眠い目をこすりながら聞いていたトランプの記者会見、はっきり言って期待外れだった。冒頭からロシア関連情報漏れ報道でのマスコミ批判で始まり、ロシアとトランプ選挙陣営との取引があったかどうかを記者が追求したが、最期まで明確に答えずお開きとなった。日本でもかつて日本の新聞は読まないと開き直った総理大臣がいたが、トランプは情報漏れを流したCNNの記者には質問をさせなかった。異様な雰囲気の中での記者会見でこれから波乱含みの事態が予想される。
昨日のオバマ大統領の退任演説が「民主主義」と「米国社会の多様性」を強調した格調高かったのに較べるとトランプ記者会見はマスコミとの角突き合わせの低調差が目立った。トランプ事業会社との関連では息子に任せ、大統領職が事業会社に影響を及ぼすことはないと弁護士から10分にわたって説明させた。記者からの所得申告をオープンにしろということに答えたものだが、躱した感じだ。米国民が知りたいオバマケア廃止の代替案については、長々とオバマケアは破綻するとしゃべったが肝心の代替案はより良いものにすると答えただけで具体的には判らない。
経済関係では中国、メキシコ、日本との貿易収支赤字を何回か取り上げ、これを何とかして米国に雇用を取り戻すとこれまでの主張を繰り返したが、法人税減税とかインフラ投資といった重要な政策については最後まで触れずドル相場は下落した。世界中が注目したNAFTAから脱退するのかどうかも一切触れず、メキシコとの国境に壁を造るとし、費用はメキシコに払わせると息巻いた。1時間足らずの記者会見、結局自分のチーム誉めとトランプ事業会社との遮断、ロシア問題でほとんど、内容のないものだった。