安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会、適用地域が、日本周辺から拡大したことにより議論泊沸明解にはなかなかならない。そうした中で先日の民主党の細野豪志政調会長との質疑に対する答弁は基本的で最も重要だと思う。それは先日このブログでとりあげたポツダム宣言をめぐり、安倍首相が明確に答弁をした内容だ。連合国側が日本の無条件降伏を勧告したポツダム宣言と、戦争指導者を裁いた東京裁判(極東国際軍事裁判)について「我々はポツダム宣言を受諾し、その後の東京裁判の諸判決を受け入れた。それに尽きる」と述べ、当時の政治指導者に責任があるとの認識も示した。
かつて首相は、自民党幹事長代理だった2005年には、月刊誌の対談で「ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えた後、『どうだ』とばかり(に)たたきつけたものだ」と語っていた。東京裁判も、13年3月の国会で「連合国側が勝者の判断によって、その断罪がなされたということだろう」と答えて、歴史修正主義者なのではと危惧されていた。
前回のブログでも触れたが、原爆を落とす前月7月下旬にはポツダム宣言は日本政府に届いており、原爆で脅してポツダム宣言を迫ったものではないことを安倍首相も理解し、当時の日本指導者の責任に言及した。また米国を含め、連合国が危惧していた歴史修正の点も、東京裁判を踏まえたサンフランシスコ講和を改めて安倍首相が確認し、歴史修正主義者というレッテルを剥がした。