行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

マックかマクドか

2017-08-25 21:49:53 | Weblog
私はサラリーマン駆けだしのころ7年間関西に居た。その頃マクドナルドは日本では影も形もなかった。従ってその略称が関西では「マクド」になったとは知らなかった。それがマクドナルド自身が関東のマックか、関西のマクドか顧客に決めて貰おうとキャンペーンを張った。新聞のチラシに割引券を入れ、マックはローストビーフのマクドはビーフカツのサンドイッチを用意し、顧客に選ばせて略称を決めるといった新手のマーケット戦略に打って出た。
 
我が家の周りに3軒のマクドナルドがあり、早速その戦略に落ちてしまった。半分づつ切って、食べ比べたが、私はマックの方が美味しかった。値段はさすがにマックの方が関西のマクドよりちょっぴり高い。それが効いたのか世論はマクドに軍配を上げたようだ。
 
2014年「チキンナゲット」で、中国食肉加工会社の「上海福喜食品」から仕入れた食材が、使用期限を半月過ぎた鶏肉を使用していたことが発覚し、該当商品の販売が停止だけでなく、マクドナルド全体の売上げが減少し、経営危機に陥った。そこに登場したのが米国本社から送り込まれたカナダ人のサラ・カサノバCEOだ。彼女は顧客との対話で日本全国を行脚するなどマクドナルドの経営を立て直した。一時日本マクドナルドの株を売ろうとした米国本社だが、その後の経営再建で株価が上昇し、本社自身(49.99%の株を所有)の経営にも良い影響を与え、カサノバ社長の手腕は評価された。
 
そして今回の略称キャンペーンだ。カサノバ社長の経歴をみると、ロシアやウクライナでマーケッティング部門を担当していたことを見ると、このキャンペーン社長主導のものと推測できる。その後のマクドナルドのホームページでは「キャンペーン中につき、1週間限定【8/22(火)~8/28(月)】で関西弁で表示しています」とし、カサノバ社長自ら「マクドは、お店に来はるすべてのお客様に、いつでも最高のお食事体験を提供することを目指してますねん。ゆうても簡単なことちゃいます。そのために、世界でも最高のサービスをお客様に提供する必要がありますわ。近頃ウチらマクドに対するお客様の期待はそれはもう高まってますねん・・・・」など記載する乗り、また関東のお客に反感を持たれないよう標準語変換ボタンまで冒頭に付けている気の使いよう。
お見事という他ない。
コメント
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