アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

北風と太陽の川を

2024-11-10 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「北風と太陽の川を」2022年秋のツアーレポート再掲です

11月5日(土)最高気温20、3度(最低気温7、3度)。

 北風が吹きはじめた秋晴れの川を、カヤックでくだりました(R1A:1日コース)。

今秋の四万十川は、雨量がすくない。

水量がすくない川は、川原がグンと広くなり、流れがとても痩せています。

瀬は入り口が、きゅっと狭くあさくなり、

コースをよくえらばないと、喫水があさいカヤックでもすぐに座礁してしまうほど。

 

 「通常の江川崎からくだるAコースでは、初っ端の瀬で(西土佐大橋下流、右側)、

カヤックは間違いなく座礁してしまうだろう(迂回ルートでも)。

水温も低いし、北風も吹きそうだし、うーむ・・・」。

というわけで、コースを変更し、(江川崎4キロ下流地点の)網代から口屋内までをくだるコトに(約11キロ)。

天候や川の状況などにあわせて、臨機応変に対応できるのが、

アークツアー(プラーベートツアー)のよいところ。思いっきり手前ミソですが。

 深秋の淡い日光に、岸辺のエノキの黄葉が、黄金色にかがやいています。

ヤナギタデが、赤みをおびはじめた川原で、白銀のオギの穂が、風に小さくゆれるのを見てガイドは思う。

このまま、北風がおとなしくしてくれれば、良いのだけど、と(昨日の川は、強い北風が吹いた)。

南国の川も、木枯らしの季節がちかづいてきたのです。

 

 長いトロ場の岸辺で、(かんたんな講習後)カヤックに乗りこみ、少し慣らしたあと、下流へ。

水位が低く、流れがとても遅くなった川は、トロ場では、パドルをしっかり漕がないとくだってゆけません。

手をのばしてふれる水は、ヒンヤリ冷たい。川面の水温は、17度(真夏は、30度)。

 

 水温が低くなった川は —微生物の活動もよわくなって—

水の透明度がよく、5メーターほどの川底までよく見えます。

透明度がよい川は、大小さまざまな魚のすがたが見えてなかなか楽しい。

キチヌ、エバ、ニサダイなどの海水魚たちも、そろそろ川をくだりはじめているコトでしょう。

パシャパシャ!丸く円をかくように、水面をはねるアユ。

頭上を、目のまえを、オシドリ、ミサゴ、ウなど、夏の間は見なかった鳥たちが飛んでいきます。

 

 山の影を、沈下橋の影をのばした秋の太陽に、水面がキラキラかがやいています。

「うーん、きれいだねぇ、いいねぇ・・・」一同声をあげました。

 

 近くを漕ぐゲストと、川の自然、旅、四方山バナシに花を咲かせながら、秋の川をのんびりとゆく。

(同世代の気やすさに、チョーシにのったアーク佐野が、ゲストの二人に

くだらないギャグとつまらない物語をたくさん聞かせてまいました。謹んでお詫び申し上げます)。

 日暮れがはやい季節のカヌーツーリングをたのしむコツは、

日陰に追いつかれないように、時間&コースを調整するコト。

陽が山に沈むのがはやくなった深秋の川は、(夏のころにくらべ)川原が日陰になるのもはやい。

日陰になった川原は、気温がグングンとさがり、ひやいし川景色も暗い(場所にもよりますが)。

昼前に、僕らがくぐりぬけたときは、さんさんと陽があたっていた沈下橋も、昼過ぎにはもう日陰に。

朝の太陽に、アウターをぬがされた僕たちも、

昼前から吹きはじめた北風と日陰に、アウターをきせられたのでした。

 陽のあたる川原に上陸し、北風に吹かれながらゴハンを食べ、コーヒーを飲み、ふたたび川へ。

午後の陽にキラメク流れのゆるい川を、北風に背中をおされながらくだれば、

ゴール地点が見える長いトロ場で、トツゼン風向きがかわり、キツイ向い風に。おおっ、最後に試練が・・・。

もくもくと、ひたすらパドルを漕いで、無事ゴール。ふぅ~。

二人のゲストのやわらかな笑顔は、深秋の陽ざしに淡くかがやいてました。

本日の漕行、約11キロ。

 沈(転覆)してしまったKさん。 「四万十川の水を飲んだものは、四万十川へ帰る」です。

またお二人で、四万十に遊びに来てくださいね。

あ、そうそう、流してしまったか? と思われたペットボトル。 カヤックの中から出てきましたよ。

*画像CDは、7日発送(郵送)します。お楽しみに~。