行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

「核なき世界」安保理決議 首脳会合が全会一致 冷戦のほんとの終わりだ

2009-09-25 23:08:29 | Weblog
世界史に残る歴史的な出来事が国連で9月24日行われた。国連安全保障理事会はオバマが議長で、メドベージェフ、胡錦濤、ブラウン、サルコジ、そして鳩山といった首脳級会合を開催した。テーマは「核拡散防止と核軍縮」そしてオバマ米大統領が提案した「核兵器なき世界」を目指す決議を全会一致で採択した。鳩山首相は唯一の被爆国として「非核三原則を堅持することを誓う」と強調し、日本が核廃絶に取り組む決意を表明した。

 この決議は、近年停滞していた核拡散防止・核軍縮への強力なエンジンとなり、まさに冷戦がほんとに終わったことを証明した歴史的なものだ。オバマ大統領は「冷戦時には核(戦争)の悪夢は回避できたが、今は新しい戦略と手法が必要だ」と主張し、各国に核拡散防止や核軍縮への理解を求めた。

さらにオバマ大統領は24、25両日にニューヨークで開く包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進会議に米国が10年ぶりに復帰すると発表し、「核兵器のない世界」を目指すことを印象づけた。これまでの米国政府はかたくなに核実験禁止に反対してきただけに、被爆地広島、長崎の被爆者の喜びは大変なものだ。

私が在勤した国際労働財団では年間100名を超す外国の労組指導者を招きすでに累計2000名をこえた。彼らは労働関連のプログラムを受講しているが、必ず広島か長崎を訪問して原爆被爆の実態を見る日程を入れている。彼らの反応は衝撃的で、インドやパキスタンからの招聘者は最初、自分たちの核は防衛だと廃絶には反対であったが、広島を訪問した後は意見がかわる。

今回のような超弩級の首脳会談を広島か長崎で開催できたら「核なき世界」は前進するのだが、鳩山首相の努力を期待したい。
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