ギリシャでは政治家が改革が出来ず借金を棒引きしてくれなければ、デフォルトを宣言すると貸し手のEUやIMFを脅迫しているがドイツなど他国民はユーロ離脱も仕方なしという雰囲気になってきた。かつてアテネとスパルタが対立していた時、アテネのクレオンを中心とする政治家達は強硬論で国民を扇動し、結果的にはアテネは滅びた。これらの扇動した政治家をデマゴーグと後世では呼んでいる。現実には他国の借金にたよって成り立っているギリシャの実態に目をつむり、国民に甘い言論を弄し、選挙で勝った現在のギリシャ指導者はかつてのデマゴーグが蘇ったみたいだ。
わが日本では、集団的安全保障が憲法に違反しているかどうかがようやく国会で白熱した論議となってきた。政府・自民党は歴代内閣が集団的安全保障は違憲ということを唱えてきたが、安倍政権になって解釈を閣議で違憲ではないという立場に変えた。当然何故だ根拠は何だという追及を受ける。そこで持ち出してきたのが砂川判決、すなわち最高裁の自衛権は9条に違反してないという判決で、高村副総裁が持ち出してきたものだ。
因みに、砂川判決のどこを探しても集団的自衛権には触れていない。個別自衛権には触れているのでこの中に集団的自衛権も含まれるのだと云う。まさに高村氏は現代のデマゴーグだ。多くの憲法学者の総スカンを食い、さすがに最近では砂川判決が集団的自衛権を認めているという主張は引っ込め、内閣や国会で決めれば良いという方向に変えてきた。
日本国民の安全を守るという大義名分を良く使うが、日本の領土保全を日米同盟で守ることが基本で、安倍首相の言動こそが日本国民の安全を危うくし、犠牲者も出た。欧米への旅行もかつてのように日本人には安全でなくなった。私は基地の街昭島で育ち、厚木基地のそばで居を構えたこともある。沖縄は言うに及ばずこれだけ多くの基地を提供し、思いやり予算で住宅まで提供している国は世界にはない。同じ米軍が駐在するドイツでは考えられないことだ。日本防衛は米国にとって重要な前線基地を守ることで、何も世界の米軍前線基地まで支援することはない。