カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・ヴィクトリア朝の涙壺・その2

2020-09-18 21:20:06 | 幻想世界の竜飼い

 奔放の限りを尽くした夫の元で病み衰えた彼女は、ある日とうとう臨終の時を迎えることになった。そうなって初めて夫は妻に対する嘗ての熱愛を思い出して赦しを請うたが、彼女は微笑みながら貴方を決して赦しませんと涙の詰まった壺を渡した。それが愛なのか呪いなのかは娘の私にも分からない。
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骨董品に関する物語・十二星座の図版

2020-09-18 21:18:01 | 突発お題

「一体、何だって昔の人間は夜空の星を勝手に繋いで星座なんてものをでっち上げたんだろうな」
「そうせざるを得なかったからだろう。考えてもみろ、夜毎に輝く星々の光に意味を見出せなかった人間が闇の深さに耐えられると思うのか。人間には『意味』が必要なんだよ。勿論俺にも、お前にもな」

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