麻生財務相が11月17日、東京大学を卒業した北橋健治北九州市長を「人の税金を使って学校に行った」と発言し、国会で追求されると、人口が減少傾向の北九州市市長の手腕と比較して、増えている福岡市長選の現職候補を応援したと弁明。財務相でありながら今の私立大学、税金の投入無しでは経営できないことも知らないことに驚いた。政治家の資質で学歴を取り上げることも非常識だが、図らずも若き頃の北橋健治氏とは国の政策を議論しあった仲だったので、彼の政治への情熱を記憶から思い興した。
1980年代私は電機労連(現在の電機連合)の政策局長、北橋さんは民社党の政策担当グループの若手ホープで、国政についてよく議論をした。東大法学部出なら、官僚や大企業にいくらでも就職口はあるのに、政治家を目指し民社党という小さい世帯で研鑽している情熱に私は感心もし、こういう若い人には是非国会にと思った。最初の総選挙へのスタート地縁のない、九州福岡2区、自民党の金城湯池で、当に清水の舞台から飛び降りたような心境だった。たよりは鉄鋼労連を中心とした労組組織だった。私も電機労連の加盟組合があったので、応援に駆けつけた。
方や、麻生太郎は麻生財閥の長男として何の苦労もなく育った政治資金に困ったことのない坊ちゃん政治家というより政治屋で、そうした環境からか78歳になっても失言が続いている。財務省の文書改竄という未曾有の事件の責任者なのに平気でいられる無神経さも育ちから来ているのか、北橋さんとは全く資質が違う。
国会での麻生の弁明は「北九州市は人口減少で福岡市は増えている」から福岡市長の手腕は優れているという。これまた単純で、少子高齢化社会人口減少社会は自分が座っていた政権党の中で起きてきた。自分の責任は棚上げだ。北海道は札幌、九州では福岡に人口が集中していることは各市長の手腕が優れているのだろうか?そんなことなら舛添、石原といった代々の都知事は他の県知事よりはるかに政治手腕が優れていることになる。