チュニジアの長期独裁政権が倒れたが、直接の原因は政権の腐敗ぶりがインターネットで流され、民衆が怒りの蜂起をしたことにある。チュニジアはローマ時代、カルタゴ王国で、知将ハンニバルが像に乗ってアルプスを越え、ローマに攻め込んだことで有名だ。その後、ローマ軍の反撃に遭い、カルタゴは滅ぶが多くのローマ支配下での遺跡が残っており、多くの日本人観光客が訪れている。
15日付けのニューヨークタイムスによれば、ウィキリークスが今回の民衆蜂起には裏で大きな役割を果たし、現地ではチュニリークスがベンアリ大統領や政府高官の腐敗ぶりをネットで流し続けた。国民が物価の高騰、高失業に苦しむ中、大統領一族は豪邸に住み、欲しいものは現金、土地、サービス、等何でも手に入れるという行動、フランス人のヨットも取り上げた。「貴様のものは全部私のもの」がモットーだった。
駐チュニジア米国大使を招いた晩餐会では会場に古代ローマ時代の石柱やフレスコ画を持ち込み。噴水には当時のライオン彫刻を使った。夕食は12皿、デザートはフランスリビエラのサントロペからアイスクリームとヨーグルトを取り寄せた、などの告発サイトリークは、民衆の怒りを買った。さらに大統領の屋敷では1日に鶏4羽も食べる虎を飼ってるとのリークはイラクのフセインがライオンを飼っていたことを思い出させる。
他のリークでは、ベンアリ大統領が最も利益を上げている銀行の経営権を強奪しようとしているとか大学の株の過半数を握るといったものだ。
ベンアリ大統領は強権でネットをブロックしようとしたが無駄骨だった。現地では初めてのウィキリークス革命だと評価するブロガーも出てきており、他の中東独裁国家の指導者は戦々恐々としていることだろう。中国でも早速、マスコミ規制が強くなってきた。反政府デモが起きる内容の記事や報道の禁止、腐敗官僚や強制立ち退きに反対する運動の記事差し止めなどだ。
しかし、ウィキリークス革命は続発する可能性大だ。