カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・十字架の祈祷書

2021-12-25 16:00:52 | 突発お題

 耶蘇教の神を称える習慣を持たなかった彼は、信心深かった父の形見である聖書に採取した植物の標本を挟んで重し代わりにしていた。当然ながらいい顔をしない者も多かったが、彼はただ、聖書に登場する神ではなく、己が愛する植物を健やかに育てる名もなき神を愛したに過ぎないのだ。

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