アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

つかの間の夏日

2010-04-21 | 四万十川 春

のちのちのち 最高気温21度。

 山と海に囲まれ東西に長い高知県、その海岸線は713キロ。

四万十川流れる西部は「幡多地域」と呼ばれ、県中部や東部とは言葉や文化が若干異なります。

 

 そして昨日と今日の中部と西部は、天気も違ったようです。

ここから東へ120キロほど離れた高知市は、よく晴れ25℃の夏日(今年初)。

一方、西の四万十は、湿っぽいくもり空。

それでも今日の午前中の3時間だけは、太陽が顔を見せてくれました。

チラリ顔を見せてくれた太陽は、もう夏の光。

湿ってもわんと暑い空気に、若草と花が甘く濃く香っています。

 

  雨に濡れた若葉が陽射しにキラキラと輝いています。

僕は、束の間の青空をムダにしないように、えいやっ!と洗濯を2回戦、布団も干す。

その後、短パン一丁でハダカの上半身を太陽にジリジリと焼きました。

今年初の夏の陽射しがたまらなく嬉しい。やはり暑い方が大好物のビールも旨いですし。

 

 日向ぼっこをしていると、レンタルカヌー屋の平塚さんから電話です。

(かれこれ20年以上も前に、東京から口屋内村に移住した平塚さん。

当時の四万十川はまだ無名で、カヌーで下る人なんてほとんどいなかった)

彼が代表を務めるレンタルカヌー「シマムタ共遊国」は、今年20周年を迎えます。

(20周年記念イベントやりましょうよ、平塚さん)

シマムタ共遊国

「もしもし、何しちゅう?忙しいがか・・・」と平塚さん。

「いやヒマ、暇。なにもしよらん・・・」と僕。

「わしは、久しぶりにカヌーで下りようがよ。今日は水量も天気もえいし、最高やぞ!うらやましいやろー」

「うーん、いいなぁー」

 

 川は、水量、気候、風、景色の組み合わせにより、毎日ちがった表情を見せます。

本当に良い条件がそろった時の川を下れるコトは、あんがい少ないもの。

でも、しょっちゅう川を下っているガイドの僕には、

今日の川の素晴らしさと川下りの気持ち良さは一瞬でわかりました。

そんな川の自然には、陸から見てるだけや、エンジン付きの船やボートでは味わえない部分があります。

 

 でも、カヌーに乗って人力で漕ぎだせば(カヌーを道具に全身で川と遊べば)、

時に川は、僕たちにその自然の神秘な部分を見せ、味あわせてくれます。

それは、いつもとは少し違う新しい世界と経験です(もちろん、センス・オブ・ワンダーな心は必要ですが)。

 

  結局、今日の太陽は3時間しか顔を見せませんでした・・・。

やがて、雨雲が音もなく空をおおえばポツポツと雨が。

あわてた僕は、布団とまだ半乾きの洗濯物を大急ぎで部屋に取りこんだのでした。