最高気温20度。
春霞の空の下、あたたかな風が、ほころびはじめたサクラの蕾をやさしく揺らしています。
川は、風のとおり道。
そんな風の谷で暮らし仕事もする僕は、いつも風の向きや強さが気になります。
・甘く薫る春の風・夏のあつーい南風・秋の透きとおった風・切っ先するどい冬の木枯らし
川は、一年を通して実にさまざまな風が吹くのです(ひとつとして同じ風はない)。
もちろんこれは、個人的な風の感じかたですが。
そして時々僕は、旅の途上の四万十で「風の声をきく季節」を過ごしているのだなぁ、と思う。
(そんな柄でもないか・・・。たいていは、ただぼおっと風に吹かれているだけです)
「四万十川をカヌーで下るのは、いつ頃がイチバンいいですか?」と聞かれることがあります。
そんなとき僕は、「うーん?それぞれの季節に、それぞれの良さがありますから・・例えば夏は・・」
などと話すことが多いのですが、
「四万十川で気持ちイイ風を楽しめるのはいつ頃ですか?」と聞かれれば、
「春から初夏です。野花や木の花がかおる甘い風は、ヒルネにも心地イイし。それに・・・」と答えるのでした。
「本当の旅の発見は、新しい風景を見ることではなく、新しい目を持つことである」 M・プルースト
風が心地よい季節に、四万十川で新しい視点をみつけませんか。
ユキヤナギ 今年は、少し開くが遅かった。
萌黄色のヤナギは、この時期限定なのです。