名探偵の解答その45・闇を伺うものと暴くもの

稀代の名探偵であるたかあきに、友人から『漆黒たる舞台』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に単純のようです。

　お前なら必ず突き止めてくれるだろうと、昔観たうろ覚えの舞台がいつ何処で何を上演されたものかを調べて欲しいと友人から依頼が入った。地道極まりないデータ検索の繰り返し、更に足で集めた情報から何とかそれらしい舞台と演目を突き止め、俺の仕事自体はそれで終わったのだが、実はそこから先に友人の修羅場が待っていた。

名探偵の解答その44・風が吹いたら揺り籠揺れる

子供に大人気の探偵であるたかあきに、友人から『悪夢の血脈』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に悲恋のようです。

　小さい頃から俺に面倒を持ち込むのが習慣と化しているとしか言いようのない幼馴染が深刻な表情で、実は自分は父親の子ではないらしいので調べてくれと言い出した。一人っ子に対して激烈に子煩悩な態度を隠さない奴の父親を知っている俺は半信半疑で調査を始めたが、確かに奴の両親の関係には空白期間があって、その間に母親が別の男と関係していたのもまた確かだった。

名探偵の解答その43・王様は裸だと子供は叫んだ

稀代の名探偵であるたかあきに、王様から『壊れた凶行』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に非凡のようです。

　以前王宮内のゴタゴタを解決したのを見込んでと、王から極秘に王子が狂を発した原因を突き止めて欲しいという依頼が入った。絶対にロクでもない事になるのは分かっていたが学友でもある王子の事が心配で調査したところ、とりあえず王子に対して是非とも王位簒奪を勧めたくなるような事実が判明した。

名探偵の解答その42・夢の尻尾切り

事務所を開設したばかりの新米探偵であるたかあきに、仇敵から『悪夢の黄昏』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に肩透かしのようです。

　探偵事務所開設早々の客が、事もあろうに俺の幼馴染だった恋人を寝取った自称親友で、本来ならぶっ殺して埋めてやりたかったが今は奴の妻になった幼馴染の様子がおかしいと言うので依頼を受けた。結局幼馴染は以前から俺と奴の他に数人の男と宜しくやっていたことが判明し、俺は図らずも過去に対する復讐と決別を同時に行う事になった。

名探偵の解答その41・心霊探偵と呼ばないで・あなたが好きです

子供に大人気の探偵であるたかあきに、幽霊から『甘き秘密』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に悲恋のようです。

　事故で死んじゃったお姉ちゃんがお化けになって出て来ると言い張る娘を何とかしてくれと言う依頼に、俺は単なる探偵なんだがと思いつつ当の「お姉ちゃん」に会ってみると、幼馴染の想い人に告白出来なかったのが心残りで成仏できないと言う。それならと幼馴染当人を呼び出して告白させたら両片思いが判明して話がややこしくなった。

名探偵の解答その40・消えない母の子守歌

子供に大人気の探偵であるたかあきに、叔父から『永久子守歌』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に深刻のようです。

　叔父の子供が不審な死に方をして叔母が少しおかしくなったのは知っていたが、自分に出来るような事はないと思い口出しを控えていた。だが、いよいよ叔母の言う事が聞き捨てならない深刻さを増してきたと叔父から調査依頼が入って事件を洗い直すと、そこに浮かび上がったのは残酷極まりない現実だった。

名探偵の解答その39・復讐のススメ

暇潰しの日曜探偵であるたかあきに、幽霊から『甘き強奪』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に深刻のようです。

　僕は確かに謎解きが好きだ。しかし、それはあくまで推理小説を読みながらの話であり、赤の他人が起こした実際の事件、しかも親友に殺され妻を奪われたなどというヘビーな案件には関わりたくなかった。故に血まみれの格好で真実を解き明かしてくれと懇願してくる殺された幽霊に対して、その格好で直接犯人を問い詰めればいいだろうと突き放してやった。

名探偵の解答その38・夢よ、もう一度

食うや食わずの貧乏探偵であるたかあきに、元恋人から『動かぬ血脈』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に単純のようです。

　貴方の夢を一緒に追うことは出来ないと言われて別れた昔の恋人が幼児を連れて会いに来た。俺の子でないのは明白だったし何やら陰謀の匂いも感じたが、探偵業と言う夢の諦め時を感じ始めていた俺にとっては最後の、そして恐らく最大の仕事がやってきたと居直りながら依頼を受け、当然のように後悔した。

名探偵の解答その37・忘れ草をも植えてはみたが

有名な探偵であるたかあきに、幼馴染から『奇麗な密室』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に悲恋のようです。

　素封家に産まれた幼馴染は昔からの想い人と添い遂げることが出来ないまま親の決めた相手と結婚した。家庭生活は円満だったが幼馴染は想い人を忘れられず記念の品を自室の鍵付き机の引き出しにしまっておいたが、それが何処かに消えたので探して欲しいという、どう考えても地雷物件の依頼が入った。

名探偵の解答その36・悪魔が来たりて笛を吹く

事務所を開設したばかりの新米探偵であるたかあきに、父親から『悪夢の楽器』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に肩透かしのようです。

　開設したばかりで依頼人も現れず事務所で暇を持て余していた俺の元に、疑問を感じたらクロスワードのマス埋めにも息子を使う親父が訪ねて来て楽器の運指がキーワードになるミステリー小説のタイトルが思い出せないとぬかしやがったので、即座に答えてお帰り願ったが、結局その日の依頼人はゼロだった。