世界経済の1位と2位の大国の経済戦争、イラン核合意の離脱等、トランプ大統領はこれでもかこれでもかと世界経済を攪乱してきた2年半、それに英国のEU離脱などが加わり、世界経済はどうなるのか?IMFの改訂予想が23日発表され、2019年は3.2%と前回予想より0.1%の下回りで留まり、来年は3.5%と回復予想だ。
グローバル化が進み、世界経済は何とか持っているという感じだ。もちろん米国と中国の間の経済的衝突は、世界貿易システムのバランスを崩している。中国の年間約1兆ドルの製造品貿易の年間黒字はの半分は米国から稼いでいるが、それが4000億ドルも減少している。一方米国の対中輸出は今年上半期に8.5%減少した。
24日までに開示された中国約1700社の2019年1~6月期の純利益見込みは前年同期比2%増にとどまった。世界の他の国々の中国への輸出はわずか2.1%増だ。
日本でも中国銘柄といわれる日本電産は24日、2019年4~6月期の連結決算を発表し、営業利益は279億円と前年同期に比べて39%減った。売上高は3%減の3608億円、純利益は91%減の34億円だった。中国景気の低迷などを受けて、家電や産業用のモーターが不調だった。
一方、漁夫の利を受ける国々もあり、1~5月中国が米国輸出を11.8%減らしているが、ベトナム、台湾、インドなど、米国への輸出を32.1%、22.47%、11.5%と二桁増やしている。大豆の輸出大国ブラジルは米国から中国向けの大豆輸出が減少し、その分中国向けに増えている。
グローバル経済は結構したたかで不況になるのを何とか防いでいる。但し、調整に時間が掛かり、IMFの楽観予想どおりになるか心配だ。