ガンジーと並び称された忍耐と寛容の偉人マンデラ元大統領が亡くなった。日本の労働組合はアパルトヘイトと闘っていたマンデラ氏を支援するべく支持母体の南アの労働組合会議(COSATU)の事務所を日本に設置し、最大限の援助をした。マンデラ氏は釈放され大統領になった時、感謝を示すために訪日された。
日本の労組や国際労働財団は独立以来、多くの組合幹部を招き、新生南アフリカの民主的労働運動のリーダーを育成した。新政権で労働組合幹部の多くが主要ポストに就き、政権党アフリカ民族会議(ANC)により、南アの経済が発展し、人種差別はなくなり、国民が豊かになると期待された。ところが実態は一部の幹部が豊かになったがそれに安住し、一般の国民特に黒人層の生活にまで豊かさはとどいていない。資源に恵まれた南ア自体の経済規模はサハラ以南のアフリカ諸国を束にしても圧倒するのだが、
ニューヨークタイムスによれば、2001年白人と黒人の所得格差は17000米ドルであったのが2011年には30000米ドルに拡大した。これは教育を受ける機会の格差が原因している。人種間の交流も4割程度で、白人と黒人が一緒に生活している地区に住んでいる白人の割合は22%、黒人は20%にすぎない。白人、黒人双方を受け入れている小学校を見ても、白人の11%、黒人の15%が通っているに過ぎない。アパルトヘイトはいまだ解決されてない。
このブログでもとりあげた金鉱山のストライキも、過酷な黒人労働者の低賃金が原因で、それをANC政権を支える南ア労働組合会議(COSATU)が解決できないところに原因する。マンデラの意志を継ぐリーダーの出現に期待したい。
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