行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

安倍首相の解散理由国難でなく自分難

2017-09-27 18:51:41 | Weblog
安倍首相の解散への理屈づけ記者会見、国難突破と言われてもピンとこない。話を聞いていると自分に降り懸かる火の粉を払うために、国会では一切審議せず、冒頭解散をするとしか思えない。国難と言われると先ず北朝鮮問題が考えられるが、それなら解散総選挙で内閣が空っぽになるなんて最も望ましくない事態だ。自衛隊を指揮してミサイル防衛をしっかり行うことこそ国民に安心をもたらすことだ。「国民に問う」とは何を問うのか判らない。北朝鮮問題は米朝の首脳間のやり取りから今が最悪の事態と考えないのだろうか??
 
少子高齢化が国難と見られないわけではないが、少子高齢化は30年も前から明確に予想してきた事態で政治の怠慢がもたらした人災だ。消費税で対策をとの主張は財政再建というもう一つの国難を放棄することになる。付けを未来にまわすことは世界一の借金(GDPの2倍1071兆円)を背負った日本政府のやり方はもはや限界点に近づいている。日銀に国債から(ETFという形で)株まで買わせ、日銀自体も限界点に達しつつある。
 
財政再建を狙いとした消費税増税は前回8%にした時点で、消費の停滞を招き、未だ所得の伸びも今一とあって経済のメインストリームである個人消費は勢いがまだない。この時、日本人には消費税は合わないというテーゼができた。今の状態で19年に増税すれば肝心の経済が毀損され、全体の税収が減収するという悪循環に陥る。格差社会での税収増は累進課税を強化することで可能となる。高所得者の税率を50%から以前の70%に戻すような大胆な改革が必要だ。
 
解散と伴にかつての同志、大畠元経済産業相、高木元文科相等が引退する。寂しいが日本を背負う若い人に引き継ぎを託したい。
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