行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

オーストリアワイン異聞

2017-08-02 18:36:07 | Weblog

帰国して、振り返ってみるとオーストリア滞在中飲んだワインは100%地酒白ワインだったのが印象的だ。ホテルでは朝食のブッフェでも地酒ワインが用意されていたし、ランチでもディナーでもごく自然にワインを頼むと地酒白ワインだった。ここの白ワインはほとんどがオーストリア原産の白葡萄グルリューナー・フェルトリーナーの新酒で、今回旅行中のものは16年産だった。防腐剤は入っていないというのが自慢で、辛口ですっきりしていてウィンナーシュニッツェル(カツレツ)にも良く合った。

ウィーンの郊外にワイナリーが集まっていて、自分たちの生産したワインを飲ませるホイリゲ(居酒屋)があり、10年前に来た時はグリンツィングというホイリゲの集落で飲んだ記憶があったが、今回ランチしたところはワールドという地区のホイリゲだった。このあたりのホイリゲはハプスブルグ家のヨーゼフ2世(有名なマリアテレジアの息子、在位1765年 - 1790年)がワイン生産者が自分たちのワインが商人に買いたたかれ困窮してるのを見て、農家でもワイン酒場を経営することを許可したいわゆる規制改革によって生まれたものだ。当時は農家がレストラン経営など許されなかった。

ところが最近、グリンツィング地区では観光客の騒音に悩まされた住民が大型バス進入禁止という規制を市に求め実施したため、ホイリゲは次々とつぶれてしまった。それで残念だが、我々団体はワールド行くことになった。ここは道路も広くゆったりとしている。規制改革で発展した歴史的グリンツィングは規制により消滅するといった皮肉な事態となっている。

日本の造り酒屋では店先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせるが、ここでは松を飾っている。ランチには無料の白ワインがジョッキーでサービスされる。

  

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