財務省の4~6月の法人企業統計調査(資本金1000万円以上)によると、売上高は前年同期比で6.7%の伸びだが、経常利益は22.6%も伸び、四半期ベースで最高益だ。それなのに企業の利益のうち労働者の取り分を示す労働分配率が下げ止まらない。資本金10億円以上の大企業の分配率は43.5%(前年度平均で44.4%)だった。高度経済成長期だった1971年1~3月以来、約46年ぶりの低水準を記録した。人件費は前期比1.7%増と増えているものの、賃上げが少なすぎた結果だ。資本金10億円未満の中堅・中小企業の労働分配率は69.8%で、これも92年7~9月以来の低さとなった。
16年度の内部留保は400兆円を突破し、過去最高を更新してるがその勢いは衰えず、自己資本比率は42.7%と前年同期の41.5%を上回っている。経常利益率で資本金10億円以上の大企業は10.6%と特に好調で、1億円~10億円の企業は3.9%、1000万円以下の企業は4.4%と、いずれも前年同期の9.4%、3.6%、4.4%を上回っている。この統計では設備投資は製造業で前年同期比マイナス7.6%と最高益下で設備投資減という信じられない内容で、日本の経営者は何を恐れているのだろう?ゼロ金利下、貯め込んでも何も生み出さないし、景気は下降する。
注、労働分配率は付加価値額に対する賃金などの割合で表す。付加価値額は人件費や経常利益、減価償却費、支払利息等を合計した。季節性をならすため過去4四半期の平均をとっている。
注、労働分配率は付加価値額に対する賃金などの割合で表す。付加価値額は人件費や経常利益、減価償却費、支払利息等を合計した。季節性をならすため過去4四半期の平均をとっている。