行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

米国の問題、所得格差から寿命格差へ

2016-02-16 23:22:35 | Weblog
大統領選挙予備選ではサンダース民主党候補が格差社会の米国を糺すためには他の先進国なみに国民皆保険、有給休暇、有休介護休暇、公立校無料化、雇用創出、インフラ再建をすべきと主張し、ヒラリークリントン候補を追い上げている。サンダースがこの2か月に集めた1700億円もの寄付のうち87%が250ドル以下の寄付だったことを考えると、格差問題はこれからの大統領選の焦点となる。
 
ここへ来て、ニューヨークタイムズは富裕層と低所得層の富の格差だけでなく、寿命の格差拡大を取り上げている。社会保障庁によると1970年代、富裕層の60歳と低所得層の60歳では平均余命で1.2歳の差があったが、その後、2001年では5.8歳に差が拡大した。最近のブルッキング研究所の調査では上位10%と下位10%の所得層の男性平均余命を比較すると、1920年生まれでは6歳の差であったが1950年生まれでは14歳と倍以上の差に拡大している。女性の場合は4.7歳から13歳に格差は拡大している。下位10%の男性賃金労働者平均寿命は1920年生まれが72.9歳、1950年生まれが73.6歳に対し、上位10%の男性賃金労働者平均寿命は79.1歳から87.2歳に大きく伸びている。この命の格差は今後大統領選で取り上げられよう。
 
この寿命の差の原因は、医療環境と教育環境にあると専門家は指摘している。例えば、喫煙は死因の大きな要素だが、富裕層で教育を受けた層は喫煙習慣を止めている。麻薬にしても貧困白人層に蔓延している。普通の先進国では当たり前の国民健康保険が米国にはないことが影響している。都市間で癌の生存率比較してもトロントの低所得者層はデトロイトより生存率が高い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする