行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

大阪万博、前回ほどの期待はしない方が良い

2018-11-27 18:03:30 | 生活
2025年の国際博覧会(万博)の開催地が大阪市に決まり、府知事や市長、財界は歓迎一色でこれにカジノを造りたい政府も沸き立った。テーマは医療や健康を中心とした「いのち輝く未来社会のデザイン」で、2800万人が来場し経済波及効果は2兆円と踏んでる。前回の万博は高度成長の1970年に開催され、その波及効果は日本中に及び、来場者も6400万人と今回の予想来場者の倍で、2025年の万博は高齢化社会の中で未来社会のデザインは難しい。少なくともあの時のときめきはない。
 
1970年大阪万博では、入社4年目の私は関西の営業所に配属されていたため、毎週のように万博に出かけた。世界の国々の展示やパフォーマンスを見ることによって世界の様々な事象やお国事情を理解し、日本人や日本の実情を再認識した。オリンピックは国威発揚に向いているが万博はむしろ国民を啓発し、国際化の出発点だったと言ってよいだろう。私も万博で初めて米ソの月面着陸の宇宙船や宇宙船ソユーズの実物を見て感激した。初めて食べた米国のステーキのうまさに驚いた。世界各国の料理を食べ歩いた。この万博を契機に日本でファストフード店が展開された。また欧州の街には必ずあちこちの広場があるが、街作りには広場が必要なことが解った。
 
シンボルの太陽の塔は今も残り、会場跡は公園になっていて、訪れるとかつての感激を思い出す。今回は臨海地区で、人工島・夢洲(ゆめしま)、湾岸新都心として計画された一角にあり、バブル崩壊で計画が頓挫。落選した08年夏季五輪では選手村が造られる予定だった。税金を投入し、長いこと放置されていた土地が再利用されるので府も市も喜ぶわけだ。大阪万博は会場建設費で1250億円、運営費800億円、鉄道や道路などインフラ整備で700億円以上と試算され、この資金をどう調達するかはこれからの課題だ。「いのち輝く未来社会のデザイン」で個人資産の大部分を有している高齢者から、寄付を募ったらどうだろうか
日本には世界中の料理は既に有るし、世界中に旅行し、旅番組は毎日のようにある。ネットでは瞬時に世界中のニュースが入ってくる。他国の展示も前回のような珍しさは無い。環境問題やAI等技術発展がどうデザインされるかが今回の焦点だ。
 
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