安倍首相が力を入れてる2月1日官邸で開催された「働き方改革実現会議」、昨年来のKAROSHI問題から長時間労働が先ず取り上げられ、具体的には①残業時間の上限を月平均60時間、例外として②繁忙期は月100時間、2か月平均80時間とするが年間は720時間を上限といった法規制を次回に提案するという。現在は労使が協定する36協定を結べば、月45時間、年360時間以内が原則だが特別条項を付ければ年6か月までは青天井で時間外労働ができる。
この青天井を法で規制しようとすることは前進だが、月100時間というのはいわゆる過労死ラインと云われており、これを法で定めるとなると問題だ。私は国際労働財団で労働関連のメルマガを国際的に発信しており、今月のメルマガではこの提案を書かざるを得なかった。国際的には月100時間残業となると理解不能だろう。途上国も含めこんな長時間労働は許されないからだ。日本人より1か月も年間労働時間が短いドイツ人が聞いたら腰を抜かすだろう。
現行の年360時間、月45時間で例外を認めない法規制が(国際的に見てまだ甘いが)とりあえず妥当だろう。この働き方実現会議には連合の神津会長や学者も入っており、先ず長時間労働是正の成果を期待する。ところで以前にも書いたが労働法の知識を若い人に与える機会を増やしてもらいたい。先日セブンイレブンが病欠した高校生の賃金をペナルティカットしたという報道があった。法治国家とは法知から始まる。
人手不足で企業も大変だが、他の国では何とかやっている。経団連も考えて欲しい。過剰サービスは自分の首を絞めることになる。時代はAI,ロボットの時代、生産性を上げる工夫で乗りきって欲しい。