アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

たのしい水べから

2024-12-11 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2010年冬に投稿した「たのしい水べから」再掲です。

 水辺をめぐる素敵な本を、図書館で見つけました。

「水辺にて」 on the water / off the water  梨木香歩著

旅先の水のフィールドで、ファルトボート(折り畳みカヤック)を漕ぐ著者が、

水辺の自然や思索をつづった、センス・オブ・ワンダーにみちた21篇のエッセイ。

冬は活動休止中の、「引きこもり、野外遊び人」にも、おすすめの一冊です。

 

  北太平洋の様々な海域を回遊しつつ、鯨は発信ばかりではなく、

私の思いも及ばないような「受信」「返信」を楽しんでいるのかもしれない。

例えば、もっと深海から。例えば宇宙から。そして自身の内なる世界から。

バラエティ溢れる地形からのエコーだけでも味わい深いものかも知れない。

あるいは宇宙ゴミ・デブリから漏れ出る何かの信号のように、

私たちが気づかないだけで世界に無数に充満する信号を紡ぎ合わせながら、壮大な歌を歌っているのかも知れない。

 

 宇宙のあらゆる場所で、人を含むあらゆる生物(もしくは鉱物、浮遊物とかも)が、

それぞれの孤独を抱え、確実な受信もの当てもなく、発信を続けている。

そして何もそれは、悲壮感漂うことではない。そう考えると、さぁっと風が通ってゆくようだ。

 

 北極圏で何ヶ月も孤独な生活を営むことが日常的だった、

あの写真家から受ける印象も、本来そういうものではなかったか。

明るく、豊饒な孤独。今は、この考えの方向性を気に入っている。

豊かな孤独。そちらの方から、少し明るい、軽やかな空気が流れてくるような気がして。

メランコリーは私をろくな場所に導かない。この藪を抜けて、舳先を、明るい方へ向けよう。

「発信、受信、この藪をぬけて」より。

 

例えば、ケネス・グレーアム著『たのしい川べ』の一部を引用したこんな文章。

  『・・・・そして、次の瞬間、モグラは、自分がちゃんと、

本物のボートのともに座っているのに気がついて、びっくりしたり、喜んだりしたのでした。

―略― 

「君、知っている?ぼく、今まで一度もボートに乗ったことがなかったんだ。」

「なんだって?」と、ネズミは、口をぽかんとあけて、叫びました。

「今まで一度も -君は今まで -ふうん、-じゃ、いったい、君は、今までずっとなにをしてきたの?」』

 

 ちょっと緊張気味だったKさんの表情が、川風に吹かれて、

また後ろで操船して下さるSさんのおかげで、だんだん変化してくるのが楽しい。

私もすっかり幸せな気分。

 

 『「ボートって、そんなにいいものかい?」モグラは、少し恥ずかしそうに、ききました。

けれども、そんなことは、きくまでもなく ―略― ゆるやかにボートにゆられていれば、すぐわかることです。

「いいものかって?君、ボートのほかに、いいものなんて、ありはしないよ。」

ネズミは、体をぐっと前へかがめ、櫂を使いながら、まじめな顔で言いました。

―略―

「ねぇ、君、ほんとに、けさ何もすることがないんなら、

いっしょに川を下って、一日ゆっくり、あそんでいかないか?」

(それを聞いて)モグラは、ただもう嬉しくって、

足の指をもじもじ動かしたり、満足のため息で胸をふくらませたりしながら、

いかにもしあわせそうに、やわらかいクッションにぐったりもたれかかっていました。

「なんてすばらしい日なんだ。・・・」』

 

 川の両岸は、すっかり秋景色。イタヤカエデは透き通るようなレモンイエロー。

木々の間で目立つのは、エゾヤマザクラの少し黄味の勝った明るい朱色。

燃えるような真紅はハウチワカエデ、ヤマブドウ。

岸辺には丈高いヤナギの仲間が、ほっそり群れて立つ。

風は葉の一枚一枚をそよがせながら、日の光を煌かして吹き渡る。

乾燥した空気の移動が、風としてそこそこに感じられ、-ああ、なんて気持ちいいんだろう。と思わず呟く。

―略― このパドルは、「羽のように軽い」とBカヌーセンターのK氏に勧められたもの。

この日、使うのが初めてで、それもワクワクすることの一つだったのだが、本当に羽根のよう。

申し分のない一日!

「川の匂い、森の音 1」 より

 

 『たのしい川べ』。ボートをカヌーに置き換えれば、まるで自分たちのモノガタリみたいだなぁ。

冬は引きこもり中の、カヌー親父の遊びゴコロをくすぐる、ネズミ君とモグラ君のやりとりです。

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12月12日(月)のつぶやき(リブログ)

2024-12-11 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2年前に書いたRiver&Sky(ツイート2022)再掲です

おはようございます。四万十は、快晴。

早く来すぎたか・・・。

川原の大きな山影がじわじわ小さくなる様子にじれながら、沈下橋の上でひやい風にフルエル。

日の出がずいぶん遅くなったなぁ。もうすぐ冬至だなぁ、と思いつつ。

そして、川面を陽が照らす、ともう8時、わおっ・・・。

陽のある時間を大切にしたい冬です。

今日の最低気温は、2、5度。

はらへった。朝メシが遠い朝・・・。


遅い朝メシを食卓に用意完了すると、庭が鳥の声で少しニギヤカに。

ん?おおっ、アオゲラ、コゲラがやってきてるではないですか。

双眼鏡を手にとり、しばし、バードウオッチング。

うーん、朝ゴハンがさらに遅くなった。味噌汁が冷めた・・・。でも、ラッキー!!


 最高気温6、6度(江川崎)。15、0度(中村)。晴れ。

ポカポカ陽ざしの風裏で、日なたぼっこにうつつをぬかす午後です。

12月14日(水)の夜、ふたご座流星群がピークをむかえるのですね。

前後数日もそこそこ流れるそうです。

 

四万十川の川原は、人家や外灯などの明かりの影響が少なく、

夜がしっかりと暗く、夜空にはたくさんの星が輝きます。星を見るにもよいところ、です。

焚き火にあたり、お酒でも飲みながら、流れ星をのんびりながめてみては?あたたかな服装で。

ごろごろ石の川原では、コットを使うとカイテキですよ。

 

「あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。

14日、ちんかばしのかわらでほしみしますから、

おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい」。さのねこ 拝

 

以下、いつかの初冬の日に書いた雑文です。

 

時には星の下で眠る。

昨夜は、21時過ぎ~23時の間に、計26個の流れ星を見ることができた。

初冬の夜の庭で、コットの上に広げた寝袋にくるまり、

時折、うつらうつらとフネを漕ぎながら、流星群がピークをむかえる夜空をながめた。

夜深くなるにつれ、寝袋をとおして、冷気がしんしんとカラダに染みこんでくれば、

ぶるっとカラダがふるえ、夢うつつのまどろみからから、凍みるような冬の夜に引きもどされた。

おーさむい・・・。ウイスキーをのみ体をぬくめ、イヤフォンでスティーヴィー・ワンダーの曲を聴く。

♪イフ・イッツ・マジック

もしもこれが魔法なら・・・ なぜ永遠に続かないのだろう

いつも輝く太陽のように 詩人の尽きない詩のように 銀河のように

それは宇宙全体の 心の鍵を握る それは食べなくても君を満たし のどの渇きをいやす♪

降るような星空の下で、ウイスキーとスティーヴィーの歌声に酔う。

それは、初冬の夜の「グット・タイムス」。

 

大きく明るい星が、夜空の低いところをゆっくり流れてゆく。

小さく明るい星が、夜空の天上をかすめるようにスバヤクながれて消えた。

 

深夜、背中からジンジンとしみてくる冷気で、寒さに眠れない夢からさめた。

さむっ、まだ夜か・・・。もう一杯ひっかけて、あたたかな部屋にもどる、と酔いが一気に花開いた。

ふらふらとチドリ足になった僕は、足がもつれ、

ゴツン!!机の角に頭をしたたかにぶつければ、そこでもまた星が見えた。見たくもない星を。

 

冬キャンプも流行っている昨今。寒い野外だと、お酒を飲む量がついつい増えてしまいがちです。

ぬくいテントに戻り、思わぬ泥酔にドジ踏んで、つまらぬ星を見ないように、皆さんもご注意を。

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旅雑文&レターフロムSは 

2024-12-10 | ・最新のお知らせ・イベントなど

   

アーク佐野は、気がむいた時に、レター&旅雑文を書きなおしています。ぼちぼちと。

書き直したものは、カテゴリー「最新のお知らせ」にて冒頭の一部をご覧になれます。

全文は、カテゴリー「レター&旅雑文でご覧になることができます。

 

*期間限定で全文を公開しているレター&旅雑文もあります。

*「レター&旅雑文」は・書き直す・主観的な文章、といった理由で、

誰でも読めるようにはしていません。あしからず

*River&Sky2012~2019の一部は、パスワード公開です。

それでもイイよ、読んでみたいぞ、という方は、メールにてご連絡を。

対象:基本的に、これまでにツアーに参加された方。アーク佐野、友人、知人など。

 

旅雑文

・熱風大陸で冷たい水を・雨のステイション・サンキューブラザー

・イマジンとホットドッグと・大風の荒野でウンがついたハナシ

・秋雨の旅の空から・旅立ちの春に・カレーな晩夏・こんがりサマー・かゆいディズ(かぶれちまった悲しみに)

・焚き火とさびた観覧車・雨音のテントとウイスキー・ひだまりのヘビとハードロック

・ブルーにこんがらがって・夜のフェリー・われ走りおえてカニとたわむる

・ココロも温める音・友がみな我よりえらく見える日は

・9月11日に考えたコト・川の上からながめる空・グランテトラにワインを詰めて

・青春18カヌー・アノラックパーカーとさくら雨・ごろごろわん・冬至の陽と物語 など

レターフロムS

レターフロムS 2020春 ヒマんとがわ雑記 1・レターフロムS1

・レターフロムS 夏空日記1・レターフロムS 夏空日記2

・レターフロムS 番外 仁淀川 純情? 前編&後編 ・レターフロムS 2012 ヒカリの春の川へ

・レターフロムS 2018 夏ゆく川で ・レターフロムS5  秋の黒尊川をカヤックで下る

・レターフロムS9 「真冬の瀬に突入せよ」の巻・レターフロムS11 春の海脱線バナシに花が咲き など

River&Sky

・River&Sky2012~2021 パスワード公開です

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12月11日(月)のつぶやき(リブログ)

2024-12-09 | ・最新のお知らせ・イベントなど

1年前に書いたRiver&Sky(ツイート2023)再掲です

  おはようございます。四万十は、曇りときどき小雨。

陽がなく肌寒い朝です。ぷるぷる。

朝の川は、チラリと太陽が顔を見せましたが、これから天気は、夜にむかって下り坂とのこと。

今宵は、ひさしぶりのまとまった雨が期待できそうです。

ラジオを消して、小さな雨音と鳥の声を聞く朝。川のほとりの師走は、静かです。

今日の最低気温は、8、9度。

 

 最高気温15、4度。午後は、雨。シトシト時々ザァザァと降ってます。

12月の雨に閉じ込められた日は、コタツ虫と化して、本を読んだり、メールを書いたり。

「そうはいいつつ、中年からの旅もまたいい。

若い時に旅ができなかったら、年老いた時に語るものがないのだとしたら、

中年で旅をしなかったなら、ほとんど老後、語るものはまったくなくなってしまうのである。

旅にでよう。若ければ、いや、若くなくても、旅にでよう」 オールウェイズⅢ 開高健

Cさんへ。

「おひさしぶりです。お元気ですか。

Cさんが愛する○○島には、相変わらず通ってますか。

こちら南国の朝の川に吹く風も、めっきり冷たくなり、本格的な冬がすぐそこまできているのだ、と感じます。

レモンイエローの葉を落としはじめた岸べのエノキ。樹木たちも、モクモクと冬支度を整えています。

僕は、越冬の準備をしなければ・・・と思いつつもグズグズと初冬の四万十で沈没しちゃってます。

 

冬のフィールドは寒い。

でも、冬の海、山、川の景色、空の色、寒空の星、冬の陽のぬくもりや風、水の肌触り、匂いなど、

冬にしか見られないもの、感じられないもの、がありますよね。

葉を落とした冬枯れの森は、バードウオッチング、冬芽観察に最適ですし。

冬の○○島は、どんな感じなのでしょう?一度訪ねてみたいです(夏はありますが)。

これからズンズンと寒くなっていきます。どうぞお体を大切に、楽しい冬をお過ごしください。

そして、いつかまた、四万十に遊びに来てくださいね。遠いところですが」

さのねこ拝

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ウナギとワカサギが激減した宍道湖

2024-12-08 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2021年12月10日に投稿した記事を再掲です。

 ウナギとワカサギが激減した宍道湖  ナショナルジオグラフィック

「ネオニコチノイド系殺虫剤は現在、世界の農業分野で最も多く使用されている殺虫剤である。

ということは宍道湖で突如としてウナギが捕れなくなったようなことが、

世界のどこかでこれから起こるかもしれない。あるいは読者の身近な水辺で、

既に起こっているのかもしれない。それに気付けるのは誰だろうか?

 

日本では水田に大量の農薬がまかれるが、

そこから繋がっている川や海の状態は、漁師や釣り人くらいしか見ていない一方で漁師や釣り人は、

「最近〇〇が捕れない」「〇〇年前にはもっと〇〇がいたのに……」

と現場の変化には気づいていても、かつて魚毒性の強い農薬によって魚が瞬時に浮いたような激変でもない限り、

その原因が農薬だと判断できない」。ナショナルジオグラフィックの記事より抜粋

 

もちろん、四万十川にも農薬や生活排水は流れこんでいます。

水質が比較的まだ良いという理由の一つは、流域の人口が少なく汚水の量が少ないから、です。

川を、ただカヌーで下るだけでは、環境問題まで、なかなか目が向きませんが。

 

書籍『東大教授が世界に示した衝撃のエビデンス 魚はなぜ減った? 見えない真犯人を追う』から紹介

第1回 ↓

ウナギとワカサギが激減した宍道湖

1980年代から宍道湖で研究をしていた著者は、93年にウナギの漁獲が激減するなど夢想だにしていなかった。(書籍『東大教授が世界に示した衝撃の...

 

 

第2回

EUでは屋外の使用禁止も、ネオニコチノイド系殺虫剤とは

魚たちが直面している危機の原因が殺虫剤であるとわかれば、人類は魚を減らさない殺虫剤を創り出せるだろう。そこで、ネオニコチノイド系殺虫剤につい...

 

 

第3回

ネオニコチノイド系殺虫剤を使い始めた1993年に起きたこと

魚毒性がない殺虫剤を使い始めた年に、なぜ魚が減ったのか。山室真澄氏は魚のエサに注目し、検証してゆく。(書籍『東大教授が世界に示した衝撃のエビ...

 

 

 

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旅空のImagine 

2024-12-08 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「旅空のImagine」2020年に書いた旅雑文です。期間限定公開終了。

今日は、ジョン・レノンの命日ですね。40回目の。

この日なると(イマジンを聴くと)、僕はNYのホットドック屋台のおっちゃんを思い出す。

旅の小さなエピソードとともに。

 

 ある年の初夏、NYの郊外に滞在していた。昼食は、屋台のホットドッグをよく食べていた。

炭酸ジュースも一緒に買い、ベンチに座ってかぶりつく。

ホットドッグは、安く手っ取り早く腹を満たせるのが良いし、

食べていると、ああっ、今アメリカにいるのだなぁ・・・と感じるコトもできた。

 

 その日は、セントラルパークをぶらぶら歩き、

有名なImagineの記念碑などを見学したあと、はじめて寄った屋台でホットドッグとペプシを買った。

手際よくソーセージを挟みながら(ヒスパニック系の)おっちゃんが、「お前ジャパニーズか?」と聞いた。

「うん、そうだ」と答えた。

出来上がったホットドッグを受け取り・・・

期間限定公開終了。続きはカテゴリー「レター&旅雑文」でご覧になれます。

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初冬ブルーの空と川

2024-12-07 | ・最新のお知らせ・イベントなど

 2016年 初冬に書いた「初冬ブルーの空と川」再掲です

 最高気温17、7度。

 「突きぬける青空と透きとおる水。冬の四万十川を深く感じたければ、

カヌーで下るのがベストさ。風と水はきっぱりと冷たいけれどね」

初冬ブルーの空の下、小春日和の四万十川をカヤックで下りました。

 12月3日。スタート地点の朝の空は、霧に白く閉ざされていました。

キリッと冷えた師走の空気。(カヤック乗艇時に)足に触れる水が、ピリッと肌を刺す。

冬の水の上に滑りだした僕らは、まずはとろ場を上へ下へ漕いでカラダを慣らし温めました。

 

 今日の最低気温は、3、7度。川面の水温は、12度。

四万十川の水量は、やや少なめ(平水時より)。

*とろ場:水の流れがゆるやかなところ

 

 少し漕いだあと僕は、

「ちょっと短めのウォーミングアップですが、そろそろ下りましょう。距離も長いし。もうすぐ霧も晴れますよ」

と、隣を漕いでいるゲストのOさんに声をかけました。小さくうなずいたOさん。

*今夏のツアーにも参加しているOさん。その時は曇り空、川の透明度もよくなかった。

今日の空は晴れる、ということは(天気予報はもちろん)、

バスでゴール地点からスタート地点に移動した僕にはわかっていました。

ゴール地点の空はもう霧が晴れてきて、朝の空は下流から少しずつ明るくなってきていたから。

 

 下りはじめた初冬の川は、透明度が高く4メーターほどの川底が見えます。

冷たくなった水の中に見えるのは、鯉ばかり、

その他の魚たちは、大きな岩の下や淵に集まってじっとしているのでしょう。

 

 カヤックは初冬のひやい水の瀬に突入。*ひやい:冷たい

ザブンザブン!デッキをスカートをあらう水「うひゃひゃ、水つめてー!でも気持ちE!!」。

心地よいスリル。瀬を下りながらオジサンたちは、童心に帰ってゆきました。

 3キロほど下ったところで、空が晴れてきて陽が川を照らしはじめました。

すると、それまでの暗くヒンヤリとした川の表情は一変、明るくあたたかな川に。

ポカポカ陽ざしに包まれた僕らは「ははーっ、太陽さんはエライ!」と太陽の偉大さに頭をたれる。

(ついこの間までは暑すぎる太陽にブウブウ言ってたのに・・・ゲンキンなものですね)

 

 あたたかい季節よりも青さを増した初冬ブルーの空と川。

色づいた岸べの落葉樹の葉は今が見ごろ。その中でもエノキの黄葉がひときわ目に鮮やかです。

風がない水面は鏡のよう。カヤックは、水面の空、山、照葉をさいて下ってゆきます。

 岩間沈下橋でランチタイム。

風がない昼どきの川原は陽ざしがポカポカ、薄着になってゆったりとくつろぎました。

今日の最高気温17、7度。

 太陽とビーフシチュー(サービスさ)にぬくもる。

 午後のコースは(午前のコースに比べ)瀬が少なく、長いとろ場が増えます。

長いとろ場で、強い北よりの風(冬によく吹く)に吹かれると操船がやっかいだけど、

今日の川は午後も風が吹かず、のっぺりとした水面で僕らを遊ばせてくれました。サンキュー。

 

 おしゃべりをしながら僕らは、小春日和の川をのんびりと下って口屋内沈下橋でゴール(漕行15キロ)。

そして、ダンディなOさんは、沈下橋の上でうまそうにパイプをくゆらせました。

(風がないので外でも吸えるとのこと、今日はパイプにもよい日だったんですね)

初冬ブルーの空の下、パイプの煙(香り)と無垢な笑顔も心に残るワン&オンリーなツアーでした。

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12月7日(木)のつぶやき(リブログ)

2024-12-07 | ・最新のお知らせ・イベントなど

1年前に書いたRiver&Sky(ツイート2023)再掲です

 おはようございます。四万十は、晴れ。

おだやかに晴れてぬくい朝です、と書いていたら、

ザワザワと強い風が、庭の木々を大きく揺さぶりはじめました。

今日は、風曜日?

冬の川の楽しみのひとつは、ビュウビュウと吹きぬける冷たい北風に吹かれるコト。

沈下橋で足を踏んばって、何も考えずに、ココロゆくまで。あなたもいかが?

今日の最低気温は、7、1度。

 

 最高気温15、8度。晴れ。風さわがしい午後です。

昼前、近所をブラブラ歩いていると、自宅からでてきた顔見知りのおんちゃんとばったり会いました。

おんちゃんは、「おお、まだこっち(四万十に)おったか、ちょっと待っててや」と言ったあと、

家にもどり、今度は、ふくらんだ透明のビニール袋を片手にでてきました。

「これ、食うたや!」

ん?受けとると、ビニール袋のなかには、氷と小振りのアユ(15センチほど)がこじゃんと入っています。

「今年は豊漁やけん、こまいけど。とってもとってもおるけん。皆にわけてるんよ。メスは卵をもっちゅうぜ」

「ありがとうございます」。僕は、あいまいな笑みを浮かべて受け取りました。

少し困惑したのは、うれしいけど、一人で食べるには多すぎると思ったから。

夕方、いただいたアユを料理するコトに。

・塩焼き(炭火を用意して焼くのは、手間がかかるなぁ) 

・塩煮(うーん、ツマミにはどうかなぁ。食べたことがないけど)

・唐揚げ(小ぶりのアユは、頭からがぶりといけるし。地元産のユズもあるし)

あまり迷わずに、唐揚げに決定。ネットで料理の仕方を確認してから調理開始(便利な世の中ですね)。

30分後。出来上がったのは、

「四万十川の落ちアユの唐揚げ。黒尊産のユズをそえて」

 

うーん、なかなか美味そうですが・・・。♪だけども モンダイは 今日の酒 ビールがない♪

めんどくさがって、町まで買い出しに行くのを先延ばしにしてたツケが回ってきたか・・・。哀号。

(ビールは、町までいかないと手に入らない。車で所要25分ほど)。

しょーがない、飲み物は、(まだ残っている)安い白ワインの炭酸割りでいきますか。

自然豊かな川の肴と貧弱でチープな酒、

なんとも、「画竜点睛を欠く」今宵のハッピーアワーなのでした。いやはや。

さて、お味は?


海に近い河口付近で生まれたアユは、一度海に出て稚魚となり、

やがて春になると川の上流へ向かって上りながら成長します。

そして、風が冷たくなり秋を迎えるころになると、産卵するために再び海を目指して川を下り河口付近で産卵します。

落ち鮎とは、秋の産卵期に川を下ってきた鮎のことをさします。

腹に卵をもち、体色は変化し鉄サビのような色になることから「さび鮎」とも呼ばれます。

繁殖期である為あまりエサをとらず、メスはそのうえ卵に養分を奪われ、オスメス共に痩せています。

しかし、落ち鮎は身の締まりや甘みに成熟したうまみが加わり、夏に旬を迎えた鮎とはまた違った魅力があります。


 

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12月7日(水)のつぶやき(リブログ)

2024-12-07 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2年前に書いたRiver&Sky(ツイート2022)再掲です

 おはようございます。四万十は、晴れ。

起きぬけにカーテンを開ける、とまぶしい朝日が、

部屋の奥までとどいて、花瓶のサザンカの赤を淡くかがかせます。傾いたなぁ、太陽も冬か。

沈下橋へ。人の影も長くなった橋の上で、ポーズをつくるのもオモシロイ。

影遊びも楽しい冬です。今日の最低気温は、2、0度。

 

 最高気温14、1度。午後も晴れ。

今日から大雪(たいせつ:二十四節気)なんですね。わおっ、はやいなぁ・・・。

昼どきの四万十は、やわらかな陽ざしがたっぷりであたたかい。

ベランダの陽だまりにコットを広げ、本を読みつつ大雪の太陽としたしむ。ぬくぬく。

いわゆるひとつの少確幸ってやつです。干しているフトンも気持ちよさそうです。

そして、太陽にじこじこ服を脱がされた僕は、最終的に短パンいっちょうでゴロゴロです。にゃーん。

 

「結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。

そして最後に意味を持つのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがえのないその時間である」

長い旅の途上:星野道夫

 

本を閉じ、目を閉じて思う。

今シーズンも、望むような結果にならなかったけど、手をぬくことなく

(自分なりに)ベストを尽くしたかけがえのない時間(ツアー)は、ゲストの笑顔とよろこびの感想は、

長い旅の凍える夜に、ココロをぬくめる薪火になってくれるはずだ、と。

画像は、1月撮影。

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南の川から(気まぐれダイアリー)12月6日

2024-12-06 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024&2025

  おはようございます。

四万十は晴れてますが、ゆるゆると薄雲流れる空からとどく陽ざしは少なめです。

もっと光りを!!とはいえ、初冬の朝にしてはあまり寒くありません(今日の最低気温は、5、0度)。

ゴミ出しをしたあと大橋へ(燃えるゴミ用の袋1枚60円)。

眼下の川には、落ちアユ漁の仕掛けが見えるけど、今朝はもう、人のスガタは見えません。

今年は不漁だしなぁ。でも、水際では、シラサギが、

空中では、トンビやミサゴといった空飛ぶ漁師たちがアユを狙ってます。ピーヒョロロ!

 

  最高気温15、4度。午後は、晴れときどき曇り。

昼どきの川は、ピュウピュウ北風が初冬の空を吹きわたっています。

自転車にのった僕は、風まかせ。

背中に風をうけ、落ち葉と追いかけっこをしながら、川沿いの道をスイスイと走ってゆく。うっひょー。

レモンイエローにかがやく岸べのエノキの葉。風にのり気持ちよさげに空をすべるトンビ。

 

景色のよい風裏の川原におりて、寝ころがって、ポケっと空と川をながめる。

コーヒーをつくり、飲み、リンゴをかじる。思い出すのはこんな言葉。

「明日、世界が滅びようとしても、今日、君はリンゴの木を植える」 

 

♪いきはよいよい かえりはこわい♪ 

帰り道は、キツイ向い風、おもわず汗だくに。ひーっ。

家にもどると、ベランダの手すりに干しておいた洗濯物が、

あらかた庭に吹き飛んでました。靴下片方行方不明・・・。いやん。

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12月3日(土)のつぶやき(リブログ)

2024-12-03 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2年前に書いたRiver&Sky(ツイート2022)再掲です

おはようございます。四万十は、晴れ。

おーひやい・・・。今朝は、今季イチバンの冷えこみ。

太陽のありがたさをひしひしと感じます。

ヒコーキ雲が長くのびる空。どうやら天気は下り坂に。

我がボロ家はスキマ風も寒い。ひさしぶりに家の中にテントを張ろうかな?

今日の最低気温は、0、1度(今季最低)。

画像は、2016年12月撮影

 

 最高気温11、7度。曇り空の肌寒い午後です。

師走の月が少しずつまあるくなって、12月8日は、今年最後の満月です。

流域の人口が少ない四万十川。その川原は、人家や外灯などの明かりの影響が少なく、

夜がしっかりと暗く、月本来の明るさを体感できます。

月や星を見るにもよい川原で、焚き火にあたり、

お酒でも飲みながら、コールド・ムーンをのんびりながめてみては?

ごろごろ石の川原では、コットを使うとカイテキですよ。

 

「あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。

8日、ちんかばしのかわらでおつきみしますから、

おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい」。さのねこ 拝

 

♪きれいな月だよ出ておいでよ 今夜も二人で歩かないか♪

よい月が見える夜に、家にいるのは、すこしもったいないような気分になります。

そして時に月は、その魔法で僕らを別世界につれていってくれます。

 

四万十川で。

月夜の川にカヌーをすべらせ、ムーンライトながれる水面にこぎだす。

月光に、蒼白く照らされた川原、シルエットになった低い山々。

聞こえてくるのは、鳥と獣の声、風と瀬の歌、パドルの音。なんて魅惑的な、ムーンライト・カヌー。

月の岸辺にあがり、シングルモルトウイスキーをいっぱいやれば、思わず月に吠えたくなる。

 

熱風大陸で。

月夜のアウトバックでバイクにまたがり、ムーンライトつくる月大陸を走る。

月光に、白々とだまりこむ土獏。シルエットになった灌木。

聞こえてくるのは、愛車の鼓動、風をきる音。なんて幻想的な、ムーンライト・ライド。

月の丘にのぼり、ビールをいっぱいやれば、思わず笑うオトコに吠えたくなる。

*豪州では、月の模様は「笑う男」と呼ばれている。

 

冬のスキー場で(冬山にこもっている時)。

月夜の山にスキーをすべらせ、ムーンライトてらす(クローズされた)ゲレンデをくだる。

月光に、ほの白くひかる雪面。シルエットになった森と山々。

聞こえてくるのは、スキーのすべる音、風をきる音。なんて夢幻的な、ムーンライト・スキー。

月の急斜にすわり、ワインをいっぱいやれば、思わず月に吠えたくなる。

 

ムーンライト・マジック。

しばし憂き世をわすれて、別世界にうたかたの旅をするのも、またオツなものですね。

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12月2日(金)のつぶやき(リブログ)

2024-12-02 | ・最新のお知らせ・イベントなど

2年前に書いたRiver&Sky(ツイート2022)再掲です

 おはようございます。四万十は、晴れ。

朝の川をゴウゴウと吹きぬける冷たい北風は、

水面にウサギを飛ばし、沈下橋から僕を吹き落とそうとします。

おーひやい。でも、気持イイ!

コーヒー片手にぼけっと風に吹かれて、さぁ、フレッシュな気分で今日をはじめよう。

今日の最低気温は、5、9度(今季最低)。

 

  最高気温12、5度。午後は、晴れいっとき曇り。

冬の朝のシアワセのひとつは、あたたかい味噌汁です。 

今朝、味噌汁をつくると味噌のパックが空に。

たしか、買い置きが食料棚にあったはずだ、と棚をのぞくが、味噌はない・・・。あらら。

ワインもきれそうだし、しゃーないお町までいくか、と背中にザックを背負ってチャリに跨りました。

買うものは、味噌、ワイン、酒のつまみなど。少ない品数に、メモもとらずにGO!

 

往復約30キロ。

強い追い風の味方をえた自転車は、スイスイと快適なスピードで走ってゆきます。

ゆるい勾配の川沿いの細道をのぼりくだり、橋をわたり、田畑をぬけて、町のなかへ。

 

スーパーに入り、ワイン、つまみ類をカゴにいれて肉のコーナーいくと、

おおっ、牛もも肉の塊りがお買い得ではありませんか。

ひさしぶりに、スキレットでローストビーフをつくるのもイイなぁ、さてレシピは、どうだったっけ?

と頭のなかは、口のなかは、牛さんへの肉欲でいっぱいに。

赤ワインも買うし。よし、今夜はおまえでキマリだ。ローストビーフ。

LODGEレシピ集 - LODGE(ロッジ)|公式ブランドサイト

 

ずっしりと重くなったザックを背負い帰路へ。

行きはよいよい帰りはキツイ。強い向かい風にむかって、ヒーハー言いながらペダルをこぐ。

そして5キロほど走ったところで、ふと、気がつきました。あれ、そういや味噌買ってないじゃん、と。

なんてこった・・・哀号。三歩あるけばわすれる鳥頭め!バカめ!と自分をののしるが、時すでに遅し、です。

 

家にもどり、じゅうじゅうお肉を焼きました。

♪だけども問題は明日の朝 味噌がない 行かなくちゃ 味噌を買いに行かなくちゃ 

中村の街まで行かなくちゃ お馬鹿さん~♪とくちずさみながら。

明朝は、味噌汁ナシですか・・・。パンにしようか、でも、明日のパン買ってあったっけ?

コンビニもない過疎暮らしは、鳥頭ではなかなかタイヘンだ、と今さらながら思う師走の午後です。

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南の川から(気まぐれダイアリー)12月1日

2024-12-01 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024&2025

 おはようございます。四万十は、快晴。

ひさしぶりにおだやかに晴れています。洗濯日和!

(ここ数日は、時雨て風の強い日が続き、空は雲のハイウェイとなり陽ざしが少なく寒かった)。

でも、その前に(洗濯と朝メシ前に)沈下橋へ。

 

キリリと冷えた空気の川は、ひさしぶりに少しニギヤカです。

浅瀬の手前には、水中に入り投網をかまえるおんちゃんの姿がチラホラ。

そうです、落ち鮎漁が今朝からはじまったのです。

そんな季節の風物詩の光景に、ああ、もう師走かぁ・・・無事年を越せるのだろうか・・・

とノーテンキガイドも、さすがに少し気持ちがあせるのでした。

今日の最低気温は、3、0度。

朝の光りのなかに。

 

 

高知県内落ちアユ解禁 四万十川は釣果振るわず | 高知新聞

投網で漁を狙うファン(四万十市入田の四万十川=森本敦士撮影) 高知県内の主要河川で1日、落ちアユ漁が解禁された。四万十市の四万十川では待ちわびた釣り人らが集まっ...

 
 

露地かんきつが激減 猛暑、害虫、裏年重なる 高知県内―支社局「発」!ニュース深掘り | 高知新聞

地元のかんきつ類が集まらず、青森のリンゴが並ぶ直販スペース(黒潮町浮鞭の「道の駅ビオスおおがた」) 今夏は猛暑日が過去10年で最多になるなど、記録的な猛暑となっ...

 

 

 最高気温17、0度。午後も晴れ。

小春日和の昼さがりは、ベランダのコットのうえで、ごろごろにゃーん(日光浴っす)。

ぬけるような青空、かたむいた陽にかがやくレモンイエローの黄葉。

ポカポカ陽気に、服を一枚また一枚とぬがされ、しまいにはハダカに。

素肌にしみるいるのどかな冬の陽ざしが、にゃんとも心地よいです。

 

キチ キチ キチ―!手すりに干したフトンの向こうからモズの高鳴きが聞えてきます。

眼下のスロープから、クロブチがゆっくりとこちらに歩いて来ました。

クロブチは、ノラネコ。白いボディに黒いぶちがある、たぶん、オス。

彼は、時々ふらりと我が家にやってきて、僕があげる煮干しなどをかじっていく。

うれしい来客だけど、今日は、君にあげられるものがないのだなぁ。買い出し前なのよ。

ところで。

以前、初冬のツアーに参加したOさんからのメール(の一部)を、ブログに掲載した事があります。

そのメール(の一部)を再掲します。とてもステキな感想だったので。

「・・・パソコンの画面を息子と見ながら、

冬の四万十川は川底がきれいに見えるくらい澄んでいて、山肌を映す水面がとてもきれいだけど、

実際はそれが四方に広がって、漕いでいる時間がその深さを与えてくれる、

と、息子に自慢すると、とても悔しがっていました。

そして、Paddle your own canoe.は、自分のことは自分でやれという意味ですが、

自分でやってみないとすばらしい体験はできないという意味もあるのだ、と、いってやりました・・・」

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