行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

シェアリングエコノミー事始め

2018-10-16 23:05:33 | 技術
トヨタがソフトバンクと提携した。今後の自動運転車の発展とそれを利用するシェアリングライドを中心とする新事業が狙いと考えられる。現在、マイカーの稼働率は2割強といわれ、家に駐車している時間が大部分だ。しかも個人所有の車は人口減、高齢化で減少することが隔日だ。そこにシェアリングライドという新市場が出てくる。人手不足で困っている運送業界、工夫はしているのだろうが、4割は空で走っている。これを解決するのもシェアリングでAIを活用して需給をマッチングさせれば、効率は良くなる。自動車関連業界でのシェアリングエコノミーは事始めと期待されている。
 
ところが、先日開催された国際労働財団(JILAF)の国際シンポジウムではマイナス面が強調され、主にライドシェアに焦点を当てたシンポジウムとなり、各国の代表が「労働者としての権利保障が必要」と語った。
シェアリングエコノミーの代表的な事業に、素人の運転手が自家用車で人を有償輸送するライドシェアがある。ウーバー社などの「プラットフォーム事業者(システムを提供する事業者)」が客と運転手を引き合わせて手数料収入を得る事業だ。日本では道路運送法違反の「白タク」に該当し、営業を許されていないが、政府の未来投資会議で一部解禁を検討する方向を示した。
 
AIやデジタル経済を研究してきた英国労働組合会議(TUC)のティモシー・アンドリュー・ペイジ政策局長は「シェアリングエコノミーには有用性を見い出せない。働く人にリスクを負わせている」と言い切る。英国では労働力人口の1割にあたる320万人が従事し、不安定労働者と位置づけられていると指摘。「プラットフォーム事業者は事実上、職業紹介や人材派遣会社として営業している。規制が必要だ」と述べ、働き手には雇用労働者と同じ権利が保障されるべきと語った。
 
国際運輸労連(ITF)の浦田誠内陸運輸部会長は、ライドシェアが広がった米国のニューヨークではこの1年以内に6人のウーバー運転手が生活苦から自殺したことや、ロンドンでは11日に1回の割合で、ウーバー運転手による乗客へのレイプ事件が発生している事実を紹介。欧州では次々に禁止や規制が行われているとし、日本への進出阻止を訴えた。
 

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