行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

年金生活者のマネー GPIFの運用

2019-07-08 22:51:59 | 年金生活者
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が5日発表した2018年度の運用実績は2兆3795億円の黒字と、3期連続で運用益を確保した。GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を国内外の株式や債券に分散投資している。運用資産額は19年3月末時点で159兆2154億円となり、18年3月末(156兆3832億円)に比べて増加した。このうち市場運用分は158兆3191億円で、アクティブ運用は22.00%を占めた。
3月末時点の積立金全体の資産構成は、国内株が23.55%、外国株は25.53%、外国債券は16.95%、国内債は26.30%。期間の損益率はプラス1.52%(前期はプラス6.90%)となった。18年10~12月期には四半期として最大の14兆円の運用損を計上したが、期末にかけて米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めるとの観測などから海外株式相場が回復したことが貢献した
 
資産構成別の収益の内訳(市場運用分)は外国株式が3兆1411億円、国内債券は5959億円、外国債券は6975億円のいずれも黒字だった。一方、国内株式は2兆732億円の赤字だった。外国株式は2731銘柄を保有しており、全体での時価総額は41兆4933億円だった。時価総額で見ると、マイクロソフトにアップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックと続き、上位をハイテク株が占めた。最も保有しているのは米マイクロソフト株で、時価総額ベースで8388億円保有し、同社株の株数は18年3月末に比べ4%増えた。
 
このGPIFの運用実績から読み取れるものは
1,長期分散投資の見本といえる運用でも昨年度は1.52%の成績で終わった。厳しい情勢だった。
2,国内株の運用は赤字で、これを米国株を中心とした外国株運用の黒字で補えた。
3,内外の債券運用は額は小さいが黒字だった。
年金生活者のマネー運用でも、GPIFの資産構成は参考になるので、ポートフォリオを再考するのに参考となる。
その他の参考となるGPIFの運用
GPIFは17年度から日本株で環境・社会への配慮や企業統治の「ESG」に関係する3つの指数を選定し投資を始めた。18年度は温室効果ガス排出に関する2指数も採用しており、5指数に連動する運用資産額は3月末に合計3兆5147億円と、18年3月末の1兆5379億円から大幅に増加した。17年に本格的に始めた不動産投資などを含むオルタナティブ投資の3月末の時価総額は4327億円だった。電力発送電や鉄道などのインフラや国内不動産に投資しており、18年度には海外不動産への投資を開始した。
 
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