1年前に書いたRiver&Sky(ツイート2023)再掲です
おはようございます。四万十は、快晴。
さわやかな川風がわたる沈下橋の上で大きく深呼吸。ふぅ~。
そして、ぼおっと川景色をながめて、
ここは、空、空気、川(まだ笹濁ってるけど)がキレイなところだなぁ、とあらためて思う。
「大切なものはニキにある」。*ニキ:近く。側に。
今日の最低気温は、22、9度。
最高気温37、3度(9月の観測史上最高)。午後は、晴れいっとき曇り。
今日の太陽も、やる気まんまん。ふぅ、あ・つ・い・・・。
蒸し暑さに、体が汗ばみ、頭がぼおっとしてくると、ザブザブと頭から水をかぶって、ふぅ、すっきり。
外は、そよ風が吹いて、木々の梢を小さく揺らしている。
庭におりた僕は、冷えたビール片手に、木陰のハンモックに寝転がり、本を開く。
熱がこもって、サウナと化した部屋にいるよりはマシだろう、と。
「カヌーで行く時は、他の乗り物と異なり、目に入るすべての風景は自分の腕で稼いだものだから、
それだけ感銘も深い。この山の向こうにどんな世界があるのか、とカーブを曲がる時は胸がときめく」
「江川崎を過ぎると、四万十川はおだやかになり、大河の風貌を帯びる。
しかし、流れは早く、深い流れにのって滑るように下っていくのは気持良かった。
山また山が折り重なり、そのすそを縫って川は流れた。人間の音が全くない。耳に入るのは山の音だけである。
今日は一日、漕がず、フネの中であぐらをかいて流されるままに下った。
黒尊川の流れこみで上陸。早々にテントを張る」
『川にかかった橋を渡って対岸の部落の小さな食堂に入った。
「アイスクリン50円」と張紙のある戸を開けて入ると、一人の酔漢が抱きついて来た。
良く来た、と僕の手をしっかり握る。酔っぱらうとやたらと人恋しくなる人らしい。
いっかな手を離さないので、片手でウドンを食っていると、奥さんが迎えに来た。
酒が入るととても楽しくなる人で、それはいいのだが、この間は部落の葬式で失敗した。
初めはシンミリ飲んでいたのだが、酒が回るにつれて幸福になり、つい酔った時の口癖がでた。
彼はいったのである。「今日は実にユカイである。こんなに楽しいことはない」
おまけに「ヨサコイ、ヨサコイ」と踊ってしまった。「ヨサコイ」とは今夜飲みに来い、という意味だ』。
「四万十川の美しさは日本随一であろう。
水質、魚の多さ、川をとりまく自然、川から見た眺めの美しさ、いずれも日本の川では最高だ。
日本人が汚し始める前の自然が、川がどんなものであったか知りたければ、四万十川を見に来るといい。
部落の人はいう。「山や川が好きな人にゃここは天国じゃ」
しかし、天国には若者は住めないのだろう。
彼等をより強く惹きつけるのは美しい自然より、ゴミゴミした都会の汚濁の巷だ」
「日本の川を旅する」四万十川編より 野田知佑著 1985年発行
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます