6大関になった今場所、競り合って盛り上げ横綱の不振をカバーしているが、この大関4人が平幕の妙義龍に敗れた。それに刺激された同部屋の豪栄道、豊響も大関横綱を喰い、境川部屋旋風を起こしている。まさに前半の殊勲賞は妙義龍だ。
妙義龍の相撲は押し相撲で、見ていて気持ちが良い。勝てそうにもない大関に真っ向から押して仕留めている。かねてよりプロとアマの大きな違いは立ち会いのスピードだと思っていたが、妙義龍は立ち会いで強敵にまさり小さい身体で稀勢の里や琴奨菊を押し切った。大相撲の醍醐味といっても良い。
立ち会いで一瞬の勝負がつくから待ったをする力士が多いが、妙義龍は相手との呼吸を合わせた立ち会いでスピードをつけるダッシュを身につけている。はたかれる危険性はあるがあの低い姿勢でしのいでいることは足腰をよほど鍛えているのだろう。
後半はいよいよ大関同志の星のつぶし合いで、サバイバル合戦、横綱の不振を補ってあまり有る活躍を期待したい。