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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

オーケストラのソーシャルディスタンス

2020年06月16日 13時21分56秒 | ミュージカル・舞台・映画
新日本フィルが、2020 年 6 月 9 日(火)すみだトリフォニーホールにてゴーグル・マスク着用、衝立を用い、距離をとった上で演奏して、医師にアドバイスを受けながら確認作業を行いました。

「演奏会再開に向けての取組み 〈試演〉実施のご報告」
https://www.njp.or.jp/news/18404

医師の立ち合いで検証を行ったウィーンフィルは6月5日、楽友協会で公演を再開しました。

「名門ウィーン・フィル 3か月ぶり公演再開 コロナ感染者が減少」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200606/k10012460771000.html


 宝塚・東宝で指揮をする西野淳先生のツィーターによれば大阪の専門家会議に出席した京大の感染症の先生はマスクをしていれば劇場客席は満席でも問題ないと以前より言われた、都響の実験でもオーケストラ演奏中飛沫はほとんど飛ばないの結果が出ているとのこと。宝塚歌劇団が昨日、7月17日に公演を再開すると発表しましたがオケは録音演奏。

上垣聡先生はブログできびしい意見を述べられています。

「今必要なのは政府や政府の専門家会議が徹底的にやった誤ったコロナ対策の呪いを解くこと。これができないとマスクにフェイスシールドかぶって、さらに2mあけるという、もう専門家が間違っていると言っているにも関わらずテレビ報道されているやつを平然と正義にしてしまう。

本来ならここまで呪いがかかると、それを覆すのは専門家会議の責任だと思う。だって呪いの呪文をかけた人以外、その呪いを解くことができないから。または専門家会議と同じ力を持った人の声。」

https://ameblo.jp/saty0221/entry-
12604465884.html


 
 成功事例がそろい、社会のソーシャルディスタンスに対する考え方が変わっていけば社会の賛同も得やすくなると思います。わたしが再び劇場に行ける日はまだまだ遠い先になりそうです。間違っている?政府の専門家会議による意見が多くの人の生活を左右している、収入を失っていることになるのですから、自分も気をつけながら行方を見守っていきたい。

 宝塚の録音演奏は、指揮者とオケのみなさんの失業状態が続くことを思うときびしいことですが、3月に星組と雪組の千穐楽を上演したときの、社会からの同調圧力によるすさまじい批判を考えると、まずは客席数半分の録音演奏ではいからさんを無事に通すことでしょうか。コンサートも舞台も不要不急などではなく、人生に必要な心の潤い。成功事例が積み重なっていくことを祈ります。

 サントリーホールに美しい音色を届けてくれたのは新日本フィルでした。生演奏でしか味わうことのできない時間と空間がそこにはありました。

2014年1月13日;音楽物語『蝶々夫人』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/f57e79344567a8b1cea81955887ca5dd


星組『鎌足-夢のまほろば、大和し美しー』_思い出し日記(5)

2020年06月16日 01時03分05秒 | 宝塚
2020年6月12日:星組『鎌足-夢のまほろば、大和し美しー』_思い出し日記(4)

https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/000bb20c967c82a9f61fca398340af9a


断片的な備忘録、書き留めておきたい恵尺のぞくっとする言葉。

一樹千尋さん演じる僧旻(そうみん)と共に物語の案内役となる、天寿光希さん演じる船史恵尺(ふねのふひとのえさか)は登場シーンからぞくっとさせてくれます。ライブビューイングでは見逃した冒頭の場面、オンデマンド配信で視聴してようやく物語の全体がわかりました。僧旻が恵尺の庵を訪ねるところから舞台はスタートします。

僧旻「達者なようだな恵尺」

恵尺「旻法師、あなたがわたしの庵をたずねられるとは・・・」

僧旻「たずねたのではない、迷いこんだというべきか」

恵尺「ハハハハハ、どうりで、あなたがここを訪れるはずはないと思いました。わたしをきらっておられましたから」

僧旻「ここはどこだ?」

恵尺「天命の時空、世のことわりから遠く離れた場所でございます」

僧旻「天命だと、ここでなにをしている?」

恵尺「あいもかわらず歴史を編んでおります。人の世の続く限り、わたしのつとめのようでございます。記すべきを記し、記すべからざるべきをすて、わたしはあったことをなかったことにする、なかったことをさもあったかのように記さねばなりません。実に厄介、ハハハハハ」

僧旻「ずいぶんと傲慢なものだな、歴史とは」

恵尺「それを力にかえるものもおります」

僧旻「そのかげでおとしめられるものがいる」

恵尺「すくわれるものもおります」

僧旻「やはり、わしとお前は相容れぬ」「どうやら訪れるべきではなかったようだ」

恵尺「まあまあ。空をご覧くださいませ、この星々と同様、悠久のときを与えられた我々のこと、法師、ひとつ歴史を編んでみませんか」

僧旻「わしに歴史を編めと」

恵尺「たまには立場をいれかえてみるのも一興、それにこのものについてはあなたの方がお詳しい」

僧旻「だれだ?」

恵尺「藤原鎌足(ふじわらのかまたり)」

僧旻「ことわる」

恵尺「鎌足のあなたの弟子ではありませんか、よくご存知のはずでは」

僧旻「わしをせめるのか?」

恵尺「責めてなどおりませぬ」

僧旻「もしもわしがとめておれば」

恵尺「もしもとめておれば、もしも出会わなければ、もしも争わなければ、もしも血が流されなければ、だがもしもはあり得ない、すべておきたことなのです、法師。過去はこんなにも力強い」「未来になんの値打ちがありましょう」

僧旻「それでは希望はどこにある?」「過去に希望はあるのか?人は希望がなければ生きてゆけぬ」

恵尺「その希望のためにどれだけの犠牲がはらわれたことになるのか、たったひとりの希望のために」「はからずも世はくつがえり、歴史はあらたにかきかえられる、希望と絶望ではつりあいがとれぬ」

僧旻「いいや、それは違う!」

恵尺「では、語ってくださいますか、証しだててくださいますか」

僧旻「ああ、語ろうではないか、全ては志からはじまったのだ」「あの夜、天から星がおちてきた」

 ここで紅ゆずるさん演じる鎌足が登場し、「大和はゆめのまほろば~♪」「たたなづく 青垣 山隠れる(やまこもれる) 大和しうるはし~♪」と主題歌を歌います。大和ってどんな国なんだろう、それを全部曲で表現している作曲の太田健先生すごいと思うとはナウオンステージでの紅さんのお話でした。

 冷ややかな表情で高笑いする恵尺、天寿光希さんに演じてほしいというのは生田先生のたっての希望だったとか。異色の存在で物語の黒幕のような不気味さたっぷり。冒頭わずか4分ほどのシーン、聴き取れていないところもあるのですが書き留めておきたいと思って、文字起こししてみたら深かった。ナウオンステージで紅ゆずるさんも話されていますが、史実と虚構が入りまじった物語。わたしたちが今史実として教えられていることが虚構で、虚構だと思っていることが史実かもしれません。ぞくっとするような面白さに美しく壮大な音楽。なんかいみてもやめられません。

 ライブビューイングで深く心に残った、物語の最後、自分の人生は何も残らなかったと病の体を震わせる鎌足の全てを肯定するあーちゃん(綺咲愛里さん)演じる車持与志古郎女(くるまもちよしこのいらつめ)の言葉も後日あらためて書き留めておきたい。およそ1300年前の日本が舞台。名前がむずかしいです。