行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

インフレで財政再建が出来るのか

2017-02-03 22:32:32 | Weblog
 
マイナス金利で空き巣泥棒が喜ぶ?

黒田総裁またやったーというマイナス金利の導入、株式市場は右往左往、株価は上がったり下がったり。量的緩和による異次元緩和の世界もほんとに大丈夫という感じを強めてきたところへ(もう限界......
 

マイナス金利政策でもデフレ脱却は難しかった。金融政策で物価を2%上げるという浜田宏一内閣官房参与(イェール大名誉教授)等リフレ派の学説というか実験も終わりを告げようとしている。浜田博士自身、金融政策でインフレを起こそうとすることは難しいとみとめ、最近はクリストファー・シムズ教授の財政政策でインフレを起こすという理論に傾倒しているという。浜田博士の推薦でシムズ教授を招き、先日講演会を都内で持った。安倍首相と会わせたかどうかは知らないが、講演内容を調べると、この先生静かに謙虚に恐ろしいことを言っている。

簡単に触れると、赤字国債で財政政策を拡大すれば、インフレになる。金融政策だけでは無理。国の借金が増えても民が幸せに暮らせれば良い。将来に借金が残るけど、インフレになれば借金は相対的に小さくなるので将来世代は困らない。浜田博士は消費税導入は先延ばしすべしと聞き心地の良いことを言いだした。先般のブログで安倍首相は財政再建よりも経済成長に重きを置き、施政方針演説では20年度の黒字化に触れず、「基礎的財政収支の黒字化が重要なのではなく、債務残高がGDP比で一定の範囲内に収まってさえいればよい」と答弁したが、まさにシムズ理論はこの安倍首相の言をバックアップするもので、浜田博士が推薦したのも肯ける。

庶民の生活はほんとに幸せになるのだろうか。インフレは富を収奪する。インフレになり金利が上昇しても貯金の利息は追いつかないので先ず預貯金は目減りし、今買えるものも、半年後には買えなくなる。不動産バブルだけなら、庶民の生活には大きな影響はないが物価が全般的に上がると、みるみる生活が苦しくなる。若い人は知らないが、石油ショックの時がまさにそうだった。物価上昇下では買い急がないと買えないから、つい余分に買ってしまう。それが又値段を上げる。春闘で賃金を後追いながら上げられる勤労者はまだましだが、今の時代は当時と違い正社員組織労働者は少なく、インフレは即生活を縮小せざるを得ない。当時より俄然多くなってる年金生活者はどうなるのか想像するだけでも恐ろしい。

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