痛みと共に目覚めると、倉庫のような場所に転がされていた。起き上がろうとするが手首を体の後ろで括られているらしく思うように動けない。
「……畜生ッ」
それでも何とか半身を起こして周囲を見回すと、すぐ側にあいつが意識を失ったまま、やはり後ろ手に縛られた姿で転がっていた。何だか無性に腹が立ったので思わず蹴りを入れてやったら、軽く呻き声を上げながら目を覚ます。
「あれ?何でキミがここにいるの?」
この非常事態に相も変わらず脳天気な口調のあいつに、オレは思わず声を限りに怒鳴り散らした。
「おまえが呑気に寝ていたせいでオレまでこんなトコロに連れ込まれたんだろうが!」
「えっ、それじゃボクを助けようとしてくれたの?」
ありがとうやっぱりキミはボクの一番の友達だよ!などと叫びながら殆ど一動作で半身を起こすなり懐いてくるあいつを足で押しのけながら、オレは取りあえず有るだけの疑問をぶつけてみることにする。
「それより答えろ!あいつらは一体なんだ!なんでおまえが狙われる!」
「……えーと、それには色々と込み入った深い事情が」
「残らずぜんぶ話せ」
「うーん、それじゃその前に」
よいしょ、と、あいつがごく無造作に縛られた腕を動かすと、さっきまで後ろ手に拘束されていた筈の腕が前縛りになる。
「おおスゲえ!どうやったんだ?」
「腰下から脚に腕をくぐらせたんだよ、これで……」
「分かった、くぐらせるんだな」
それならオレもと真似しようとしたが、さんざん悪戦苦闘した割には妙な具合に腕がハマって動けなくなっただけだった。
「おおおおおっ!」
「ああキミは無理しなくていいから!」
とりあえずの「準備」を終えた後、あいつは観念したように口を開いた。
「あいつらは、ボクのおじいちゃんが開発したサイバニクス技術のノウハウが欲しいみたいなんだ」
「さいばにくす?」
どこかで聞いたような、しかし正確な意味は分からない単語にオレが戸惑っていると、
「この場合は人工臓器といった方が分かりやすいかな、正常な働きが出来ない人間の部品を、機械などの人工物にすげ替えて機能を回復する技術だよ」
ボクも詳しくはよく分からないけど、と付け加えてからあいつは話し始める。
「……畜生ッ」
それでも何とか半身を起こして周囲を見回すと、すぐ側にあいつが意識を失ったまま、やはり後ろ手に縛られた姿で転がっていた。何だか無性に腹が立ったので思わず蹴りを入れてやったら、軽く呻き声を上げながら目を覚ます。
「あれ?何でキミがここにいるの?」
この非常事態に相も変わらず脳天気な口調のあいつに、オレは思わず声を限りに怒鳴り散らした。
「おまえが呑気に寝ていたせいでオレまでこんなトコロに連れ込まれたんだろうが!」
「えっ、それじゃボクを助けようとしてくれたの?」
ありがとうやっぱりキミはボクの一番の友達だよ!などと叫びながら殆ど一動作で半身を起こすなり懐いてくるあいつを足で押しのけながら、オレは取りあえず有るだけの疑問をぶつけてみることにする。
「それより答えろ!あいつらは一体なんだ!なんでおまえが狙われる!」
「……えーと、それには色々と込み入った深い事情が」
「残らずぜんぶ話せ」
「うーん、それじゃその前に」
よいしょ、と、あいつがごく無造作に縛られた腕を動かすと、さっきまで後ろ手に拘束されていた筈の腕が前縛りになる。
「おおスゲえ!どうやったんだ?」
「腰下から脚に腕をくぐらせたんだよ、これで……」
「分かった、くぐらせるんだな」
それならオレもと真似しようとしたが、さんざん悪戦苦闘した割には妙な具合に腕がハマって動けなくなっただけだった。
「おおおおおっ!」
「ああキミは無理しなくていいから!」
とりあえずの「準備」を終えた後、あいつは観念したように口を開いた。
「あいつらは、ボクのおじいちゃんが開発したサイバニクス技術のノウハウが欲しいみたいなんだ」
「さいばにくす?」
どこかで聞いたような、しかし正確な意味は分からない単語にオレが戸惑っていると、
「この場合は人工臓器といった方が分かりやすいかな、正常な働きが出来ない人間の部品を、機械などの人工物にすげ替えて機能を回復する技術だよ」
ボクも詳しくはよく分からないけど、と付け加えてからあいつは話し始める。