行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

書評「フランス女性は太らない」実に明解にして痛快だ

2011-08-03 23:19:18 | Weblog

旅行中に読んだ本だが、怪しげなダイエット本がちまたにあふれているが、フレンチのレシピ付きなのでこの本は説得力があり、成功談として読んでいて実に楽しい。著者のミレイヌ・ジュリアーノはフランスの地方都市から米国の大学に留学するが、1年で10キロも太り、帰国したとたんに家族から驚きの体型と指摘されショックを受け、医師の指導の下フランス人の食生活にもどり、水着を着て自分でもほれぼれする体型に戻すことから始まる。

著者は現在米国で高級シャンペンヴーヴ・クリコの販売会社のCEOとして年間300回の会食をこなしている。毎回ダイエットしている訳でなく、ワインやシャンペンをたしなみながらコース料理をこなしているが、太らない。具体的な内容には触れないが、この本は強いアルコールと飽食で太った体型をジムで何とかやせようとしている米国人への警告なのだが、最近の日本人のスィートブーム、食べ放題店の食生活とジムの繁盛は米国人と重ね合わせることができる。メタボで通風や糖尿病で悩む日本人男性も刺激を受け、気づくことが多い。

私の印象としては、フランス人の食生活はどこか日本料理にも通ずるところがある。つまり日本の伝統的食生活をしていれば日本人も太らない。先ずいろいろな種類の料理を少量づつ、ワインを飲みながら楽しくいただく、一種類のメインを腹一杯食べてはいけない。水を絶えず飲み、混ぜ物の入ったものはコーヒー、お茶類のものは除き控える。米国人は水の代わりにコーラを飲むようになっている(糖分の取りすぎ)。子供の時からの習慣で、子供には水を飲ませる。

米国人は食事の前に強いアルコールを飲むようになり、カロリー過多で味覚が麻痺して食事の味もろくにわからない。食事の時にシャンペンがあれば最高だがワインを一杯か二杯飲むのが適量だ。ワインは食事の完璧な相棒であるばかりか、精神を刺激する複雑な味の組み合わせを創造するとさえ力説している。

著者は塩分と糖分の取りすぎを防ぐためにハーブの効用を強調している。何でも醤油をかける習慣は直さなければならないし、食品の持つ本来の味を楽しむべきだ。それには旬の魚や野菜を新鮮な内に食することが鍵で、現在の都会のスーパーではなかなか難しいがネットによる産直が解決してくれるかもしれない。

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