インドネシアで29日、麻薬密売の有罪判決を受けたオーストラリア人2人の死刑が執行されたが、オーストラリアのアボット首相はインドネシアの駐豪大使が2人の遺族に弔意を表したことを受け、「こうした残酷で必然性のない死について、インドネシアのまともな人々は、オーストラリア人の感じる怒りを正しく理解していることがわかる。オーストラリアとインドネシアの良好で力強い友情をいずれ取り戻せるという証しでもある」2人の死刑は29日の真夜中すぎ、他の6人の様々な国籍の麻薬犯罪者とともに執行された。豪首相は抗議の意を込め、駐インドネシア大使を帰国させた。
かねてから豪アボット政府は死刑執行を止めるようインドネシア政府に要求していた。死刑制度をめぐる賛否議論はあるが、アジアでは依然として法制度として極刑制度が日本を含め存在している。インドネシアは立派な司法制度が確立しており、法に則って死刑判決がなされた。外国政府がこれに圧力をかけて法を曲げることは主権国家としては出来ない。かつてマレーシア政府がやはり麻薬犯の英国人を死刑判決にした時も同じことが起きた。これに対するアボット首相の言は傲慢で、麻薬により多くの人命がなくなっていることを忘れたのであろうか。
今回の死刑執行も含め、6月13日には領海内で操業していた中国漁船を拿捕、爆沈させ、インドネシアのジョコ大統領の毅然たる態度が目立つ。