行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

トヨタ車リコール、トヨタバッシングにどう対応するか

2010-02-09 22:35:08 | Weblog
連日のようにニューヨークタイムス(以下NYT)でトヨタ車リコールについての報道がされている。世界一のメーカーであるから注目を集めることは事実であるがそれだけの理由ではない。

今回の件ではトヨタの組織そのものに疑問を呈している。アクセルペタルの件では2008年12月に英国でクレームが発生したにもかかわらず、2009年8月になってようやく改造したアクセルペタルを採用しだした。そして今年の1月に2300万台のリコールになった。しかもおかしなことに、1月27日の米国議会の公聴会でトヨタの幹部はアクセルペタルのクレームは英国やアイルランドから2009年の春に連絡が入ったと証言している。トヨタの本社を中心とした縦割りの情報の流れが招いた組織的な欠陥では?としている。
また、トヨタだけでなく自動車メーカーのアクションの遅さを安全軽視と指摘している。

さらに、NYTはカリフォルニア州議会の動きとして、ハイブリット車はすでに米国車にもあり、これまでトヨタ推挙であったがこれからは米国車を選択すべしと言う有力議員の発言を報道している。この背景には5400人もの従業員を抱えた同州のGMとの合弁会社ヌーミーをトヨタが見捨てたということがあるとしている。

さらに本日、運転者の感覚の問題だ(トヨタ技術担当常務の記者会見)としていたプリウスのブレーキ問題でリコールを発表した。これも販売店とトヨタの間で齟齬があったとこれは日本のメディアで報じられているが、意思決定の遅さが目についた。この件を含め、米国議会での責任追及は厳しいものが予想される。

GMの場合はUAW労組が味方についたがトヨタは反労組企業と見られているからUAWは敵対しないまでも同情はしない。しかも政府与党の民主党の有力支持団体がUAWだ。どこまでトヨタバッシングが拡大するか予断は許さない。

フィナンシャルタイムスでもトヨタの危機管理は最悪としている。
トヨタの取るべき道は、全米で膨大な雇用に貢献していることを訴えると同時に必死にリコール車のペダルを直している従業員の姿をテレビで流すことで信頼を取り戻すことだ。下手な言い訳は無用だ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする