましたが、自分がまた家賃を払いながら生活していける姿を今は全く想像できずです。遠くに行かずとも近郊の都市の駅近くに住めばと言われるのですが10カ月働いてもうこりごり。自分には無理だとわかったのでその選択肢はわたしの中から消えました。気力を振り絞って先ず職務経歴書の電子ファイルを更新しようとしたとき、自分は10カ月何をしてきたのだろうとしばし考えてしまいました。今はまだ色々と勉強になったはずなのですが、バカだの死んでやるだのと怒られまくった電話の大変さと怒りと憎しみと悪口だらけの職員の陰湿さばかりが思い出されて吐きそうです。残念ながら品性に欠ける方々でした。よく10カ月持ちこたえることができました。

 書類を出すと年前郷里のいちばん近いところで都心での経験を生かして同じように働けるとまだ信じていた頃、車社会の壁をまだ分かっていなかった頃に応募した書類の控えをようやく整理。記憶が一部飛んでいて細かいことはもう思い出すことができませんでした。残念ながら4週間も待たされたりとか振り回される結果となり、今さら思い出したくないことばかりなので忘れることができていてよかったのかもしれません。

 気がつけば久しく美容院に行っていないのでひどい有様ですが、電車に乗ることがなくなり、自転車でスーパーとマックに行くだけなのでどうでもいいといえばどうでもよく、美容院は集団感染リスクから遠くないところにありネットをみると予約はガラ空き。ハロワに出向かないわけにはいかないので離職票が届いたら考えましょう。今はまだまだある溜め込んできたものをコツコツと整理しながら無事に生き延びていくことを目指す日々。孤独ですが先が見えない不安はみんな同じですね。

 テレワークといいますが業務用パソコンを使って、ネットワークにつないで、メールのやりとりやらで完結できていく仕事ってどれぐらいあるんでしょうね、どういう仕事なら可能なんでしょうね。製造業や対面の仕事は無理、郷里近郊、田舎なので運送会社の倉庫がいくつもあります。車こわいですけどね、こんな時にも大型車両を運転して物を運んでくれる人たちがいるからスーパーにもコンビニにも物があってわたしたちは生活できているのだということを再認識。東日本大震災の直後物流がとまったときの恐怖を忘れことはありません。目にはみえないところで多くの力に支えられてわたしたちの生活は成り立っているのだと教えられました。今一度かみしめる日々。なんのために生きているのかわからなくなりそうですが、落ち着いてきたらこの世にいる間にやりたいことリストを心の中でつくりつつ生き延びていく日々。









 苦労して家賃を払い続けたワンルーム、契約するとき、いちばんのネックはすぐ近くにお墓があることだと不動産屋さんから説明を受けましたが、窓からお墓がみえるの、いやではありませんでした。むしろ守られているような心持ちでした。結果的にいちばんのネックは築50年の投資マンションだったことでした。失くしたものを数えても時間は戻りません。今やれることを少しずつと思います。







旅の思い出写真『ロマンティック街道』_ローテンブルクの街並み

2020年04月11日 09時09分20秒 | ドイツロマンティック街道とスイスアルプス
(『地球の歩き方‐南ドイツ編』より)

「ドイツが見えてくる旅のお話~ドイツの看板

 ドイツの街をぶらぶらと歩くのは楽しい。何度も旅した人でも歩くたびに楽しい発見がある。ましてや初めてドイツを訪れた人には、見るもの聞くものすべてに強烈な異文化の香りを味わうことだろう。街でまず目につくのはお店の前に掲げられた看板である。昔は単なる実用品で旅人の目印として役立てばよかった。しかし今では精巧な細工によって装飾品、いや芸術作品になっている。これは金細工のマイスターの手によってできるのだろうか、あるいは鍛冶屋だろうか。いずれにしてもマイスターの国ドイツならではの作品である。

 ドイツで看板といえば、何はさておきロマンティック街道のローテンブルクである。町なかの看板を見て歩くだけでも楽しい。特に市庁舎前の広場からSchmiedgasse鍛冶屋小路にかけての商店街の看板が見ものである。この町では看板を付ける高さ、場所、大きななどが統一されているようで、それでいながら商店のデザインは個性豊かな都市景観となって、観光客たちを魅きつけている。例のマクドナルドの看板もすっかりローテンブルク流に溶けこんでいる。そのいくつかをここで紹介し、簡単なコメントをつけたいと思う。ローテンブルクを訪れる読者のみなさんは、この看板にも目を向けてもらえたらと思う。

 ローテンブルクは名だたる観光地だけあって、やはりホテル、ガストホーフが目につく。

 代表的なものとしてホテル・ティルマン・リーメンシュナイダーを挙げる。おかみが日本に住んだことがある由で、このホテルはいつも日本人でごった返している。看板はライオンが何かを掴んでいる。よく見るとそれは赤い城壁をデザインした紋章だ。赤い城、つまりそれはローテンブルク市(赤い城を意味する)の紋章なのである。ホテルの場合、看板を見ればその名前(屋号)までわかることが少なくない。1年中クリスマスグッズを売っているお店の前に、変な看板がぶら下がっている。よく見れば鉄でできた帽子Eisenhutであり、ホテル「鉄帽子館」なのである。そのほか熊が描かれていればHotel` Baren、つまりホテル「熊の屋」、また金色の鹿の看板がぶら下がっていればGoldener Hirsch「金鹿館」というわけである。

 次は薬屋。マルクト広場の華麗なゲオルクの泉の前にあるマリア薬局。コップに描かれた印は何だろう。杖に蛇が巻きついているのはアスクレピオスの杖と呼ばれ、ヨーロッパ中の薬屋のマークになっている。ギリシア神話の医の神の名前に由来するが、蛇と医薬のかかわりは蛇が毎年脱皮するのが若返りを連想させるのではないかと言われている。

 ひとめ見ればワイン酒場とわかるのは、Burgar Kellerと呼ぶワイン酒場である。中央にワイングラスがあり、その左右にブドウの葉とつるが描かれたデザインは典型的なワイン酒場の看板である。

 パン屋は、二匹のライオンが支え王冠をかぶっているBrezelがパン屋のマークとなっている。私はこれを「8の字パン」と呼んでいるが、ロマンティック街道のあるバイエルン州など南ドイツでよく食べる。塩味の効いた8の字パンはビールのつまみによく合う。その下のプレートには「パン屋・カフェ」と書かれている。

 そのほか鍛冶屋小路からいくつか挙げれば、銀行までハーモニーのとれた看板を出している。ドレスデン銀行の先にあるグリフィンという架空の動物の看板は旅館。体はライオンで頭と翼がワシである。

 ともかくローテンブルクではメルヘンチックな看板巡りをおすすめしたい。

                             藤代幸一」




 わたしが当時持っていた解像度の低い携帯電話で撮ったのはこの2枚だけなのですが、ドイツの看板で検索すると可愛い画像がいっぱい。癒されます。