3月20日のブログで避難範囲の日米の差は4号機の使用済み燃料保管プールの水があるかないかで出てきたのではないかと指摘した。また、米国は原子力保安院を含む日本政府の発表を信用してないとも指摘した。
その後、米国は無人機を飛ばなど詳細なデータを独自で収集した結果だと思うが、30日の上院公聴会で米国原子力規制委員会NRCヤズコ委員長は4号機の使用済み燃料保管プールには水が存在することを認め、「現在得られているデータは、安全距離が約20マイル(約32キロ)であることを示し続けている」と述べた。
また4月7日、「米政府が原発から半径80キロ圏内に住む米国人に避難勧告を出した根拠は放射線量などの実測データに基づくものではない仮想の事故シナリオによるものだった」とNRCの安全対策チームを率いる幹部のランディ・サリバン氏が同日あったNRC原子炉保障措置諮問委員会で明らかにした。
この仮想のシナリオはAP通信によると、福島第一原発2号機の核燃料が100%損傷し、放射性物質が16時間放出される「深刻な放出」というシナリオに基づくものだった。
しかし米国の「50マイル(80キロ)圏内」の避難勧告は3月17日、オバマ大統領が演説で「十分な科学的評価に基づく」と述べたほか、NRCは「慎重かつ妥当なもの」と繰り返したことを考えると、米国政府は日本政府不信からけっこうパニック状態の中で避難勧告を判断したのではないだろうか。これに対し、日本政府は反論もしなかったどころか保守的判断と言えるなどコメントをしている。誠に情けない。
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